パンダさんの踊る大捜査線!
賑やかな夕暮れ。街は浮足立っていた。
一日が終わろうとしている。
家路を急ぐひと、灯を求めるひと、ひとが行き交う。
疲労と安寧、ゆるやかに時間が流れる。
何の変哲もない場所だった。
駅を降りるとイキナリ雑踏と喧噪に出くわす。
だが、一歩路地を曲がればそこは閑散としていた。
まるで異世界に迷い込んだように静まりかえっている。
公園の脇に停めた車の中で、パンダさんは待っていた。
あのクスリ屋の角を曲がって現れるであろう男を。
男は組織の金を持って逃亡したのだ。
全力をあげて追わねばならぬ。裏切り者に死を!
が、男の行方はヨウとして知れない。
手負いの男はヤケんなってるので危険である。
コトは慎重かつ迅速に運ばねばならない。
男は最後に元カノのところに現れるであろう。
この先のアパートに訪ねてくるハズだ。
ふぅーっと、パンダさんはため息をついた。
さっきからいろんなひとが通るが、男はまだ来ない。
パンダさんは、ハリネズミとコンビを組んでいた。
通称ハリーさん、張り込みの名手だ。
「来ないなあ。ガセネタじゃねえの?」
いや、ヤツはきっと来るさ。ハリーさんは余裕をかました。
辺りはすっかり暗くなってきた。月は中天にかかってる。
男はやって来ない。
それでいて、駅からはひとがゾロゾロ来るのだ。
男もいれば女もいる。若いのも年取ったのもいる。
大きいのや小さいのや太いのや細いのもいる。
パンダさんは、眠そうに眺めていた。
退屈んなったパンダさんとハリーさん、通行人で遊びだした。
次に来るのが男か?女か?モチロン、金を賭ける。
「やった!女だあ」「くそっ男か!」
盛り上がる中、次なるターゲットが角を曲がってきた。
年配というか老人、その割にスラッとして白髪銀縁眼鏡。
頭は小さいが顔がデカい。手足短く中肉中背。白いジャージの上下。
急かされるように大股でわき目もふらずスタスタ突進してくるのだ。
「よっしゃー、女だっ!おばあさんだけど女は女!勝ったーっ!」
「バカいえ、ありゃおじいさんだろ!」
「どこ見てんだ?じいさんがあんなに髪の毛あるわけないだろ」
「顔が角張ってて、どうしたって男じゃねぇかっ」
「下半身デブで骨格からしてモロ女だ!」
「節穴め!あれは、ばあさんみたいなじいさんだっ!」
「シロウトか!よく見ろ!乳があるぞ。じいさんみたいなばあさんだっ!」
「デブなだけだろーっ!ばあさんみたいなじいさんだっ!」
「じいさんみたいなばあさんだ!」
「ばあさんみたいなじいさんだ!」
「ジジイみたいなババアだ!」
「ババアみたいなジジイだ!」
「ジジイ!」
「ババア!」
パンダさんの踊る大捜査線!
お年寄りは敬い大切にしましょうね。
・・・・・・・・・・To Be Continued




