パンダさんの未知との遭遇!(前)
遠き山に日は落ちて、星は空に散りばめぬ。
パンダさんたちは、縁台で夕涼みです。
「そうだ、海へ行こう!」
オレたちゃ夜行性!みんなで輪になって唄って踊ろう。
観てるのは、ポッカリ浮かんだお月様だけ。
なんともロマンチックじゃありませんか。
おおっナイス、アイデア!
動物たちはゾロゾロと海へ向かいました。
満天の星空、浜辺には穏やかな波が押し寄せています。
昼間の喧噪からは想像もできない漆黒の静寂・・・
ところが、です。
闇の中にポツポツといくつもの物体がありました。
よく見るとそれは何と、砂浜にズラッと並んでいる!
「何じゃ、こりゃあぁぁぁーっ!」
それは砂で作られたあまり精巧でない造形物でした。
ジャンルはバラバラで、動植物に乗り物やロボットからお城まで!
これは、一体・・・誰が何の目的で?
おとつい、ここ通った時こんなもんは影も形もありませんでした。
するってぇと、わずか一昼夜にしてこれだけのモノを・・・
計画的、組織的な犯行に他なりません。
それにしてはマッタク整合性が取れていない!
ナゾはますます深まるばかり・・・
ピコーン!パンダさん、ヒラメイた!
これは地球外生物が造ったものだっ!
「えっええええええーっ?!」
よぉく見たまえ、ゾウ・キリン・富士山・新幹線・海賊船etc
これら題材は地球にありふれたものだ。が、連中にはメズラシイ。
こんなものがあるよってことを、砂のサンプルで紹介してるんだ。
「何のために?」
地球の侵略に決まってるじゃないかーっ!
エイリアンは事前にリサーチしたのだ。
敵を知り己を知れば百戦危うからず!
スパイを潜入させ、その報告レポートがコレだよ、コレ。
「すると、このカバみたいなのは・・・」
知的生命体を警戒してるのだろう。
「モビルスーツもあるぞ」
それが何よりの証拠!軍事力を分析しておる。
「こっちのは明らかに萌えキャラなんだが・・・」
偶像物にまで着目するとは・・・文化や宗教がやられる!
こうしちゃ、イラレナイ!
夜明けとともに、エイリアンのUFO軍団が大挙襲来する!
この浜辺、このオーパーツを目指して!
意表を突かれたわが地球は、なすすべなく蹂躙されるだろう!
そうはさせるか!この美しいミドリの地球を守るのだ!
「こんなの、ブチ壊しちゃえ!」
手始めにパンダさんのミドルキックが炸裂!
動物たちは次々とオブジェを破壊した。残らず、徹底的に!
朝が、来た!
間一髪!地球はギリギリのところで救われたのだ!
(つづく)




