激戦
激戦サハラ視点です。
後ほどルースミア視点をアップします。
「サハラ、手加減はいらんのだな」
ルースミアは口角を上げて言う。
「遠慮無くやってくれていいよ。
赤帝竜ルースミア」
「ふむ、なら我を敵にしたことを後悔させてやろう」
ハイオークの雄叫びと共に突進してきた。
さぁここからが正念場だ。
「灰塵と化してくれるわ!流星群!」
は?流星群⁉︎
そう俺が思った瞬間、ルースミアの手から8個の火の塊がオークの群れへと飛んでいき、オークにぶつかるとその衝撃で大爆発を引き起こし、突撃してきたオーク達が木っ端微塵に吹き飛んでいった。
すげーこれが魔法使い最強系攻撃魔法か。
とは言えオークの群れも相当な数がいる。
そのためいくら最強系の攻撃魔法と言っても、さほど倒したようには見えないほど後続が突進を続けてくる。
「今の一回だけだと思うなよ。
流星群!」
更にルースミアが流星群を使い、オーク達は接近することもできずに吹き飛んでいくが、それでもオークの群れは半分も減ってはいない。
まだ接近戦になるまではまだ距離があるため、ルースミアはさらなる魔法を繰り出す。
「サハラよ!次で魔法は最後だ。
炎嵐」
昨日見せた炎嵐を使う。
オークが近すぎて流星群は使えなかったようだ。
俺は接近戦に備えて、ルースミアから貰った『英雄の薬』を飲んでおく。
飲み終えるとすぐに身体中に力がみなぎってくる。
これが!ドーピングって奴か!
そして俺とルースミアはオークの波に飲まれ、お互いの位置を把握してる余裕すらない状況になってしまう。
英雄の薬のおかげか昨日よりもオーク達の動きが遅く見える。
逆手に構え、突き入れそのまま反転させて頭を殴り飛ばす。
数は多いがオークの攻撃速度は遅い。
その証拠に振り被る間に俺は2度以上叩き込めている。
距離を取ったオークに薙ぎ払いの一撃を入れると大きく踏み込み、そのまま添え手を殴りつけた棒の先端に移せば振り被る必要なく叩きつけられる体制は出来ている。
1匹が切りつけてくれば、踏み込み棒先で手首を打ち上げると同時に首元目掛けて逆手で突きを打ち込む。
はっきり言って余裕だった。
ドーピングのおかげもあるんだろうが、この杖術は振りかぶらなくてはいけない武器を相手にする場合、杖術には必要としないその動作の差の分遥かに早く行動がとれる。
乱戦の最中ながら少し余裕が出来たため、ルースミアが気になり辺りを見回してみた。
しかし余裕が出来たのではなく、巨大な狼から降りて近づくハイオークが俺の側に来たため、オーク達が攻撃の手を緩めただけだった。
オークは総じて150㎝程しかないが、今目の前にいるハイオークは180㎝ほどある。
身長175㎝の俺よりデカイ。
そのハイオークが余裕のある顔つきで二刀を構えて俺に向かってきた。
ハイオークは右手の剣を俺に向けながら左手に持った剣を振り被ってくる。
俺は右手首を打ちつけ、そのまま振り上げる時に振り下ろしてきた左手の剣の手首を叩いて剣筋をそらさせると、上段から叩きつけるように振り下ろした。
ハイオークは即座に後ろに跳ぶように俺の攻撃をかわすと、驚いたような顔をしたかと思うとすぐに構えを取る。
振りかぶりが必要ない杖術はそのまま手を前に動かせば更に振り下ろせる。
それをハイオークは一歩下がって回避すると二本の剣を俺に交差させるように同時に振り下ろしてきた。
しかしそれはまさに俺の狙い通りの攻撃だった。
即座に手を前に移すと一歩下がりながら交差させている剣目掛けて叩き込む。
ハイオークは攻撃をやめて手を広げて俺の攻撃をかわす。
そのため俺の棒は空を切って振り下ろしてしまい、そこにハイオークの二刀により交差させながら棒を押さえつけられる。
ハイオークの勝利を確信した顔が俺に向けられるが、俺は棒を押し上げて立てるとハイオークの頭上から叩き込んだ。
慌てて剣を振り上げガードするが、そのまま大きく踏み込んで押し込み、姿勢を崩すと同時に喉元目掛けて棒を突き込んだ。
その瞬間ミシッと言う棒の音が手の感触から伝わってくる。
ガヴェェと言う気持ち悪い声を出しながらハイオークが吹き飛び、仰向けのまま倒れるとそのまま起き上がらなくなった。
俺の方も棒がもうそんなに長くは持たなそうだ。
棒が折れた時点で恐らく死ぬ。
まだ死にたくない。
いつ折れるか分からない棒をオーク達の攻撃に備え、俺が生き残るための最後の手段としてルースミアに頼るために探そうとした時だった。
オーク達が一斉に撤退し始めた。
俺は助かったのか?
油断なく撤退しているオーク達を見据える。
完全に撤退しきると俺は力が抜けて、その場にへたり込んでしまう。
駆け寄り近づく人影に顔を上げるとリストブレードは折れて、あちこち血まみれになり焦げ臭い匂いをさせたルースミアがいた。
「無事だったか」
「なんとか…ね」
「オーク達が一斉に攻撃してきて離れ離れになった時はさすがに我も慌てたぞ」
「もう少しオーク達の撤退が遅かったら、武器が折れて間違いなく死んでたよ」
ルースミアが俺にかぶさってきて、耳元に口を寄せると一言。
「無事で嬉しいぞ」
その後俺は生き延びたことや疲労と安心から、座り込んだまま寝てしまった。
いつもありがとうございます。
魔法や魔法的な攻撃は無いので、サハラの戦いは非常に地味になってしまったように思います。
後ほどルースミア視点を更新です。




