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成り行き任せの泊り先


 ユウトは現在ガルフと一緒にこれからユウトが滞在(たいざい)する場所へと向かっていた。


 「ユウト君、だいぶお疲れのようだけど?」


 「まぁな。思った以上に(つか)れたぜ」

 

 ミリア―ナさんの面接もそれなりに疲れたが、シルフィアの制服合わせもユウトの体力を使わせた。


 「シルフィアはともかくミリア―ナは厄介(やっかい)な性格があるからね。でも二人共とってもいい人だから安心してね」


 「それは、分かっているから安心してくれ」 

 

 シルフィアは騎士兼学生(きしけんがくせい)と言っていたので、またどこかで会うだろうし、ミリア―ナもユウトの上司となるのでどこかでまた呼ばれるだろう。

 

 しかし結局、聞きたい事もほとんど聞くことは出来なかった。

 

 ユウトにとって(なぞ)な事は多いがそれを解決(かいけつ)するのはまた後になるだろう。


 「ガルフ、ちょっといいか?」


 「なにかな?」


 「ミリアーナさんのことだけどガルフは何か教えてくれるのか?」


 「そうだな。俺も教えられることは少ないな」

 

 ガルフは申し訳なさそうに言う。


 「やっぱり、言うなって言われているのか」


 「いや、俺は別にミリアーナから制限(せいげん)を受けていないけど」


 「え⁉それじゃ、教えてくれるのか」


 「いいけど、もう着いちゃったからまた今度ね」


 「えっ着いたって?」

 

 ユウトは、あまり周りを気にしないで歩いていたので、目の前をよく見ると、そこには(かべ)で周りを囲まれた大きな家があった。


 「ここがこれからユウト君が住む家になるよ」


 「嘘……だろ」

 

 ここにきて、これ程の豪邸(ごうてい)に住んでいる人と俺との接点があるとしたら考え着く人物は数えられる程しかいない。


 「もしかしてここがガルフの家なのか」


 「いや違うよ。俺の家はこことは逆の方向だよ」


 「それなら、もしかしてミリアーナさんの家か」


 「もしそうだとしたら、ユウト君は住める?」


 「いや、無理だ。というか毎日が多分疲れる」


 「そうだろうね。まぁでもそれは無いとしたら、もう分かるでしょ」

 

 ガルフの言う通り残る思い当たる人物はあの人しかいない。でも、本当にそうなのかと疑っていると、先にその家の住人が向かいに来てくれた。


 「ユウ。思ったよりも遅かったですね」

 

 出て来たのは、出会った時から着ていた白ローブではなく何かのモンスターを(かたどっ)った寝間着(ねまぎ)のようなものを着たフィーであった。


 「やっぱり、ここってフィーの家だったのか」

 

 「そうですよ。エアリスも中で待っているので、ユウも中に入ってください」

 

 ユウトは、今までフィーと行動してきたが、思い返してみればフィーはギルドの受付さんに様づけで呼ばれていたし、王国の副団長であるガルフと普通に会話が出来る程であった。それに身に着けていた服装も周りよりもいいものであった。


 「フィーさん。お世話になります!」


 「今更(いまさら)さん付けとかいいですから、早くユウも来て下さい」


 「すいません。失礼します」

 

 「そういうのもいいですからね」

 

 フィーは若干(じゃっかん)(あき)れながらもユウトを家の中に案内しようとした時に、


 「あっ、ユウト君。明日俺が、また(むか)えに来るからエアリスちゃんにも伝えておいてもらってもいいかな」


 「わかったけど、エアリスも何かあるのか?」


 「ミリアーナが、興味があるって言っていたから多分何かしらの用事はあると思うよ」


 「そうか、それならエアリスにも、注意しておくように言っておかないと」

 

 ミリアーナさんは基本いい人だが、気をつけないとどんどん攻め込まれてしまうので、エアリスみたいな優しい子は特に注意が必要だ。


 「言っておいてもどうなるかは想像(そうぞう)がつくけど、適当(てきとう)に紹介でもしておいてよ。あとこれ、今日の三人分お土産。あんまり日が持たないと思うからどこかで食べておいてね」

 

 ユウトは、ガルフから包まれたお土産を受け取ると、


 「それじゃ、俺はこれで失礼するよ」


 「じゃあな。また明日」

 

 ユウトとフィーはガルフを見送ると、


 「さてそれじゃ、お邪魔(じゃま)します」


 「はいどうぞ」

 

 ユウトとフィーは家の中に入るのであった。


 「ユウトお帰り!」


 「ただいま、エアリス」

 

 ユウトが帰って来たことを知ったエアリスはパタパタと歩きながら出迎えにやって来たのだ。そしてエアリスも来た時来ていた服から着替(きが)えており、ふわっとしたもこもこの服がより一層エアリスを可愛くしていた。


 「そっちはどうだったの?」


 「まあ、これからの俺の成り行きが決まったってところかな」


 「その……ユウト。だいぶ(つか)れているようだけど、無理とかしてないよね」


 「無理とかは全然ないよ。ただ、いろんなことがあってちょっと疲れただけさ」


 「そう。それなら良かった」

 

 エアリスはユウトの言葉を聞いて安堵(あんど)する。


 「それと、フィーの両親はどこにいるんだ?これから住まわせてもらうなら、しっかりと挨拶(あいさつ)をしておきたいけど」


 「両親ならここにいませんよ。帰ってくるのも当分先ですし何かない限りはすぐには会えないですよ」


 「でも、フィーの両親って結構(けっこう)フィーの事を大事にしているんだろ。それなのによく俺達を家に泊めてくれたよな」

 

 フィーの両親については、出会った時にユウトは聞いているのである程度の事は知っている。


 「それなら、フィーが平気だって伝えたのと、ミリアちゃんからも言ってくれたので両親とも安心しているみたいですよ」


 「そっかー。ミリア―ナさんも言ってくれているのか……。それは何とも言えないな」


 「ユウト、そのミリアーナさんって誰なの?」


 「俺の上司になった人で、明日エアリスと会う人だよ」


 「えっ!私そんなに偉い人と会うの?」


 この時ユウトは、ガルフはその次に偉いのだが、ここはあえて言わないことにした。

 

 「基本はいい人だけど、少し厄介(やっかい)な性格もあるからエアリスも遊ばれない様に気をつけておいて……といっても無理か」


 「そうですね。ミリアちゃんは、そういうところもありますからね」


 「二人してそう言っている人に会うって私ちょっと怖いんだけど」

 

 エアリスは、二人が言うミリア―ナに若干(じゃっかん)の恐怖を感じたのだが、


 「「まぁ、基本いい人だ(です)」」


 「二人がそういうなら……いいのかなぁ?」


 「さて、そうしたら、ユウは先に入浴(にゅうよく)をしてくるといいですよ」


 「え⁉風呂あんのか」


 「私も入ったけどすごく気持ちが良かったよ!」

 

 エアリスもすごく嬉しそうに言っているしこれは期待できる。


 「それじゃ、ひとっぷろ浴びて来るかな!」


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