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7 メイドたちの会話

シアの同僚の会話です。


少し話は戻ります!

「ねぇ!今ミレイアお嬢様から聞いたんだけど、シアがザカリー様の相手を務めるらしいわ!」

「「「「えっ?」」」」


 ここはメイドたちの食堂兼休憩室。

 メイドの仕事は時間が決まっていないため、休憩が取れる部署から順に取るようになっている。

 比較的自由に休憩が取れる洗濯室の私マリンと、今日は早番の厨房のキャルとアリアはミレイアお嬢様付きのメイドのサラから衝撃的な言葉を聞いた。


「確かシアは今日から期間限定ザカリー様付きになったとは聞いたけど・・」

「その話も驚きだったよね?だって絶対にメイドを側に置かないザカリー様がだよ?」


 うんうん!と四人が揃って頭を縦に振る。


「そう言えば、シアと言えばバレイド国から来たベラスター様。やたら彼女の事を聞いてくるってララが言ってたわ!」


 ララは接待係でベラスター様付きだ。

 隣国バレイド国、王太子殿下付き執務官様で、ザカリー様とは真逆の美形だ。


 例えるならザカリー様は月。黒髪で切長の瞳は一見冷たそうに見えるが、懐に入れた人に対しては決して見捨てる事はせずに最後まで道を示してくれる。


 一方ベラスター様は太陽。淡い赤茶色の髪は光の当たり方に寄っては金色にも見え、瞳も大きく笑顔を向けられると心を鷲掴みされてしまう。


 今このザザーライン侯爵家はザカリー様派とベラスター様派に分かれている。

 私は昔から変わらず第二王子殿下派だけど・・


「シアは普段メイド服に包まれてるからアレだけど・・良く見ると綺麗なんだよね。顔もだけど、所作も言葉遣いも・・」


 ある日突然この侯爵家に来た女性。

 訳ありかな?とは思ったけれどそんな女性は幾らでも働いているし、訳ありは決して主人達には付かないから気にもしていなかった。


「着飾ったシア・・綺麗だろうなぁ」


 厨房のアリアがつぶやいた。

 私も想像してみて・・絶対綺麗!と思った。


「明日シアに会えるかなぁ」

「私ガーデン係だから見れるかも!」

「「えっ?いいなぁ」」

「私はミレイアお嬢様に付き添うからシアを身近で見られるわ!」


 得意げにサラが言ってきた。

 私は洗濯室だからお客様がパーティーに出席している時は、シーツ交換に忙しい。

 運が良ければ本邸行けるかな?

 そしたらシアに会えるかな?


 そう考えていると休憩時間が終わりを告げた。


(いつもならシアと同室だから話が聞けるけど、今日明日は部屋に帰って来ないから寂しいなぁ)


 私は洗濯室に向かいながらバルトさんにお願いしてみようかな?と、中庭へと足を向けた。




 次の日、結局本邸には行けなかったがザカリー様にエスコートされて歩くシアを見かけた。

 ザカリー様がいなければ気付けない、別人となったシアに見惚れてしまったのは私だけの秘密だ。


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