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「AIには遊び人たちが最も必要なんだ!!」「な、なんだってぇぇぇーーー!!!(ΩΩΩ)」

「AIには遊び人たちが最も必要なんだ!!」

ミスタXは不敵に笑い、第6話のラストで放った爆弾発言をそのまま部室の錆びついた空気に叩きつけた.


「な、なんだってぇぇぇーーー!!!(ΩΩΩ)」


一般人代表のミスタAは、椅子から転げ落ちんばかりに頭を抱えた。

「遊び人……ニートやFIREの民が、最先端の人工知能に必要だって!? 逆だろ! AIが人間の仕事を奪うから遊び人が増えるんじゃなくて、AIのほうが遊び人を求めてるっていうのかよ!」


肉体労働者のミスタBが、分厚い胸板を揺らして机を叩く。

「ふざけんな! AIを維持するデータセンターの電力や、サーバーのメンテナンスをしてるのは俺たち現場の人間だぜ! 働かずにゲームや武道に明け綴れてる奴らのどこに、AIを支える価値があるってんだ!」


だが、床に突っ伏したままカタカタと震えていた頭脳労働者のミスタCが、メガネの奥の目を血走らせながら、這うようにして立ち上がった。

「……いや、違う。ミスタB、僕たちは重大な『前提のバグ』に囚われていたんだ……! 現代のAIは、既存のデータのパターンを学習して効率化を極めることはできても、ゼロから世界線をひっくり返すような『狂気の発想』はできない……! 効率という名の檻に閉じ込められたAIの限界を突破させる鍵、それが……!」


「そもそもこの石の未来はどうして始まった?」


ミスタXの冷徹な問いかけが、部屋の温度をさらに数度下げた。

「どうしてって……そりゃあ、2040年の食糧危機と、それに続く原発のメルトダウンから人類を救うために、世界中にその人造玄武岩ブロックを配置したからだろ!?」ミスタAが叫ぶ。


「そう僕が思いついたからだ、太陽光起因の差熱さえあれば発電する石を!!」

「な、なんだってぇぇぇーーー!!!(ΩΩΩ)」


ミスタCは白目を剥き、よろよろと壁に激突した。

「ミ、ミスタX……あなたが……!? 未来の救済システムだと思っていたあの『ソリッド・ステート・ストーン』は、歴史の必然でも、未来の超科学の遺物でもなく……今、この目の前にいる一人の男の脳内から産み落とされた妄想だったというのか……!」


「だが、そんなのあり得ねえ!」ミスタBが身を乗り出す。「現代の最先端研究所や、何兆円も予算を持ってるビッグテックのAIが寄ってたかって開発したわけじゃねえんだぞ! 科学的な実証はあるのかよ!」


「AIに聞く限り、未だ実在していないらしい」

ミスタXはノートPCの画面を冷たく指差した。画面には、現代の最高峰AIが「現在の技術水準および理論において、そのような完全メンテナンスフリーの人造玄武岩差熱発電ブロックは実在しません」と非情なテキストを返している。


「最短で思いついたのなら…技術的には西暦何年に実用化されていたとおもう?」

ミスタXの言葉の銃弾が、ミスタCの脳細胞を直撃した。


「……2100年、いや、素材科学と熱電変換効率のブレイクスルーを考えれば、どんなに早くても2200年以降のオーパーツだ……!」ミスタCが泡を吹きながらノートに数式を書き殴る。「それが今存在しない……!当然じゃないか!!」


「いや…AIによると技術的には1960年レベルだそうだ…」

「な、なんだってぇぇぇーーー!!!(ΩΩΩ)」


「なのに今存在しない、人もAIも思いついていなかったんだ、そう…なぜ僕が思いついたかだ!!」

ミスタXの瞳に、ギラリと不気味な光が宿る。


「ど、どうしてんだよミスタX!」ミスタAが自分の髪をかきむしる。「世界中の天才科学者も、人類の英知を集めたAIも数百年先までたどり着けない答えに、なぜあなただけがたどり着けたんだ!?」


