ダンジョン踏破コンテスト4 *
俺は叫んだ!
「石川達に一体何が有ったんだよ!」
『恐らく外部から強制的にスキルスロットを書き換えられました』
『スキルの書き換えはシステムちゃん無しには出来ないだろ? しかも他人のスキルを書き換えるって滅茶苦茶過ぎだろ!』
『私もそう思うのですが、事実勇者様のスキルも書き換えられていますので』
『なんだと!?』
俺は自らを鑑定してスキルを調べる。するととんでもない事になっていた。
1 【迅速】LV23
2 【炎耐性】LV6
3 【光耐性】LV1
4 【闇耐性】LV12
5 【風耐性】LV1
『なんだこりゃ?』
『おかしいですよね?』
『ああ、間違いなくおかしい。これシステムちゃんが書き換えたんじゃないよな?』
『もちろんです』
『一体どうなってるんだ? たしか、ゴブリンを操る為に【モンスタートレーナー】スキルを入れたはずだし、他は壁走りをする為に【迅速】を3つと熱湯対策で【炎耐性】だった筈なんだが?』
『はい。ゴブリンの操りが出来たので間違いなく【モンスタートレーナー】のスキルが入っていました。でも、今は消えています』
『途中でゴブリンに指示を出した時は無反応だったんだ。その時にはスキルを書き換えられてたって事か。システムちゃんでも出来ない他人のスキル書き換えが出来るなんてとんでもない事を出来る奴がクラスメイトの中にいるのか?』
『そうなりますね』
ミドリアから遠隔で声が掛かる。
『我が君。大体のお話は聞かせて貰いました』
『ミドリアか。何か解るか?』
『これは多分【分析】スキルの上位スキルである【析出】でスキルスロットを強制的に上書きされている状態ですね』
『スキルスロットの上書きだと?』
『ご安心下さい。上書きと言ってもスキルスロットだけの話です。スキル自体は覚えていて消えていません』
『そうか。じゃあ、元通りに【神速】をスキルスロットに書き戻せばいいんだな?』
『そうなります』
『でも、システムちゃん無しにどうやって石川達のスキルを書き換えるんだ? これってもしかして石川達の勇者が人生積んだのか?』
『その答えなら、システムちゃんが知ってる筈ですわ。では、監視の目が厳しいので私はこの辺で失礼します』
『そうか。助かった、ありがとう!』
『では、失礼致します。コンテスト頑張ってください』
ミドリアとの会話はそこで途切れた。
『という事だった。システムちゃん、石川達のスキルスロットの書き換えをやってくれ』
『私は他人のスキルスロットの書き換えなど出来ません。でも、石川さん達に〇ロリーメイトを分けてあげた時みたいに食べ物に付与して私の分霊体を送り込む方法なら書き換えを出来ます』
『よし! 石川達に分霊体を送り込むのをやってくれ』
『スキルを書き換え出来るほどの分霊体を送り込むなら〇ロリーメイトでは5箱分が一人に必要になりますね。しかも今は〇ロリーメイトを切らしています』
『他に方法は無いのか?』
『そうですね。他の方法となると……ディープキスで粘膜接触による体液交換などはいかがでしょうか? 二分程キスをして頂ければ、スキル書き換えに必要な分霊体の送り込みは完了します』
『ちょ! それはダメだろ! 嫁の石川はともかく、香川ちゃんと長野さんにそんな事したら痴漢冤罪どころじゃない騒ぎだぞ! マジ性的暴行レベルで警察に通報されるぞ!』
『この世界には警察は無いですから』
『衛兵が居るだろ! また裁判に掛けられて弁解不能で即刻死刑判決が下りるぞ!』
『では、子作りによる粘膜接触なんていかがでしょうか?』
『のわっ! キスより悪化してるし! 香川ちゃんと長野さんは嫁でもないのに、そんな方法無理に決まってるだろ! もっとマイルドな他の方法は無いのかよ?』
『マイルドな方法ですか? 時間は掛かりますが食品に付与して食べてもらう方法ですかね? 食品が熱かったり、冷たかったり、水分が多いと分霊体が死滅してしまってダメですから、最適なのは生野菜のサラダとかになります』
『生野菜のサラダか。システムちゃん、サラダになる様な野菜がショップに有るか?』
『そうですね、条件に合う野菜となると……キャベツならあります』
『それだと分量はどれぐらいになるか?』
『キャベツ4分の1個分ぐらいですかね? ちょっと多盛りのトンカツの添え物のキャベツの千切りぐらいです』
『トンカツか……。油を温める作業と揚げる作業が入るから少し時間が掛かりそうだな。生姜焼きにするか?』
『それなら問題無くキャベツを食べれますね。ショップに生姜焼きに使える豚肉と生姜に醤油も有ります』
『そうか、それを四人分頼む。あとドレッシングもショップに有るか?』
『シンプルな玉ねぎのすりおろしドレッシングならあります』
『それも頼む。これから準備をするから、準備が出来次第食材を頼む』
『解りました。あと、注意なのですが……石川さん達のステータス書き換えが出来る分量の分霊体をキャベツに載せてお渡ししますが、それ以降わたしの知性は失われ機械的な返答しか出来なくなりますのでご注意ください』
『解った。緊急事態だから仕方ないな』
『……はい。緊急事態ですから……。』
俺は木工スキルを使い、テーブルとイス、まな板、皿。茶碗、コップ、箸を作る。
鍛冶スキルを使い、フライパンとコンロ、包丁を作る。
三分掛からずに全てを仕上げた。
我ながら素早い仕事だ。
『よし、じゃあ頼む!』
『わかりました。今までありがとうございました。楽しかったです』
『えっ? どういう意味だ?』
俺の目の前に食材が現れると同時にシステムちゃんが沈黙した。




