エピローグ『私の知るところ』
一年後のお話。
一年後 ──
「レッドグレイヴ公爵夫人、この度もご協力賜りまして感謝申し上げます」
「いつも言ってるじゃない。いいのよ、これくらい。茶葉に続き今回はワインだなんて。人脈を広めるアイテムとしてももってこいだわ。貴女もお上手ね」
「前回の茶葉は爆発的に流行しましたからね。これをきっかけに関係国とも太いパイプができて、新作のワインをご紹介いただきましたの。それが今回の商品ですわ」
「香りも風味もいいわ。我が国の貴族が好む味よ」
「ええ、私もそう思います」
「これは、茶会ではないわね……。晩餐会でも開こうかしら?」
「まあ! それは名案ですわ」
「そうしましたら、晩餐会に必要なものもいくつか貴女のところから仕入れさせていただきましょう!」
ぱん、と両手を合わせ、レッドグレイヴ公爵夫人からは心弾ませている様子がうかがえる。
「それはそうと、もうそろそろお戻りになりますの?」
「はい。半年ぶりの帰還ですわ」
「お寂しかったのではなくて?」
「いえ、皆様のおかげで充実した日々を過ごさせてもらいましたので。でも、そうですね……。早くお顔が見たいと思います」
「ええ、ええ。きっとブラックストン公爵様も同じお気持ちだと思いますわ、夫人」
スカーレットの視線の先には、左手にはまる指輪が輝いていた。
(これが、──私の知るところ)
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
スカーレットの選択、そしてそれぞれの「その後」を最後まで見届けていただけて、とても嬉しく思います。
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※少しだけ裏話になります
このお話は、もともとカレンとウィリアムの関係から発想したものでした。
「結ばれたその後はどうなるのか」と考えたことが、
スカーレットという存在につながっています。
※お知らせ
別作品の電子書籍配信が決定しております。
詳細や制作裏話は活動報告にてまとめておりますので、
ご興味がありましたらぜひご覧ください。
本当にありがとうございました。




