表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンダさんのパン屋さん  作者: 山田靖
105/224

パンダさんのあかずの踏切!

目の前を電車が、駆け抜けて行く。

風をまきこんで電車が、すり抜けて行く。

喜びも悲しみも思い出ともに、運び去ってしまう。

むこうに恋人が待っているのに、ただ立ち尽くす。

懐かしい顔がこちらを向いているのに、立ち尽くす。

ここは、あかずの踏切!


パンダさんは、さっきからイライラしてます。

渋滞で、全然前に進めないのです。

どーなってんだよっ、コレ!

仕方ありません。この先は、あかずの踏切!

コッチからアッチへ行くにはこの道しかない。

この道をまるでワザと横切ってるように電車が通る!

そのたびに、踏切が通行止めになるのです。

たまにならまだ、ガマンのしようもある。

だけど、ひっきりなしなのです。ホントによく通る。

線路は、上りと下りの2WAYあるのもヤッカイ!

このわずかな時間差のスキマを渡らねばならぬ。

ここは、あかずの踏切!


パンダさんは、まだ踏切を渡れずにいます。

くそっ、このままではチコクしてしまう。

また奥さんに怒られるんだぞっ、このヤロウ!

こんなことなら、もっとサボるべきだった!

動画あと2本くらい観れたのにっ!

ハシビロコウの如く、微動だにしねぇ!

いやっ、たしかに前進はしてるのです。

ウッカリすると見落としてしまうくらい、ゆっくりと。

カメとカタツムリが優美にランデブーするかのように。

ああっ、私のハートはストップモーション!

ここは、あかずの踏切!


石の上にも三年、ようやくパンダさん、先頭に出た。

ふうむ、これが諸悪の根源、踏切の遮断機かっ!

ソイツは黄色と黒のトラ模様で威嚇していました。

顔は四角く、大きな赤い目が点滅するのです。

鳴き声は、カンカンカンカン、うるさくて神経を逆なでます。

そして問題の細長い腕!

これ見よがしにいっぱいに広げて、通せんぼ!

こんなヤツのために、ボクは前に進めないんだ!

ここは、あかずの踏切!


ボケッとなすすべもなく立ち尽くすパンダさん!

フト、あることに気がついた。

鳴き声はウルサイが、腕はあんなに細いじゃないか。

弱いイヌほどよく吠えるってゆうし。

パンダさんはためしに腕をつかんでみました。

かっ軽い?!しかもその腕の感触は覚えがあります。

こっこれは!たっ竹じゃねぇかあぁぁぁーっ!

幽霊の正体見たり枯れ尾花!

何と遮断機の腕は竹に黄色と黒のテープ巻いただけだった!

エサの分際でフザケンナ!

バリバリボリボリバリボリボリ!

パンダさん、一気に食べちゃった!



パンダさんのあかずの踏切!

次々と電車が、駆け抜けて行く!

君はいつまで待っているのだろう?

ここは、あかずの踏切!


・・・・・・・・・・To Be Continued


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