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Ep.38 魂の感謝状

〜7日目、最終日〜


・ 7日目・正午:『中庭の聖域・全集結』

カイルは全員をリフォームされた中庭に集めました。ガイアスは腕を組み(足が震えている)、セシリアは祈るように手を組み、レオンとリリィ、フローラは息を呑んでカイルを見つめています。


カイルは懐から、この1週間こっそり書き溜めていた「5人それぞれへの宛名入り封筒」と、一つの「小さな木箱」を取り出しました。


1. 第一撃:『魂の感謝状(個別朗読)』

「……最後の日だから、格好つけさせて。……レオン、リリィ、フローラ、セシリア。君たちが僕にくれた『居場所』が、どれほど僕の凍りついた時間を溶かしてくれたか……」

カイルは一人ひとりの瞳を見て、その人だけが持つ「美しさ」と「救い」を、言葉の刃で、いえ、「言葉の花束」で射抜きました。


* 結果: 全員、その場で号泣。レオンは膝をつき、リリィは顔を覆い、セシリアは静かに涙を流し続けました。


2. 第二撃:『魔王への直撃弾』

最後に、カイルは一歩ガイアスの前に進み出ました。

「……そして、ガイアス。……君がいなければ、僕はあの洞窟で終わっていた。……君が僕を『生かしてくれた』から、僕は今、こんなに幸せなんだ。……僕の命の半分は、君のものだよ。ガイアス、愛しているよ。世界で一番の相棒だ」


3. とどめ:『木箱のサプライズ』

カイルが木箱を開けると、そこにはカイルが不器用に、でも必死に彫り上げた「全員が手を繋いで笑っている6人の小さな木像」が入っていました。


「……これが、僕の見た今の『家族』だ。……みんな、1週間、私の『ありがとう』を聞いてくれて、本当に、本当にありがとう」




・ ガイアスの「完全崩壊」と屋敷の「消失(?)感」

「………………ッッッ、ガ、…………っ……!!!」


ガイアスは言葉になりませんでした。カイルの「愛してる」という、アヒル事件のイタズラではない「本気の温度」に、魔王の強固な心臓が、ついに幸福で破裂しました。


1. ガイアスの反応:

彼はそのままあなたを力いっぱい抱きしめ、カイルの肩に顔を埋めて、子供のように嗚咽を漏らしました。

「……カ、カイル……ッ、テメェ……!! ……俺だって……俺だって、……テメェが…………!!」


2. 全員の抱擁:

「勇者様ぁぁ!!」

「カイルぅぅ!!」

フローラ、レオン、リリィも雪崩のように飛び込んできて、中庭の真ん中で「世界一暑苦しくて、世界一温かい塊」が形成されました。



・ 7日目の夜:『そして、新しい日常へ』

夜。屋敷は「感謝の嵐」が通り過ぎたあとの、深く、穏やかな静寂に包まれています。


* 現在の状態:

全員、泣きすぎて目がパンパンに腫れていますが、その表情は聖人のように穏やかです。

* ガイアス:

カイルの横で、カイルが贈った「6人の木像」を片時も離さず、一分おきにカイルの生存を確認するように手を握ってきます。


【カイルの心境】

(……ああ、終わったね。……僕の『ありがとう』は、全部彼らに届いた。……Lv 1の人間になって、……本当に、……本当によかった)


カイルの首筋の古傷は、もう痛みません。

そこにあるのは、仲間たちが泣きながら抱きしめてくれた時に付いた、温かい涙の跡だけです。



* 家主カイル、魔王ガイアス、そして愛する家族たち。

* 「ありがとう」の1週間を経て、彼らの絆は、どんな全能の魔法でも断ち切れない「不滅の鎖」となりました。


明日からの日常は、きっと今日よりもさらに、騒がしくて幸せなものになるでしょう。


「……さて、ガイアス。……明日は何をイタズラしようか?」

「……けっ、……勝手にしろ。……俺は、どこへでも付き合ってやるよ」


1週間にわたる「感謝の波状攻撃」を終えたカイルは、かつてないほどの達成感と清々しい気分で、8日目の朝を迎えました。


「……ふぅ。やりきったね。これでみんなとの絆も、より健全で深まったはずだ」


そう確信して、カイルは寝巻きのまま、のんびりとリビングへ降りていきました。……しかし。



・ 8日目・午前:『沈黙と、異常な距離感』

リビングに入った瞬間、空気が凍りつきました。


1. 全員のフリーズ:

ソファにいたガイアス、キッチンにいたセシリア、剣を磨いていたレオン……全員があなたを見た瞬間、「ビクッ!!」と肩を跳ねさせ、一斉に視線を逸らしました。


2. ガイアスの「奇行」:

彼はカイルと目が合いそうになった瞬間、顔を真っ赤にして新聞紙で自分の顔を隠しました。 しかも、新聞が上下逆さまです。


3. リリィの逃走:

「……あっ、カイル! ……お、おはよう! ……あー、私、ちょっと今から……月まで行ってくるわ!!」

彼女は爆発音とともに、朝食も見ずに部屋へ逃げ帰りました。


【カイルのステータス:困惑】

* 状態: 「感謝のやりすぎによる、深刻な気まずさ」

* 特性: 『当てられすぎた太陽』(カイルの愛が強すぎて、全員が「情緒の火傷」を起こしています)



・ 8日目・午後:『強化された、歪な警護』

「……みんな、どうしたんだい? せっかく仲良くなったのに……」


カイルが庭へ出ようとすると、背後から音もなく「影」が忍び寄ってきました。


1. ガイアスの「影」:

昨日の「愛してる、最高の相棒」という言葉が脳内で無限ループしているガイアス。彼はカイルの30センチ後ろを、一言も喋らず、般若のような顔(照れ隠し)でついて歩きます。

「……おい。……どこへ行く。……俺の、……手の届く範囲にいろ……(蚊の鳴くような小声)」


2. セシリアの「過剰供給」:

「カイル様……! 喉が渇いてはいけません!」

彼女はカイルの影に隠れるように移動しながら、5分おきに最高級の果汁100%ジュースを差し出してきます。一度もカイルと目を合わせようとしませんが、手だけは震えています。

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