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寸劇 前編

 クラブ~拉致から始まる活動日記~

四月?日 日曜日

 授業が終了し帰宅する生徒や部活動、クラブ活動に向かうものが出てくるこの時間帯。僕は帰宅せずにとあるところに向かっていた。本当なら僕はこのまま帰宅できるはずだった。

 そう、忘れもしないあの学校生活初日。いきなり拉致され知らないところに連れて行かれた。

 そこで僕を出迎えたのはトーククラブという怪しげなクラブだった。そこには学校の副会長や僕の親友などの四人がいた。勧誘に拉致を用いるのはどうかと思うが、まぁ悪い人ではなさそうだった。

 帰宅部の夢はなくなったが仕方がない。そこまでクラブ活動があわないわけではないので、気長に楽しくやっていくことにした。

 そんなことを考えていると目的の場所についた。

 トーククラブと書かれているプレートがかかっているドアを東は開けた。


     ♪♪♪♪


 部屋にはいると何かのプリントを読んでいる会長一人だけだった。珍しいなと思いつつ会長に声をかける。

「こんにちは会長。ほかの人たちはどうしたんですか?」

すると会長はプリントから目を上げるとちょっとお使いを頼んだのよ、と言い再びプリントに目を落とした。

 前にみたときに会長はなぜか着物を着ていたのだが、今回は制服だ。どっちが通常なんだろうと不思議になりながら、ラノベを一冊手にとり読み始める。

 読書しながらふと思ったのだが、会長はコスプレが好きなんじゃないか?もしそうならこっちにコスプレを強要される可能性が出てくる、それはいただけないな。

などと適当なことを考えていると物語が全く入ってこない。仕方ないので別なことをしようと立ち上がったとき、勢いよいドアが開いた。

「ただいま帰りました」

と夏ら三人が両手に荷物を持って帰ってきた。荷物を適当なところにおくとそれぞれいつもの場所に腰をかけ、ため息をついた。

 会長は三人が持ってきた荷物を嬉しそうな顔をしてあさっていた。横からちらちらと剣のようなものや金棒が見える。

 東は会長に

「なんか寸劇でもするんですか?」

と冗談混じりに聞くと夏ら三人は明らかに顔をひきつらせていた。

 何かヘンなことを言っただろうかと会長を見ると満面の笑みだった。そこでやっと今の状況に気づきなんだか泣けてきてしまった。

 そうか。そうだったのか。僕が今日部屋に入った時点。いや、もしかしたら昨日からかもしれない。そう、すでに決定事項だったのだ。力なき小市民は権力の高いものには従うしかないのだ。

 会長はにこやかに

「さて今日は寸劇をやりましょうか」


     ♪♪♪♪


 私がバカだったのよと時雨先輩がことの顛末を語ってくれた。

 なんでも東以外の四人は先に集まってたらしく、そこで凪先輩がネットで見つけた寸劇の台本を見ていたらしい。そのときに時雨先輩が全員で寸劇もいいですねなんて会長の前で言ったらしい。案の定会長は、ならやりましょうか。寸劇。ということになったらしい。やるなら道具が必要ねと言い、先輩方や夏の制止を押し切り、演劇部への小道具調達を命じた。

「なるほどね。まぁ大変そうだけどちゃっちゃとやって、会長を満足させましょうや」

そう東が言うと、夏が早くもここでの会長への対処の仕方を覚えたようだなと、ほめてんだか、貶しているんだかわからんことを言ってきた。

「そうね。後悔してても意味ないわね。それじゃあまず簡単な所からで、台本はさっきの説明ででてたやつを使うとして、配役を決めなくてはね」

と時雨先輩が言うとホワイトボードに役を書き出していった。


桃太郎(兄、姉)       1

桃太郎(弟、妹)       1

dog             1

村人C             1

魔法少女マジカル・メリーさん 1

ナレーター          1


「役が6つあるので必然的に誰か二役になります」

 寸劇に関して今進めているのは時雨先輩だ。いやがってはいたが案外ノリノリなのかな。

 そんなことを考えているとはいはーいと、会長が手を挙げていた。

「何ですか会長」

「私主役の桃太郎姉がやりたい」

そういう会長に凪先輩が

「私だって主役張りたい」

と言い出す。乗り気じゃなかったのにいざやるとなると主役がいいのか。大変なお嬢様だこと。夏を見ると俺はなんでもいいぜみたいな顔をしていた。

 今時雨先輩の前で主役争いが起きている。

 時雨先輩は二人に片方が妹ならいいんじゃないのと聞く。すると

「なんで会長の私が主役はれないの。おかしいじゃん」

「なに言ってるの。会長の我が儘で寸劇やろうかって、話になってるのだから少しは譲ってやろうとか思わないの?」

 不毛だね。手っ取り早くじゃんけんで決めちゃえばいいのにという、二人に凄い形相でにらまれたので、おとなしくすっこんでることにする。僕は小市民なんだ。

 業を煮やした先輩が抽選で決めるというと、二人は文句を言い始めたが一言黙れと言うと一瞬で借りてきた猫のようになった。はっきり言って、かなり威圧感がハンパなかった。ソファーで寝ていた夏も何事かと目をあけてキョロキョロしてた。

 ということで抽選。村人Cとナレーターが兼任ということになった。また一悶着あると思ったが、時雨先輩の監視の元滞りなく進んだ。そして配役が決まった。

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