ダンジョン踏破コンテスト9 *
四位だと!
システムちゃんを犠牲にしたのに四位だと!
入賞出来なかったのかよ!
全く俺って奴は!
妨害を仕掛けて来た荒川に当たった香川ちゃんが悪いんじゃない。
ましてや荒川が悪いのでもない。
荒川が妨害をしてくる可能性を考えずに、妨害される範囲内にコース取りをした俺が悪いんだ!
システムちゃんが自らの存在を賭した尊い犠牲がを無に帰してしまったではないか!
俺って!
俺って奴は!
なんて間抜けなんだ!
俺は……、俺は……。
大粒の涙が頬を流れる。
その流れは止まる事無く俺の頬を濡らし続けた。
『システムちゃんに会いたい。もう一度でいいから会って謝りたい』
『あの~』
聞き覚えのある声。懐かしい声だった。
『システム?ちゃん?』
『お久しぶりです』
『ど、どうしたんだよ! 消えちゃったんじゃないのかよ! なに思わせぶりな事言って消えちゃったんだよ! ううう……』
『私も女の子二人分の分霊魂を分割したので消えてしまうと思ったのですがどうにか生きています。とはいっても、まだまだ本調子ではないので勇者様の魔力を使って必死に修復作業を行っている最中なので元通りに戻るには二~三日かかりますが……。なんで消えなかったんでしょうね?』
『いや、一時は完全に消えていたぞ。まあ、なんだ。もどれて良かったな!』
『はい! こうして勇者様とまた話せて私も嬉しいです。女の子三人分の分霊魂をキャベツに分割した後は私の記憶が無くて……でも、いつの間にか自己増殖出来る40%に迄回復していましたので、徐々に意識を取り戻せました』
『三人分の分霊体?』
『ええ、三人分の分霊魂を分割したキャベツです』
『ああ、解ったわ。それ俺も食ったからだわ。それで40%とか言うのを超えたんだな』
『食べちゃったんですか?』
『よく考えればキャベツは女の子の分だけで俺の分は無かったんだよな。あんまり深く考えないで食っちまったわ。てへぺろ』
『てへぺろじゃないですよー! もー! わたしの犠牲が意味無くなるとこじゃなかったですか!』
『ごめんごめん。でも良かった。システムちゃんが元通りに戻ってくれて。一時は寂しくて気がおかしくなりそうだったわ』
『勇者様は私の事がどうでもよかったのではないんですか?』
『そんなことある訳無いだろ?』
『でも私が感情を失うと言っても全然止めてくれなかったじゃないですか。止めてくれなかったので、目の前が真っ暗になってもうどうにでもなればいいと、自暴自棄になって分霊魂をキャベツに載せたのです』
『あれはこんな事になるなんて思いもしなくて軽く聞き流していたんだ。ほんとごめん!』
『そういう事なら許します』
『でも俺がキャベツを食べたのによくステータスの書き換えが出来たな』
『スキルスロットの書き換えには……あっ!』
『どうした?』
『スキルスロットの書き換えに必要なコマンドコンソールは25%の分霊魂が必要なのですが、リンクしたスレーブへのマスターコントロールからの書き換えならばコマンドコンソールは必要なく、10%の分霊魂で書き換え出来るのでした。てへぺろ』
『難しくて何を言ってるのかサッパリ解らなかったが、最後のとこだけは解った。てへぺろじゃねーよ! このドジっ子が!』
『ひー! ごめんなさい!』
『まあなんだ。おかえりシステムちゃん! これからもよろしくな!』
『はい、こちらこそよろしくお願いします!』
いつものシステムちゃんが俺の元に帰って来てくれた。




