第5話 食料を揃えよう。
ベットと武器が買え、残るは浴槽と食料だ。
浴槽は最悪、近くの木をなんとかするか、直で入るかにすればいい。
食料を現地調達するにしても、食べられるかどうかも判断するのは私に出来るとは思わない。
異世界に来て急にできる!なんてことはないだろう。
となると、食料は大事だ。
今持っているお金、100000Qのうち半分は隣の国に行ってから使えるように取っておきたい。
そして、今日食料を買って、調理するためにもう一泊しようと思っている。
調理用具も買っても無駄にならないだろう。
アイテムボックスがあるし。
残しておくお金50000Q。泊まる場所をこだわらなく、連泊での契約にすれば半年は暮らせるだろう。
今日もう一泊泊まる分として、500Q。ちなみに調理場を貸してくれるよう頼んだ。皮むきなどのお手伝いをすることによって許可が出た。太っ腹な人達だ。
食材費として、40000Q。半年は余裕で持つくらいの食料を作ろうと思う。残りはそのままの状態でアイテムボックスに入れとく。
地図上では、近いけど、私がどれくらいかかるか分からない。それに、私は純日本人だ。移動は車、バス、チャリなど、文明の利器が沢山ある。
歩くスピードや休憩の回数などもこの国の人基準で考えないべきだろう。
それに馬に1人で乗れると言っても私はずっと乗れるわけじゃないと思う。牧場でも30分間だけだったし。
残りのお金で浴槽が買えたらいいなって感じである。
さてさて、市場に着いた。
おー!野菜も果物も日本のものと名前が一緒だ。これはとても嬉しいそして、とても新鮮だ。
調味料は少ないようだけれど。
試食というものはないようだ。
試しに少しだけ買って帰ろうと思う。
アイテムボックスは人前であまり使わない方がいいみたいだし少量買っておくことにする。
調理をする時、お金を払ったら食材を使わせてくれるだろうか?
あとで、女将さんに聞いておこう。
果物の林檎を食べた。
うん、味も見た目も日本で食べてたものと変わらない。
食材は安かった。
浴槽は買うのをやめた。
実はこの国にお風呂というものはあるものの一般に習慣化されてる訳ではなく、浴槽単品でも売っていなかった。
各家庭にもないようだ。
ここの宿は別途料金を支払うか、元々浴槽のついている部屋を借りれば入れる。
私は浴槽のついてる部屋をとった。1番最初は1泊だったから部屋も変えれた。
浴槽付きだと600Q。しかも、シャンプーも石鹸もない。石鹸は別料金だった。予想していたより、石鹸の質は良かった。
そして、この部屋に泊まる人はほとんどいないらしい。
今日はこの後、夜用の野菜の皮むきのお手伝いをすることになっている。それが終わり、料理人さんの仕込みが済んだら調理場を使っていいらしい。
今日は色々な所に買い出しに行き、疲れたから今日と明日泊まり、明後日出発することにした。
ということで、おかみさんにもう一泊追加をお願いしたら、昼はずっと調理場空いてるからもし使いたいなら明日も貸すよって言ってくれた。しかも、明日は手伝いなしでもいいそうだ。
食材の方も聞いたら、了承してくれた。結構な量使うと言っても大丈夫だとも言ってくれた。
なんて、素敵な宿なんだ!!
この国では、朝8時と10時の2回、昼12時1回、夜3時と5時と7時の3回に鐘が鳴る。
今は3時の鐘、夜1の鐘が鳴った。
私はお昼を食べていない。
つまりは腹ペコだ。
今から夜用の野菜の皮むきをするため調理場にいるんだけど、美味しそうな匂いがすごい。
お腹がぐぅぐう言ってる。
恥ずかしい。
「サクラちゃん、これ、まかないなんだけど、、、いる?余ってるんだけど。」
見ると、コック見習いさんが私に美味しそうなごはんをさしだしてくれた。
もちろん、余るなんてことはないと思う。
ここの人達は優しい。
お言葉に甘えさせてもう。
「いいんですか?嬉しいです。ありがとうございます。」
遠慮なく貰った。
形の悪い野菜が多く入ったスープと切った林檎だった。
形が悪くても、朝、宿で食べたようにとても美味しいスープであった。
林檎もとても美味しい。
「とっても美味しいです。本当にありがとうございます。皮むきぐらいしか出来ないですけど、頑張ります!!」
「正直助かってるよ。、、実は今日の当番の見習い2人が体調崩しちゃってね。具合が悪いと皮むきでも調理場に入らせてもらえないんだ。だからサクラちゃんがいてくれて、本当に助かったよ。それもここの調理場を貸すだけでいいなんて。普通は宿の料金を減らすからとかの交渉をしないといけないのにね。」
そうか、私に優しかったのはそういう理由か。でも、それを私に言っていんだろうか?ちらっと他の料理人さんたちを見たけれど、大丈夫そうだ。
私がそれを知っていて、調理場を貸してもらいたいと言ったと思われてるんだろうか。
まーいいけどね。
他に借りれるところないし。
こうして、無事にお手伝いが終わった。
そして、料理人さんたちの仕込みの時間は私が調理場にいると邪魔になるし、することもないので、自分の部屋で休むことにした。
明日は、朝、旅行用の石鹸を買いに行き、昼に調理をすることにした。
そして、私は思い出した。
調理道具を買っていないことを。
調理器具は見習いさんが使っているのを貸してくれるとさっきまかないをくれた、ジョンさんが言ってくれた。
でも、鍋は欲しい。
アイテムボックスに入れるために。
私は急いで、鍋を買ってきた。
日本で、カレーやスープなどをまとめて作る時の用な大きさの鍋を10個。
それより大きい鍋とフライパンのような手持ちのついた小さい鍋を5個ずつ買った。
合計20個買った。
私の予定では、大鍋にカレーとクリームシチューと具沢山スープとコーンスープを作り温めた状態で保存。
中鍋に5種類それぞれスープを同じく温めた状態で保存また、茹で終わったパスタとポークビーンズと野菜炒めを中鍋に入れておく。
小鍋にパスタと合わせる具材を3種類作って保存。
計15個の鍋に食料が入っている状態にする予定だ。
そして、明日お皿とパンも買いに行こうと思う。
ジョンさんが私のことを呼びに来てくれた。
そして、私から作る予定のものを聞くと手伝うと言ってくれた。
ありがたく手伝ってもらうことにした。
そして、代わりに明日夜用の野菜の皮むきを手伝うことになった。
料理人長から頼まれたそうだ。
まー薄々分かってたけどね。
もちろん、了承したよ。
手伝ってくれて嬉しかったし。
しかも、調理し始める前に言ってくれたからね。
下っ端はどんな所でも上には逆らえない。日本でも異世界でも、それは変わらないようだ。