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クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。  作者: かわち乃梵天丸
第一部 クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
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底辺のBランクグループ1 *

主な登場人物

隅田 男 踊り子。元スクールカースト底辺。女でも殴る ランクB

荒川 男 戦士。隅田の友達。ランクB

秋田 早苗(あきた さなえ) 女 強化魔導 ランクB

青森 林檎(あおもり りんご) 女 聖女 ランクB

 Bランクグループのリーダーの隅田は苦渋を飲まされた様な表情をちらつかせていた。


 騎士が二日前に怪我をしたせいで治療の為にレベリンググループから離脱。


 代わりの騎士がまだ手配されてないらしくグループメンバーだけでレベルを上げている状態だ。


 そのせいも有って格下の筈のCランク勇者達にレベルを大きく追い越されてしまった。


 隅田のグループは戦士、踊り子、強化魔導、聖女と言う職バランスの悪くないグループ。


 普通なら、弱いはずのない職バランスだ。


 強化魔導の秋田が強化魔法を掛け戦士の攻撃力と防御力の底上げをする。


 踊り子の俺がトリッキーな攻撃で弱体を敵に植え付け、敵を弱らせる。


 そこで戦士の荒川が攻撃。


 敵の体力を一気に奪う!


 そして聖女が怪我や状態異常を回復をする。


 本来はそうなるグループであった。


 でも、ハッキリ言ってこのグループは弱い。


 原因は解っている。


 強化魔導の秋田は強化をロクにせずにリーダーの俺を差し置いて指示を出してばかり。


 戦士の荒川は強化魔法を貰っているのに攻撃がやたら弱い。


 聖女の青森も座ってばかりで、やたら回復が遅い。


 まともに動けているのが踊り子の俺一人といった状態。


 その俺も戦士の荒川の攻撃力の少なさをカバーする為に積極的に攻撃をしているせいで満足に敵に弱体を入れる暇がない。


 隅田は弱さの原因をそう分析していた。


 隅田はため息をついた後、鬱憤を晴らすべく怒鳴り始めた。


「お前ら、もう少し真面目に仕事しろよ! まともに仕事してるのは俺だけだろ! 戦士の荒川はもっと気合入れて攻撃しろよ! 一番の原因はお前の攻撃の弱さなんだよ! ぶっちゃけ攻撃が弱すぎるんだよ! このグループは攻撃職はお前だけなんだからな! お前が気合を入れて攻撃をしなければ敵を倒せないんだからな!」


「これでもみんなを守る盾役と攻撃役を兼ねてやってるから精いっぱいなんだよ!」


 それを聞いた強化魔導の秋田が隅田に突っかかった。


「戦士の荒川君はちゃんと仕事してるよ! 騎士さんが居なくなった穴を埋めるために攻撃だけじゃなく、騎士さんがやっていた盾役もやってくれてるんだもん! むしろ遊んでるのは隅田君じゃないの?」


「なっ! 一番働いてる俺のどこが遊んでるというんだよ!」


「弱体役の隅田君が弱体をちゃんと入れないから敵が強いまま! おまけに貧弱な攻撃ばっかりして遊んでるから、みんなやらなくちゃいけない事が出来なくておかしなことになってるんじゃない!」


 隅田は秋田の胸倉を掴んで怒鳴りつける。


「貧弱だと! 一番働いてる俺に向かってお前は何言いだしてるんだよ! お前が余計な指示出してる暇あるなら、強化魔導として他にもっとやる事有るだろ!」


「わたしはみんなのフォローしてるの!」


「何がフォローだ! リーダーでもないのにリーダー気取りで指示出しやがって!」


「おいおい! 仲間割れしてるんじゃねーよ! 一応俺たちは仲間だろ!? お前も秋田も青森もみんなちゃんと仕事してるさ。悪いのは俺だよ。俺が弱いのが原因なんだよ。俺がもう少し頑張るから隅田はこれ以上雰囲気を悪くするんじゃねーよ」


「荒川君……」


 かばってくれた荒川君に申し訳ない気持ちでいっぱいの秋田。


 グループ内は『隅田 対 その他』といった対立の構造になりつつあった。

 

