パンダさんの侵略者を撃て!(前)
遠い宇宙の果て何万光年の彼方から、ヤツラはやってきた。
美しいミドリの地球を目指して。
世界を暗黒とカオスに染める凶悪エイリアン襲来!
悪の帝王率いるUFO軍団は、ゆっくりと地上に降り立った。
上空から偵察したところ、大した文明もなさそうだ。
この分じゃ自慢の長距離弾道ミサイルをブッ放つまでもない。
「おとなしく降伏すれば命だけは助けてやろう」
悪の帝王は残忍な笑みを浮かべて、使者を派遣した。
二体のエイリアン全権大使は真っ暗な森の中を進んでいます。
「ところで、地球の支配者って知ってるか?」
「さあ?でもたぶん、目と口があるだろうから判るさ」
その時、足元でガサガサッと音がした。
草むらからニョロニョロとヘビがはい出したのです。
エイリアン、ビックリ仰天!
「コイツ、ホントに目と口しかねえっ!」
さすがに地球の支配者でなさそうだ。だけどとりあえず拘束。
森を抜けたところで夜が明けてきました。
コケコッコーっ!
「警報サイレンだと?くそっ、発見されたかっ」
さにあらず、ニワトリが朝を告げたのです。
エイリアンも驚いたが、ニワトリはもっともっと驚いた。
パニクって逃げ去ってしまいました。
「ケッ、とんだチキン野郎だぜ」
どうやらこのあたりが首都のようだな。
エイリアンは捕虜のヘビを尋問します。
「おい、地球の支配者は誰だ?」
「シハイシャ?」
くそっ、そこからか!支配者ってのはなあ・・・
それから小一時間ほど、支配者の概念とか定義やらを説明しました。
だけどヘビは舌なめずりするばかりで、チンプンカンプン。
爬虫類の頭脳でヘビは一生懸命考えました。
強くてイバッてるヤツのことだな・・・
だったらライオンでしょう。
けど、ライオンは今頃まだ寝ている時分。
寝起きの悪いライオンに、こんな変なヤツラ連れてったら怒られる!
ヘビは恐る恐るたずねます。
「何をしに行くの?」
「降伏勧告・・・って判らんだろうが、まあ話し合いだ」
なあんだ、会ってオハナシがしたかったのか。
だったら、怖いライオンでなくてもいいじゃん。
そうだ、パンダさんを紹介してあげよう。
何といっても、パンダさんは人気者!
ファンも多いから、こういうミーハーの扱いには慣れてるだろうし。
そのほうがコイツラだって喜ぶだろ、ゼッタイ!
ヘビはエイリアンを、パンダさん家に案内しました。
恐るべきエイリアンの襲来!
地球最大のピンチ!
パンダさん、絶体絶命!




