俺、無双?
向かってくるオークはざっと見て20数匹まで減っていた。
逆手に構えた俺にオーク1匹が切りかかってくる。
そのオークの手首に棒を突き入れると剣筋をそらすように力を込め、オークの剣を脇へそらす。
そらすと同時に逆手に持った手を棒の先端へと移しながら一歩下がり回転させて頭を叩きつけるとオークは倒れた。
次に迫る2匹のうち1匹に逆手からの突きを繰り出し牽制すると、突き出した先へ添え手を移しながら一歩下がり、そのまま振り被ることなく回転させるだけでもう1匹のオークの頭上から叩きつけ、更にまた添え手を先端へ移すと同様に最初の1匹に叩きつけた。
杖術には振り被る動作がないため、他の武器に比べて攻撃速度が速いのだが、俺はまだその時は気がついていなかった。
せいぜいオークの攻撃が遅いなと思いながら、次々と押し寄せてくるオークを迎え撃つだけだった。
倒れたオークの確認している暇などなく、ただ向かってくるオークを殴り飛ばし続けた。
俺の周りにいたオークを倒し終える。
「もう終わりだ、リーダー!」
後ろの方からスレイドの声が聞こえ、後ろを見ると馬車から少し離れてしまっていて、いつの間にか俺は1人きりでオークの群れに向かって孤軍奮闘してしまっていたみたいだ。
後方にオークがおおよそ10数匹倒れていて、ズィーが全て首をかっさばいて…い、た。
ウオエエエエエ…
やっちまった。
て言うか気持ち悪りぃ。
首から血がドバドバ出て何か見えてるよ。
「「どうした⁉︎」」
突然吐き出した俺を見て、スレイドとキリシュ達が声をかけてきた。
「気にしなくていい。
ただの病気みたいなものだ。
サハラは生き物を殺せないし、そう言うのを見るのもダメなのだ」
「は?
まさかそう言う理由であんな棒使ってんのか?」
「うむ」
呆れ返るスレイドが俺を見る。見るな。
「あれだけ強いのに…ですか?」
キリシュも驚いている。
クソォ…
カイさんよ、優しく背中さするのやめてくれ…
ありがたいが、余計に惨めになる。
あとな、強いと殺しは別だろ。
「まぁ、あんだけの数ぶっ倒して迎撃出来たんだから…文句は言えないな」
「本当に凄いですよ。
僕がオーク2匹相手するので精一杯だったのに、10匹以上無傷で倒してますからね」
「おう、俺でも5〜6匹だ。
俺がアッサリ負けるわけだな。
だがそれよりも…」
とルースミアを見る。
「ルースミアちゃんだ。
すげぇ魔法だった。
あんなの初めて見たぜ」
全員が頷く中、エラウェラリエルだけが名前に反応を示した。
「赤帝竜と同じ名前…」
「我も実に迷惑だ」
「そう…ですね。
それよりも先ほどの魔法、炎嵐でしたか。
ウィザードだと、かなり高位の魔法ですよね」
「余計な事に首を突っ込むのはやめたほうがいいぞ、エルフ」
そう脅すようにルースミアが言うとエラウェラリエルは黙りこくった。
「プハー!
サハラ、これありがとう。
凄いね、本当にすぐに終わらせちゃったね」
ニッコリとしながら外套を渡してきた。
と同時に手をかざしてくる。
「サハラの気持ち悪いの、治れ!」
おお!吐き気が治まったぞ。
治療なら分かるけど、こう言うのも治せるのね。
「ありがとうレイチェル」
「うううん、今のは私からのお礼よ」
「お礼?」
「ん!」
レイチェルの元気な姿で周りが少し和んだようだ。
そこで俺は気になることが一つ見つかる。
「ハイオークは?」
「サハラ様のところに向かってきていましたが、途中で戦況を立ち止まって見たかと思ったら即座に生き残ったオークと引き返し出しました」
その後みんなで話し合い、今日はエラウェラリエルの魔法の再記憶も必要とのことで、ここで休むことにした。
エンセキは今日一日歩いていてヴィローム方面から来る人がいなかった事から、あと2日かかるヴィロームよりも近いヴァリュームに一度引き返すことにするらしい。
キリシュ達も護衛で雇われているため一緒に戻り、戻り次第ギルドにすぐ報告をするそうだ。
俺たちの目的の場所は街に戻るよりも近いため、そのまま調査に向かうことにした。
いつもありがとうございます。
戦闘描写下手なりに頑張りました。
足りない部分は脳内補完して頂ければ助かります。
次回更新は明日火曜日の予定ですが、書き上げ次第で今日もう一度もあるかも?
それでは!




