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転生したので黒歴史の続きを生きてみる  作者: JーWelf
第一幕 転生、些細な日常
7/14

第五話 読書、お泊まり、シチューおかわり

「アリストー、本持ってきたよー」


 ルーオが本を抱えて部屋に戻るとそこには不機嫌そうなオーラをだし頬を膨らませているアリストがいた。


「・・・遅い・・・これ・・・読み終わった・・・」


「え、もう一冊あったよね?読むの早くなったの?」


「ルーオ、窓の外見て・・・」


「・・・夕日がきれいだね」


 ルーオは窓に映る夕日を見て黄昏たようにつぶやく。


「ルーオ」


 アリストが静かに名前を呼ぶと部屋の温度が下がった気がした。


「はい」


「何か・・・言うことは?」


「ごめんなさい」


 いくら体が地球に比べて大きいだろうとしても、絶対に出せるはずのない迫力をにじませながら無表情のままアリストがルーオに近づく。


「ア、アリスト?どうしてそんなに怒っているのかな?い、いや!遅れたのは悪かった!でもそんなに――」


「ルーオ、持ってきた本の一番上なに?」


「えっと!そ、そうだ!ほらアリストこれで歴史関連の本は読み終わるよ!次はなんだと思う!?」


 ルーオは持ってきた本を手に取り盾としてアリストに突き出す。すると迫っていたアリストの動きが止まり本を掴んできたことにホッとするルーオ。しかし、


「・・・これ、魔法の本」


「え・・・。いやおちつーけアリストこれはだな、つまりそのあれだ!あれがこうしてこうなったんだよ!」


 一瞬凍りついたルーオだが慌ててまくし立てた。そしてその様子からルーオが一人で魔導書を読んだという事に確信を持ったアリストは、ルーオの手から本を奪い取りルーオの頭に全力で叩きつけた。


「ルーオの・・・ルーオのばかぁぁぁ!」


「ちょ、ま、まてってぶっ――」


 バッシーン!と盛大な音を響かせた。



 ――――――――――


 太陽が沈み夜の帳が下りた。

 この時間になると明かりが無ければおおよその家具の位置や人影が見えるくらいで本に書かれた文字など見えないはずなのだが、ルーオとアリストは窓際でかすかな月明かりを頼りに本を読み進めていた。


「ルーオ、これ、なんて読むの・・・?」


「どれ?あぁこれは・・・ってアリスト、家に帰らなくて大丈夫なの?」


「大丈夫、今日から、しばらく、お泊まりだか・・・ら」


「ふーんなら大丈夫か」


「それより、ここも教えて貰ってない、字」


「それは人の名前だよ。フィスタリア=アルティミス・ファラケーヤ」


「・・・人の名前は、難しい字が多い・・・」


「そうだね・・・ちょっとアリスト少し待っててね」


「?・・・どこ、行くの?」


「うん、ちょっとね」


 ルーオは立ち上がると暗いなか積み上げられている本に触れもせずまるで昼間の時のように歩き部屋からでる。

 部屋からでたルーオはそのままリビング向かう。そこには出来たばかりのシチューを運ぶ女性と火が付いていない暖炉の前の椅子に座って本を読んでいる男性がいた。


「あら、ルーオ。ちょうどよかったわ。お夕飯ができたから呼びに行くところだったのよ。アリストちゃんも呼んでいらっしゃい」


 シチューを食卓に置いた女性はルーオの母でラフィアと言い、華やかな金髪と鮮やかなアクアマリンの瞳をしている。


「うん、母さん。でもその前にね・・・父さんも母さんも、アリストがウチに泊まるってしってたの!?」


「あら知っていたけど・・・お父さん、ルーオに話していなかったの?」


 二人から声をかけられて本から顔を上げた男性、カートは茶髪に緑色の瞳をしている。


「言ったはずなんだがな・・・。ルーオ、また本に夢中になって話を聞き流したな。今日からしばらくウェルターさん達は村から出かけるんだ。なのでその間アリストちゃんを私達で預かることになったんだ」


 話を聞き流したと言ったとき目を逸らしたルーオに苦笑しながらカートはもう一度ルーオに説明した。


「そういうことか・・・」


「ルーオ、アリストちゃん呼んできてくれるかしら?」


「分かったよ、母さん・・・」


 ルーオは部屋に戻りまだ本を読んでいるアリストに声をかける。


「アリストーご飯だってさ、おいでー」


「・・・ん。ちょっと待って」


 アリストは章の途中で切り上げるのがいやなのか、身じろぎはしたが本にかじりついている。そしてその本を一度読んだルーオにはまだ終わらないことを知っていたので再び声をかける。


「アリストそれまだ――」


「もう、ちょっと・・・」


「・・・じゃあアリストのご飯はいらな――」


「終わった」


「お、おう・・・」


 振り返り部屋からでようとしたルーオの袖を、いつの間にか後ろに立っていたアリストが引っ張った。


 全員が食卓につき夕飯を半分まで食べ終わった頃、カートは思い出したかのようにルーオに言った。


「そういえばルーオ、まだアリストちゃん以外の村の子達と遊んだことないだろう?明日アリストちゃんと一緒に出かけてはどうだろうか」


「そういえば、そうだね。アリスト、明日は外に遊びに行く?」


「・・・お外は、や――」


「新しいものや珍しいものが発見できそうだし」


「行く」


 一瞬面倒くさそうに顔をしかめたアリストだがルーオが言葉を遮り言った事に興味を引かれ期待が膨らみ目を輝かせた。


(チョロ・・・)


「・・・なに」


「何でもない」

 ――――――――――


 ご飯を食べ風呂に入り終え、本を再び読んでいたルーオだが幼い体ではどうしようも無い眠気に抵抗できなくなり、ベッドに潜り込んだ。ベッドの中は暖かく意識が朦朧としているルーオは柔らかいものを抱き寄せ夢の世界へ旅立っていった。


名字っておもしろいですよね。それでそう読むのか!みたいなことが結構あったり、出会ったことのある名字が意外と少なかったり。

名前は何でもありすぎてまず読めないとかもね。

※今までのタイトルを変えました。

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