駆け参じる
異文化な神様たちが造ってくれた白い線の上を走って渡る。
中央に向かって流れていたので、走る以上の速度で、中央に行くことができた。
上から、キラキラとした何かが降りてくる。
精一杯、純粋無垢な聖女を強く出して、誇りを持って訴えた。
「恐れいります、しばらくお待ちくださいませ!」
ピタッと、その言葉に降りてくる何かが動きを止めた。
さすが聖女様。
一応、この時代において、兄様の次に魔力があるだけの事はある。自分の事だけど。
白い筋は一本の滝のようにまとまって、中央に流れ落ちている。
そこに、兄とラウル様が赤い池の中で倒れているのが見えた。
血の気がますます引く思いで、白い道のままに流れ落ちると、大きな石舞台の上に降りた。
「お兄様! ラウル様!」
「・・・まさか、なぜここに・・・」
ラウル様が反応して顔を上げる。わき腹から血を流して膝をついている。
お兄様は、血の池の中倒れていて、私の声に反応をしない。
傍に、見た事も無い見事な黒塗りの剣があった。恐ろしく突出した力を感じる。これで斬った!?
バシャバシャと、赤く変わった池の中、お兄様に駆け寄る。
「お兄様! お兄様!」
「・・・アリリエル、か・・・?」
フゥッとお兄様の意識が戻った。けれど、随分と辛そうで、話すのさえ苦しそうだ。酷い。
私はラウル様を振り向いた。
「ラウル様! この状況は一体!? 呪いがこれで消えるのですか?」
ラウル様も苦しそうにしながら、けれど答える。
「ザザック、が、神官としての知識を、ここで、受け継いだ。儀式の刀が、それ。血を与えるのが、儀式だ。それを、一人分を、二人で分ければ、と、けれど」
ここまで言って、顔を歪めて肩で息をし始める。
「・・・足りない、かもね」
と、私の傍で、顔色を真っ白にしたお兄様が呟く。
殺さなければ、足りないかもね
と、誰が言ったような気がした。男の声だ。指摘するような雰囲気だ。
この場を使っていた、自分たちの遠い先祖の声だろうか・・・?
私は上を見た。
上に留まる光。あれが、人一人をお供えに要求してきた、古代の神様。
『ソの神を殺せ』
異文化な神様の声が、私に届いた。




