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パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
25/223

パンダさんの眠れぬ夜!

どんよりと低く雲が垂れ込めます。

北からぴゅうぴゅうと冷たい風が吹いてきました。

小さな白い結晶がヒラリヒラリ・・・冬がやってきたのです。

冬!それはもう、寒くって寒くって凍えてしまいます。

冬は、女王と将軍とナマハゲが支配していました。

吹雪とブリザードの見渡す限り、氷の世界。

-30℃では、バナナで釘が打てるのです。

そんな過酷な環境ですから、多くの動物たちは冬眠します。

寒いし、どーせエサもないなら、暖かくなるまで寝ていよう!

そんな訳で今、野生の王国は1/4ほど機能が停止しています。


パンダさんも冬は苦手なのでホントは冬眠したいクチですが、何分忙しい。

クリスマスやお正月といったイベントが目白押し。

コタツでミカン、鍋物に熱燗をキューッっとなんて堪えられない。

この至福の悦楽を堪能できないなんて、寝てる連中は気の毒だなあ。


そんなある晩、森のクマさんが訪ねてきたのです。

パンダさん、ビックリ!

外は白い雪の夜、とっくに寝ているハズのクマさんがなぜ?

「・・・眠れないんだ」

クマさんは充血したウツロな目で首を振りました。

冬眠といっても、いろいろあります。

最初から最後までずぅーっと寝てるのもあれば、時々目覚めるものも。

近頃は地球温暖化とライフスタイルの変化で、穴倉で起きてるヤツも結構いる。

だけど、クマはたっぷり寝るタイプ。

そのために秋にあんなに暴飲暴食して備えていたじゃありませんか。

ところがクマさん、ふと目が覚めてから眠れなくなっちゃった。さあ、大変!

眠りの呪文、ヒツジを数えてみました。

でもクマさんは算数苦手なので、みっつ以上は、たくさん・たくさん・たくさん・・・

クマ仲間に相談しようにも、みんな寝ています。

ワラをもすがる思いでパンダさんに助けを求めたのでした。


「ふうむ、それは気の毒な」

パンダさんは深く同情しました。

が、ここは発想の転換をしよう!眠れないなら、寝なくていいじゃん!

パンダさんは時間が足りなくて困っています。

観たいアニメ・やらなきゃならぬゲームがいっぱいあるのに、時の流れは非常!

寝食を忘れて取り組みたいのですが、

お腹は空いてくるし、気が付けば寝落ちしてる。

眠らずにすんだら、どれだけ時間を有効に使えることでしょう!

むしろ、ウラヤマシイくらいだ。

パンダさんはクマさんに、大量のアニメDVDとRPGを貸し出しました。


しばらくして、パンダさんはクマさんの洞穴を訪ねました。

クマさんはげっそりとやつれていました。

あれから不眠不休でアニメは二周三周、今はRPGにドップリ。

パンダさん、ビックリ仰天!

RPGはステージ7まで進んでいるではありませんかっ!

パンダさんはまだステージ4もクリアできていてない。

ダンジョンで迷子になってなかなか抜けられないのです。

ヤバいっ!

このままでは先にゴールされてしまう!


「やっぱり寝ないと体に悪いよ」

パンダさんは奥の手、クマさんに催眠術をかけました。

クマさんの目の前で指をグルグル、渦巻きに回します。

コテン、クマさんは安らかな眠りに落ちました。

パンダさん、動物界No.1ゲーマーの座は守られた。



パンダさんの眠れぬ夜!

寝る子は育つ!


・・・・・・・・・・To Be Continued


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