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侯爵家のメイドは実は訳あり令嬢だった件  作者: おつかれナス


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11 捕縛そして決着

 気を許した。

 ザカリー様の声を聞き目の前に現れた瞬間、私は気が抜けてしまった。


「シア!」


 マリンの声が聞こえて我に返った瞬間、ハンナの放った小刀が私めがけて飛んできた。


「あーははは、令嬢が居なくなれば証拠も見れまい!!」


 バージニア侯爵の笑い声が聞こえる。

 完全に私の落ち度だ!

 ギュッと目を瞑り構えた・・が、いつまで経っても痛みがこない。それどころか何かに包まれている感触があり、ゆっくりと目を開けた。


「シア、大丈夫?」

「カイン!!」


 私は思わずカインの身体に触れる。確かに当たった気がしたのに出血している感触は無くホッと息を吐いた。

 ハンナはマリンに取り押さえられ「やめろ!触るな!」と大暴れしている。

 どうなっているのか?

 さっきまでマリンは後ろ手に縛られた状態だったのに・・マリンは私と目が合うと軽くウィンクして見せた。


「ザカリー様!シアに傷を付けないと約束したでは無いですか!」

「すまない、だがあの状況では仕方ないだろう」


 私をはじめバージニア侯爵もハンナも何が起きたのか分からなかった。

 

「スロード男爵、もう良いぞ。解除してくれ」


 ザカリー様の一言で一瞬にして周りの人達が全て、ザザーライン侯爵家の騎士に変わった。


「どう言う事だ!我が家の騎士達はどうしたんだ!」


 ザカリー様に拘束されたバージニア侯爵が叫ぶ。


「信じられないが、これが魔法という物らしいな」


 扉の方から声がして全員が一斉に顔を向ける。

 そこに立っていたのはブルガイド王国第二王子オーランド殿下と、バレイド国王太子リード殿下が並んで立っていた。

 そしてその後ろにはスロード商会の会長が満面の笑顔で立っていた。





 私は救出された後ザザーライン侯爵家に運ばれた。首からの出血が見られた為ザザーライン侯爵家の医師に首の処置をしてもらうためだった。

出血量が多かったが傷は浅く、


「傷跡も残らずに治りますよ」


 と言われホッと胸を撫で下ろした。

 その後マリンと共にザザーライン侯爵家の応接室へ案内された。

 すでに関係者が揃っており、私はカインの隣に誘導されそのまま腰を下ろした。

 扉の前にはバージニア侯爵とハンナが縄で縛られた状態で座らされている。


「シア、大丈夫かい?」


 カインが心配そうに聞いてきたので、私は微笑んで答えとした。


「まずはモーガン。言う事はあるかい?」


 オーランド殿下が聞くがバージニア(元侯爵)は何も答えない。

 逆にハンナが何かを叫ぼうとしていたが直ぐに騎士に取り押さえられ、猿ぐつわを噛まされた。


「モーガンは話す気が無いようだから・・私が話そう。これはブルガイドとバレイド両国が絡む事件で・・バート伯爵令嬢。君には辛い話になると思う」


 私の目を真っ直ぐに見つめるオーランド殿下。

 私は無意識に手足が震えていたが、カインの手がそっと私の手を包み込んでくれたおかげで震えが止まった。

 私は殿下に目で合図を送った。

 

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