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11-2

「モーガン、君は絶対にやってはいけない事をやったんだ。それはわかっているか?」


 オーランド殿下がモーガン様に問いかける。が、モーガン様は黙秘権を使うかの如く黙っている。


「では言い方を変えよう。君は絶対に手を出してはいけないと知りながらもなぜ、手を出したんだ?」

「・・・」

「亡き侯爵夫人のため・・か?」


 モーガンさまの肩が僅かに揺れたのがわかった。

 オーランド殿下は深く息を吐くと、君の口から直接聞きたかったんだがね。と言いながら語り始めた。


 それは悲しくも愛しい人たちの話だった・・





 モーガン侯爵には親が決めた婚約者がおり、その方と結婚をした。貴族に良くある政略結婚だ。

 だが政略であっても二人はとても仲睦まじく、周りの令嬢たちからも羨ましがられる程だった。

 そんな二人に問題があるとすればただ一つ、(後継者に恵まれない)事だった。

 その理由は


「妻のリリーレイは産まれ付き心臓の病を抱えていたんだ」


 殿下の言葉に続くようにモーガン様が語り始めた。とても幸せそうな顔をしながら・・


「私はリリーに言ったんだ。子供は養子を取れば良い。と・・分家には優秀な子がいるからと・・でも彼女は実子を求めた。誰かが彼女に吹き込んだんだ!後継者も産めない女は必要無いと!側室を迎えるべきだと!」


 モーガン様の怒りが伝わってくる。

 もし、私が奥様と同じ立場であったら・・どれだけ辛かっただろう。

 そして女だからこそ、愛する人の子を産みたい。そう思ったはずだ・・


「私は言ったんだ・・君さえ側に居てくれたら私は幸せだと・・」


 モーガン様は奥様を思い出したのか、涙を流しながら話した。


「私はそんな彼女を心配し、専属だったそこのハンナにリリーの事を頼んだんだ。何かあれば直ぐに知らせるように!と。」


 隣でハンナさんが泣きながら何かを言っている。

 オーランド殿下はハンナさんの口輪を外すよう騎士に命じた。


「ある日奥様は私にお遣いを頼まれました。城下にある薬屋でこれと同じ物を買ってくるようにと。私は尋ねました、何の薬なのかと・・奥様は笑って 子供が授かりやすくなる薬よって・・」


 モーガン様とハンナさんはその時を思い出したのか、とても辛そうな顔をしていた。

 私たちはただ二人の話に耳を傾ける事しか出来ず、黙って聞いていた。


「その薬を飲み始めてからリリーの体調が悪化していったんだ。苦しみ出したり意識を失ったり、でも彼女は子供が授かるからと飲み続けた。それが毒とは知らずに・・」

「「「 !!! 」」」

「その薬を彼女に薦めたのは分家に当たる子爵夫人だった。自分の息子を侯爵家の跡取りにするため、リリーには子を産んで貰いたくなかったそうだ」


 ギリギリと唇を噛む。そこから血が流れている事も気にならないほど、モーガン様は怒っている。

 この方はずっと怒っていたのだ、その怒りをどこかにぶつけても収まらず、ずっとずっと怒り続けているのだ。


「健康な女性なら確かに不妊程度で済む薬だと医師は言ったよ。だかリリーは心臓に病を抱えていた・・

不妊の薬は心臓の薬と相性が悪くてね、心臓の薬の効果を無くしてしまったんだ」


 思いがけない言葉に私たちは息を飲んだ。

 モーガン様とハンナさんはそんな私たちに問いかけた。


 もし貴方達ならどうした?と・・

 

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