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凡人の異世界転移物語  作者: 小さな枝切れ
第二章 冒険者
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ヴァリューム湖遺跡

ヴァリューム湖遺跡、当初正直湖のほとりにでもある遺跡程度と思っていたが、コンシェルジェさんの説明で何かおかしいと思っていたが、まさか湖が干上がって湖底から見つかったとは思いもしなかった。


到着して改めて見たが、すり鉢状になった湖底に建造物が見える。

ただ建造物は過去に人が住んでいたと言うようなものではなく、湖底に神殿のような建物があり、そこから地下に降りる階段が見えるまるでダンジョンみたいな感じだった。


入り口近辺には大勢の冒険者がいて、パーティ募集をしていた。

おいおい、どこぞのネトゲのパーティ募集待ちかよ。


「あんたら随分軽装だな。

新人か?俺と一緒にどうだ?アシストするぜ?」

「必要ない」


それを一刀両断するルースミア。


「暇してたから、親切で言ったのにいくら何でもそりゃないんじゃないか?嬢ちゃん」

「強さの見極めも出来ん奴など要らぬと言ったのだが?」

「あー、はいはいそうですかー」


手をプラプラさせながら去っていく。


「ルースミア、ちょっと言い過ぎじゃないかな?」

「試しで日帰り予定で来たのだろう?

なら2人で十分と思ったが?」

「あー、そっか。そうだった。

何かちょっと戦えていい気になってたかもしれない」


ニヤっと笑うルースミアを見て、気がついていなかった自分自身の馬鹿さ加減に呆れる。

2人だけで階段を降りていく。

イメージはダンジョンRPGだったが、全く違うものでだだっ広い空間があっただけだった。

遠くの方で戦っている音も聞こえていて、正直ゲーム臭いと思ってしまった。


「こっちだ」

「え?何が?」

「何って決まってるだろ。

財宝の臭いだ」


とズンズン進んでいく。

見晴らしのいいだだっ広い空間を嗅ぎ分けているようだ。

降り階段を見つけて近づくと巨大なネズミが3匹いた。


「2匹は我がやる、1匹は主がやってみろ」

「分かった」


段取りはこれだけだった、一斉に襲ってきたネズミは近くで見るとラットのカピバラサイズはある。

ルースミアは両腕のリストブレードのブレード部分を出すと1匹1殺で軽く切り裂いた。

俺は残る1匹の鼻っ面を叩きつける。

鼻っ面を叩きつけられたネズミは前足で鼻を撫でると慌てて逃げ出した。


「殺さずか?」

「うん、今ある危機を超えられれば大丈夫でしょ。

数が多ければスタンさせていくよ」

「綺麗事だな」

「綺麗事なのは分かってる。

単に俺の手で命を奪いたくないだけって理由だし最低なのも分かってる」

「そうか」


リストブレードを戻し歩を進める。

地下2階になると急に狭い通路状に変わり、

暗かったがルースミアが俺の棒の先端に灯りの魔法をかけ問題なくなった。

そのまま物怖じすることなくルースミアは進むが、俺自身は初ダンジョンで正直ビクビクだ。


やがて小さなとは言え直径10メートルはある広間に出る。

特に生物の気配が感じられなかったが、ルースミアが警戒している。


「7、8、10、10匹か。」


言い終えると同時に床に散らばっていた骨が動き出し、やがて人型の姿になる。

ルースミアの言う通り10体のスケルトンが襲ってくる。


「俺1人で試してみる」


賢人の腕輪によって得られた杖術が何処まで通じるのか、複数相手でも戦えるかを試したくなった俺はそう言ってルースミアの前に出て棒を構える。


先頭のスケルトンの頭を砕き、次いでそばに来た2体目の背骨辺りを薙ぎ払うように砕いて無力化する。

3体目4体目と断ち切り、ダブルブレードのように棒の真ん中を持って左右で殴りつける。

10体のスケルトンがあっという間だった。


「雑魚とは言えつい昨日まで吐いていた人間が1人でやったとは思えんな」

「生き物じゃないから思い切り行ってみたけど、恐怖感なく戦えたと思うよ」


よく見ていたチート能力を持った小説のように派手ではないが、杖術は確かにリーチを自在に操ることが出来て地味だが戦える。

ルースミアは強いがもっと強敵が出た時の事を考えると2人だけはそろそろ厳しいかもしれない。

だけど、ルースミアの正体を上手く隠すのも難しいな。


またしばらく進んでいくと結構賑やかにあちこちで戦っている冒険者達を見かける大広間に出る。

ついネトゲの癖で通りまーすなどと声をかけていた俺を不思議そうに見る者もいた。


そんなことは気にせずルースミアはどんどん奥へと進んでいき、何処まで行く気なのか心配になってきた。


やがて人気がなくなったあたりまでくると更に下る階段を見つけて降りていく。

地下3階になると分岐も増えていき全くマッピングしてなかった俺が不安になってきた頃、初めて扉のある所へたどり着いた。


「この先は我に任せろ。

主では荷が重い」

「どういうこと?危険ってこと?」

「さてどうかな」


扉を開け中に入る。

中はやはり10メートル四方の部屋になっていて、辺りは書物や財宝、様々な魔法の物品が転がっていて、その一番奥にこちらに向くように机と椅子があり、そこに1人のボロボロのローブ姿の人物が座っている。

その人物がこちらに顔を向けると顔は骸骨のようだった。


「まさかリッチ…うぐっ!」



うんちく?

賢人の腕輪で得られた杖術は、達人級の腕前と動きが得られています。

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