異世界ノート 2ページ目
アリストに魔法を教えたから簡単にまとめておこう
まず魔法は『魔法陣』を描きそこに『魔力』を通すことで発動する。俺が昨日使ったのは魔術に分類される。魔術についてはほとんど本にも書いていなかったので教えることはやめておいた。
魔術と魔法の違いは魔法陣を使うか使わないかが大きい差だ。そして魔法陣を使わないということは発動までの過程が大きく違い、中身も大きく違う。まあアリストが食いついてきたけどスルーした。
『魔法陣』
魔力で描かれた特定の図形は魔力に対し変化を及ぼす。この特定の図形を重ね1つの効果を生み出すのが魔法陣であり、魔法陣を通し変化した魔力が魔法である・・・らしい。魔法陣の基本は円陣だな。これに四角や三角といった図形を重ねる。円陣は魔力を変化させるための下準備になる。大きければ大きいほどより細かい効果を生み出せる。ただしその分魔力の消費は馬鹿にならない。
簡単に説明するならばケーキにホイップクリームでデコレーションするときを思いだしてほしい。魔力がホイップクリームで絞り袋の先端に開ける穴が円陣だ。そして他の陣が絞り口に付ける口金だ。
紙などに魔法陣を描いたモノを利用するなどをしなければ基本個人が同時に使える魔法は１つくらいまでだ。理由については魔力と一緒に説明する。
『魔力』
魔力はマナと魔素、この2つのことを指す、もしくはこの2つが混じったモノのことを魔力と言う。
マナとはすべて生物、植物や動物が持っている生命力のことだ。対して魔素とは土や砂、鉱物といった生物以外に宿っているものだ。マナは個人個人で、魔素は素材によって容量が変わってくる。
魔法は魔力を使うとあったが正確には俺たちが比較的自由に操れるのはマナだけだ。魔法陣は耐久力が足りればマナと魔素どちらでも良いが魔法陣だけでは魔法は発動しない。そこで絞り袋を絞るように魔力を送り込むのだが実際に絞れるのはマナだけでこのマナと魔素は水に絵の具を垂らすように混じりやすい。なのでマナだけで魔法陣を発動したとしても魔法陣を通る途中で魔素と混じるのだ。
そして個人によって変わるのは何もマナの保持容量だけではない魔力を操れる容量も変わってくる。
忘れられているかもしれないが俺のステータスを見てくれ。
名：ルーオ=フィエスタ
種族：人
性別：男
詳細▲
ステータス
HP：28
MP：795
体力：16
魔力：238
耐性：77▲
敏捷：10
このステータスにあるMPが俺の持っているマナの量、そして魔力の数字が俺が操れる限界の数値だ。
例えば魔法を使うとき魔力を操れる限界である238を全てマナで消費して魔法陣も紙などに描かなかったとしよう。するとすぐにマナは魔素と混じり合い魔力は238を越え、魔力は制御から離れ魔法陣も魔法も霧散してしまう。
別に限界を越え魔力を動かせるには動かせるが、それは初めて補助輪なしの自転車に乗った子供のように安定しない。
つまり何故個人が発動することが出来る魔法が１つだけなのは単純に魔法陣まで自力で用意したらすぐに制御限界が来るのだ。魔法陣は無理矢理魔力を変化させるものであるから魔法を発動するには耐久力が必要だ。
もし魔法を制御限界で発動するとしたら魔法陣を別で用意すれば何も考えずマナを限界までぶっ放せばいい（ただしそれに耐えられるだけの魔法陣が必要だが）。魔法陣も自力で魔法も発動するならば制御限界の7割は陣の形成に割かなければならず、おまけに少しでも限界を超えると陣が崩れ暴発する。
『魔法』
以上のことをあわせて基本魔法は陣を別に描き、そこに魔力を流し発動するのが一般的である。
別に限界を超えて魔法陣も自力で発動しても良いけど目隠しをしてヘッドホンで上下左右ランダムに音を流されつつ、凹凸が一切無い地面を震度4くらいで揺らされている中で真っ直ぐに歩けっていわれるようなものだ。まず無理だろう。
魔法の威力は陣と魔力を流す量で決まる。ただし無属性の時に限って言えば威力は魔力を流す量だけできまる。魔力は実体がないからな。
魔力には属性があり、普通のマナと魔素は無属性になる。ではどうやって魔力に属性を着けるというとスキルによってだったり属性陣によってだ。魔法は魔法陣に属性陣をつなげて魔力を変える・・・が、今日アリストに教えたのはここまでだ。
属性陣云々には媒体が必要になってくるので今教えても意味がない。アリストは膨れ面をしたが魔法陣を自力で出して魔法を全力で出せるようになってからなと言っておいた。それでも納得していなかったが俺が実践して見せたら納得した。
まぁ、属性陣だけは自力でしか用意出来ないので全部を自力で出来るくらいなければ使えないと思う。
魔法についてはこんなもんだなー。そういえばウェルターさんたちがもうすぐ帰ってくるらしい。帰ってきたら俺も気闘術を教えてもらうことにしよう。
カットした部分を別の形に出す予定だったのですが予想以上に手こずりました。