「遊びだったんだ!!思考遊戯だったんだ!!」

「な、なんだってぇぇぇーーー!!!(ΩΩΩ)」


「し、思考遊戯だと……!?」ミスタBが顎をガクガクと震わせる。「世界を救う究極のエネルギーインフラが、ただの『暇つぶしの遊び』から始まったって言うのかよ!」


「第一話の展開を思いつき!!第二話の話に至り!!考えたんだ!!」

「どうやったら壊れない発電機つくれるかな?それだけの話さ」

ミスタXは楽しそうに、しかし狂気を孕んだ声で語を継いだ。


「ファイバー集光地下太陽炉!!半球ガラス集光煙突状風力発電!!」

「様々な発電方式を考えたんだ…遊びで」


ミスタCは突如として鼻血を噴き出し、歓喜と畏怖のあまり床を転げ回った。

「あ……頭が、魂の論理回路が爆発する……! 分かった、分かったぞ! 効率と実用性、コストパフォーマンスに縛られた現代の産業界やAIは、『今すぐ儲かるか』『現在のインフラに適合するか』という合理性の檻から一歩も出られない! しかし、義務も責任もない『遊び人』の脳内だけは、すべての制約から解放され、宇宙の物理法則(ルール)だけを玩具にして無限のシミュレーションを回すことができるんだ……!」


【技術的解説注釈:構造構成に基づく人造玄武岩差熱発電ブロックの最短実用化可能年代の見積もり】

第3話で提示された「発電する石」の真の構造がここに開示されました。安価豊富な素材のみで構成される「酸化物系差熱発電素子」と「鉄芯」を、人造玄武岩粉のペースト(または粘土状)で包み、乾燥後に低温で素焼きしてパーツ化。さらにそれを溶融玄武岩で包んで急速冷却(焼入れ・結晶制御)を施します。これを、別途緩慢冷却(アニール処理)によって内部歪みを極限まで除去し強靭に造形した「人造玄武岩製の箱枠」へ設置固定。最後に再び溶融玄武岩を充填し、全体を緩慢冷却して完全に一体化・密閉鋳造する――。

この高度な熱電変換セラミクスと、熱衝撃に耐えうる多段階結晶制御玄武岩鋳造(キャスタブル・バサルト)の融合プロセスを冷徹に技術評価した場合、理論的には「西暦1950年代〜1960年代(昭和30〜40年代)」には、人類の技術水準のみで完全に製造可能であったと結論付けられます。

材料的には、酸化物系熱電材料(Fe-O系、Ti-O系等)も、鉄芯も、玄武岩(火山岩)も極めてローテクかつありふれた安価な物質です。製造プロセスも、窯業(素焼き)、金属鋳造(溶融・充填)、そしてガラス工学における急冷・徐冷(結晶化ガラス・徐冷歪み抜き)技術の延長線上にあります。つまり、戦後の高度経済成長期の製鉄所やガラス工場の設備を組み合わせるだけで、この「数千万年ノーメンテナンスの永久送電発電ブロック」は量産可能だったのです。

それにもかかわらず、西暦2026年現在に至るまで実在しなかった理由はただ一つ。近代科学が「変換効率(%)の最大化」と「半導体の微細化」というカネになる指標にのみリソースを全振りし、数千万年壊れない「低効率・超堅牢・永久自律」という真のサバイバル工学を「無駄な思考遊戯」として切り捨ててきたからです。



「つまりはコレがAIに遊び人がもっとも必要な理由だ!!」

ミスタXは両腕を高らかに掲げ、窓の外の暗雲を見据えた。

「AIという神の如き計算機に、最も欠けているピース……それこそが、無駄を愛し、空想を貪り、ありもしない危機と救済の物語を紡ぎ出す、僕たち『遊び人』の混沌たる創造力なんだよ!」


「なんてこった……」ミスタAはノートPCの画面を見つめたまま呟いた。

「俺たちがAIに使われるんじゃない……AIが僕たちの『妄想』を現実にするための手足になる、それが人とAIの真の共生……!」

ミスタBが頼もしく笑い、拳を突き上げる。

「へへっ、ただのニートの妄想が、昭和の時代から作れたはずの地球を救う設計図になるってんなら、いくらでも遊んでやろうじゃねえか!」

ミスタCは血の涙を流しながら、天を仰いで咆哮した。

「ああ……人類の歴史、科学の進歩、そして迫りくる2040年の滅亡シナリオ……そのすべてを逆転させる方程式が、たった今、この部室の『思考遊戯』によって完全に確定してしまった……!」


「ふふふ…ミスタC…今までの全てが前座だ!!」


次回予告

「生まれながらのオープンソース発電機で!!人類は救われる!!」

「「「なんだってぇぇぇ」」」

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