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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第四章 忍び寄る暗雲
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女の子達の憧れ

領主の頼みと言う名の命令はこうだ。

2〜3日前よりヴィロームとの往来が無く、そしてオークの集団の確認に加え神託。

これは何かあると領主はヴィロームの安否及び帝都にいる皇帝に報告をしなければとなるが、ギャレットの報告を聞きヴァリュームの防衛も考えなければならない。

そうなると報告にあった腕利きの俺らに帝都へ向かってもらい、親書を届けてもらおうという頼みだった。

もちろん冒険者だと親書も疑われて受け取ってもらえない可能性があるため、騎士団長であるギャレットを同行させると言った。

騎士団長抜けて平気なのかと思ったが、俺が心配することじゃないな。

それに対ルースミア用として作られた城塞都市がオーク如きでは落とせないだろう。


まぁこれは頼みというより命令だし、元より帝都へ行く予定だったため大人しく引き受けることにした。


夜も遅いため領主が寝室を用意してくれたが、ここは丁重にお断りしレイチェルの実家であるレッドエンペラードラゴンインへ行くことにした。

もちろん領主もレイチェルがこの街最大級の宿屋の娘である事は知っていたので了承してくれたさ。

それによりギャレットは明朝宿に向かわせるという事になった。

宿までは、もちろん馬車を出してくれたよ。


宿に着くとレイチェルの両親が喜び、空いていた部屋を使わせてくれる。



「褒美勿体ねぇなぁ。

リーダー欲がなさすぎるのは良くないぜ」


部屋に入って一息つくなりスレイドが喋り出す。


「欲がない訳じゃないさ。

ただね、スレイドがもし偉い人と親しくなっていって、そのうちに爵位を与えられたり領地を与えられたりしたらどうする?」

「ん〜、面倒くせぇ」

「分かってんじゃん」


そう言われて頭をボリボリ掻いている。

うわ、きったね〜フケ落ちまくってるよ。


って言うか俺もこっち来てから、身体は拭いてるけどちゃんと身体を洗ってないんだよな。


ルースミアはカイに教わり身体を拭いてはいるが、臭いとか全くしなかったというか、微かないい匂いさせてるよな。

思えばカイもレイチェルも似たような香りがしたような…香水か。



「サハラ様、帝都に向かうにしてもどの様に行くつもりですか?」


カイが訪ねてきた。


「あぁそっか、街道はマズいかもしれないとなると、森のルートで行くしかないのかな?」

「でも、領主さまはヴィロームの安否もって言ってなかったかしら?」


レイチェルが指を顎に当てながら言う。


「いや、俺らは親書だけのはずだよ。

きっとヴィロームへは別の人に向かわせるんだと思う。

明日ギャレットさんに確認取ろう。

スレイド、森は最近魔物が増えたって言ってたよね。

もしかしたらオークの影響があるのかもしれない」

「捜査した森は前からゴブリン程度しかいなかったはずだぜ?

逃げてそっちに移動したってのも、あの惨殺からありえん」


そうなのか。

だとしたら帝都の近道になる森がなんで魔物が増えたのか気になるな。

そもそもあの捜査した森はどこへ繋がっているんだ?


「捜査した森はどこに繋がってるか分かる?」

「ヴィローム湿原だ」

「湿原は人の手は入ってるの?」

「いや〜、あの湿原は広い上に足がとられるし深い場所があって、あんまり奥地には行かねぇなぁ。

デプスも2止まりだ。

湿原じゃろくに休める場所が無いからしゃあないぜ」


となるとオーク達はおそらくそこだな。

だとしたら尚更近道とされる森の魔物の増加の理由が分からないな。


「俺らが考えてもしゃあないぜ。

決めるのはギャレット騎士団長殿だ」


皆んな頷き一応話がまとまると就寝となるのだが…



「あれ?サハラのそのシャツみたいなの凄く綺麗」


寝るにはさすがに邪魔なためエルフの外套を脱いだ時、目ざとくレイチェルが気がつきやがった。

やべぇすっかり忘れてたよ。


「オイオイ、それまさかミスリルじゃねぇのか?

間違いない、ミスリルチェインだ!

そんな大層なものどうしたんだ?」

「いや〜、その、なんだ」

「我がサハラにくれてやった物だ」

「くれてやったって…そんな物をポンと渡すルースミアちゃんって…

何者なんだーー!」


夜空にスレイドの声が響いた。




翌朝になり、朝食を済ませたころを見計らった様にギャレットが姿を見せる。


「おはよう諸君。

話は領主から承っている。

帝都までよろしく頼む」

「はい、こちらこそよろしくおねがいします。

と言っても私たちの場合、元より帝都に行くつもりでしたし、言い方悪いですが領主様の依頼を断るわけにいかなかったので…」

「ついで、と言うわけだな」

「あ、いや…まぁ」

「それで構わぬよ。

領主からともなれば依頼も無下に断れないもの。

諸君らは一冒険者なのだから、私たちのように命令される謂れはない、そう思われても仕方があるまい。

ただ、私からすれば諸君らと一緒というのは非常に心強い」

「そう言ってもらえるとありがたいです」


うん、ギャレットいい奴だ。


準備の終わっていた俺たちはすぐにでも出発出来るのだが、一つだけ問題があった。

ギャレットの武装なのだが、騎士団御用達のプレートメイルなのだ。

ガチャガチャと音が鳴り、隠密行動を取ったり逃げる時に邪魔になる。

嫌な予感はしたが、その事をギャレットに伝えるとやはりと言った答えが返ってきた。


「騎士たるもの騎士道十戒は絶対。

物陰に隠れ、迫り来る悪より逃げたりするなど騎士として恥ずべき行為なのだよ」


来たよ来たよ…騎士道十戒。

これあれだ、逃げなきゃいけない時に、騎士は退かぬー!とか絶対言い出すよ、この人。


で、それを聞いていたカイとレイチェルが両手を胸に当てて何か目を輝かしてるし…


俺とスレイドはほぼ同時にため息をついた。



仕方がないか…





いつもありがとうございます。

次回更新は明日の17時を予定しています。

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