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第59話 振り返らないように。

 

 .°. ︎:・• +。      °。° ︎.。  •・.• 。° .。° 。°。 ︎ .    ・

 警告音(アラート)は鳴り続ける。

 もう聞こえなくなるほどに。


 想像を絶するほどの重い負荷が

 体を一瞬で押し潰そうとする。


 「………ああぁあぁあッッ!!!」


 頭の中には、記憶が見せる光景(ビジョン)

絶え間なく永遠に流れ続ける。


 「ノ……エ……マ……」


 白銀の髪が瞬く間に伸び

 彼女の細胞が変化していく。


 薄れゆく意識のなかで目に映ったその光景に、

 私は思わず声を上げた


       


        「ただいま


         あなたーーーーーー



 意識はただ静かに闇へと沈み、彼女を乗せた小さな宇宙船は『 青く輝く惑星 』へと

落ちて行ったーーー.°. :・• +。      °。° ︎.。  •・.• 。° .。° 。°。 ︎ .    ・


  がばっ!!


 「おいみんな!……」


 ハガネの意識が戻る。


 「おい……ノエマ!」


 「ミノリ!ベリル!」


 三人ともまだ床に寝っ転がって

 まるで眠っているみたいだった。


 ぴくっ


ノエマ 「……んん……あれ?ハガネちゃん??」


ハガネ 「……! ノエマ!無事か?!」


ノエマ 「ん、うん……なんかちょっと

     へんな気分だけど。」


    「あれ?ミノリとベリル君は?」



ハガネ 「ん。」


 二人を指差すハガネ。


 すると、二人はゆっくりと起き上がってくる。


ベリル 「……あ?姉貴の部屋?!なんで?」


ミノリ 「いっ今!!地球に

     危機が迫っている!!」



ノエマとハガネ「「…………!?」」


ハガネ    「なっはっはっは〜!!」


ノエマ    「ふふ。……あはは!」


 ミノリの思わぬ寝言に爆笑し出すハガネと、つられて笑うノエマ。現状を把握しきれていないベリル。


ノエマ   「ハガネちゃん。」



ハガネ   「ん?どしたノエマ」



ノエマ   「わたしね。ひとつだけ

       思いだしたの。これ」


 と、ペンダントから写真を取り出すノエマ。


 「ほら。小っちゃくここに書いてあるでしょ?」



ハガネ   「どれ……」


 『To the one who remembers — Noema.』


 「ノエマ……忘れないで……ってことか?」


ノエマ   「ううん。たぶんね……それは」


 「お母さんが、わたしに最後に伝えようとしてくれたことなんだと思うの。」


ハガネ   「それだけじゃないって……

      そういう意味か?」


ノエマ   「うん。」


ミノリ   「ハガネーあたしなんか眠たいから

       帰るわ……ふあ〜あ。」


ノエマ   「あっ、じゃあわたしも今日は帰る

     ね?またねハガネちゃん。ベリル君。」


ハガネ   「お、おお。また、な。」


ベリル   「んが?天使様……帰んのか?

      じゃあ俺が玄関まで見送るぜ。」


ミノリ   「あたしもいるんですけど!!」


      最後にミノリがベリルに言った。


---


 ミノリと「おやすみ」を交わし合って

 別れたその晩。


 ノエマはベッドに仰向けになって暗い天井を

 見つめていた。


 『はあ。今日もなんだか色々あって……

 なんか少し疲れちゃったな。』


 『お母さん……今頃どこにいるんだろう。

  無事でいてくれたら良いな……』



 「フィー!」


 ぽむっ


 ノエマの体に突然アタックするフィリム。


 「フィリム?……そうだ!夜ご飯なんにも

 食べてなかったね。」


 パアア!と、明かりが灯る部屋で。


 フィリムとノエマは仲良く

 ホットサンドを作って食べた。


---


 ちゅんちゅん


 あちゅんちゅんちゅん



  「ん、んん……」


  「ノエマ様」


  「ノエマ様。」


  「ん?フィリム?おはよ。」

  「あれ?なんか良いにおいがする……」


  「おはようございますノエマ様。」


  と、礼儀正しく一礼したフィリムが続ける。


 「今朝の朝食はわたしがご用意させていただきました。さあ、こちらへ。」


 ノエマがダイニングに行くと、そこには数々の手作り料理が、バイキング形式で綺麗に並べられていた。


 「フィリム!すごいね!」

 「お料理がこんな風に並んでるのなんか」

「わたし、みたことない!」


 「昨日はノエマ様が作ってくださったあのお料理がとても美味しくて。」


 「感銘を受けたものですから。今朝はわたしが腕によりをかけて作らせていただきました。お口にあうかどうかは、分かりませんが……」


 はむっ もぐもぐ


 ごくっ。


 ひょいっとフィリムの創作料理に手を伸ばして、

 行儀わるーく料理をつまんで食べたノエマは


 「ふうう〜〜〜ん!すんごくおいひいよ!

 フィリム!ありがとう。」


 「では、こうして……お皿に少しずつ乗せていくんですよ。ノエマ様?」


 ノエマは美しく並べられた料理に目をキラキラさせて、少しよだれが垂れそうになった。


 「ん?そっか。そうやってやるんだね。じゃあ一緒に食べよっか。フィリム。」


 「はい!」


 そうやって楽しそうに笑い合う二人はーー


 アルテイシアが託した

 この宇宙で『 たった一つの希望 』だった。


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