 *


 騎士さんが怪我で抜けてからは、ひたすら弱い敵を狩り続けた。


 弱いといっても騎士さんがいた時と比べての話で、私達にとっては十分強敵だ。


 全滅する程じゃないけけどいつ怪我人が出るかわからない状態だった。


 秋田はそう、パーティーの行く末を案じていた。


 戦士の荒川君は頑張っていた。


 戦士っていうのは器用貧乏らしい。


 攻撃役も盾役も出来るけど、どちらも中途半端。


 攻撃はアタッカー職に攻撃力で大きく負けて、盾役も騎士に防御力が大きく負ける。


 なのに荒川君は盾役も攻撃役も同時にこなしていた。


 攻撃を両手斧で弾きながら攻撃。


 時々攻撃を両手斧で弾きそこなって攻撃を喰らって倒れそうになるけど、必死に踏ん張っていた。


 たぶん私たちを守る為だ。


 ダメージを受けて聖女の青森さんの回復が追い付かなくなると【専守】のジョブスキルを使って攻撃力を防御力に変換して防御形態にシフトして耐え凌ぐ。


 攻撃力が低めなのはこのスキルを使ってるせい。


 聖女の青森さんも頑張っていた。


 弱体役の踊り子の隅田君が攻撃ばかりして殆ど弱体を入れてくれないから、代わりに弱体魔法を使って敵を弱らせながら回復もする。


 当然MPも沢山必要で常にMPが尽きかけだから座ってMPを回復しつつ色々としてくれている。


 役に立ってないのは隅田君と私だな。


 隅田君は何考えてるのかよく解らない。


 戦士の荒川君の十分の一ぐらいの攻撃ダメージしか出せないのに、【目つぶし】や【麻痺毒】の弱体スキルを一切使わずにひたすら短剣で攻撃してるだけ。


 意味ないよ、そんな弱い攻撃。


 そんな攻撃より弱体をちゃんと入れて欲しい。


 そうすれば荒川君が受けるダメージが少なくなって、青森さんがMP回復で座り続ける必要もなくなるのに。


 それとなく注意しても攻撃をやめる気は全く無いないみたい。


 自分の好き勝手にしたいみたい。


 うーん、困ったね。


 まあ、私もあんまり人の事言えないんだけど。


 敵との戦闘開始に【攻撃力上昇】と【防御力上昇】の魔法を使ったら他に出来る事なんて何にもないし。


 殴れば敵を倒すのが早くなるけど、こんな布の装備で前に出てダメージを受けたら回復役の青森さんの手を(わずら)わせるだけだしね。


 せめて回復呪文が使えればなー。


 そうしたら青森さんが座ってる間に私が回復出来るのにな。


 強化魔導は騎士さんに聞いた話だと、ある程度レベルが上がるとパーティーの要になる重要なジョブらしい。


 でも【MP分配】のスキルを覚える辺り迄はあまりやれる事が無いらしい。


 それじゃ居るだけで何にも役に立たないので、この世界に召喚された時に貰ったユニークスキルとスキルで戦うことにした。


 幸い私の持っているスキルはユニークスキルの【超成長】と、スキルの【分析】。


 ユニークスキルの【超成長】は経験値やスキルの習熟度を普通より多く得られるスキルらしい。


 【分析】は敵の行動パターンが一定の確率で読めるようになるスキル。


 【分析】スキルを使い込むと【分析】のスキルレベルが上がって、敵の攻撃をある程度事前に読めるようになった。


 敵の攻撃が光跡となって見えるようになったんだ。だからは私は事前に見える結果をみんなに教えてあげることにした。


「つぎ! 正面から蜘蛛の網! 巻き込まれると身動き取れなくなるわ!」「解った! 横に避ける!」


「次は毒針! 広範囲の攻撃で避けるのは難しいから解毒の準備をして!」「はい!」


「次はカギ爪! 一歩下がれば避けられるわ!」「解った!」


 荒川君と青森さんは私の指示を聞いてくれるからうまく立ち廻れているんだけど、隅田君は私の指示をあえて無視して勝手に行動し続ける。


 そのせいで何度も隅田君が攻撃を喰らって死にそうになって、青森さんが泣きそうな顔をしながら歯を食いしばって回復してる。


 そのせいで余計なMPを消費する。


 青森さんのMPが尽きる原因はこれよ。


 これさえなければもっと楽に戦えるのに……。


 そんな感じでギリギリなとこでレベル上げをこなしていた。


 すると、私のスキルに変化が! スキル【分析】が何か新しいものに変わった! 


「青森さん、ごめん。ちょっと私のステータスを鑑定して」


 青森さんは聖女なのに【鑑定】のスキルまで持っている。


 私と違ってかなり優秀なんだ。


「【分析】がクラスチェンジして【解析】になってるわね」


「【解析】?」


「説明には敵の行動パターンを分析し、敵のステータスを瞬時に解析する事もできるって書いてあるわ」


「戦闘中に敵のステータスを【解析】する意味とか無いし、【分析】とあんまり変わらないんだね」


「そうかも」


 新しく覚えた【解析】は残念スキルだった。


 新しい特技を覚えて少し戦闘が楽になると期待しちゃったんだけど、ちょっと残念だったな。


 でも【分析】でできることはそのまま残ってるからまあいいか。

 

 このスキルが後にとんでもない代物に化けるとは、この時の秋田は知らなかった。

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