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96 〈現夢〉で背負う新たな呪い

 震える身体を必死に抑えながら、瞬きも忘れて見つめるワルワラの視線の先、俺と竜との闘いは熾烈を極めていた。

 サファイアドラゴンはブレスを突破し、肉薄してきた俺に対し、ブレスの効果が薄いと分かると、その身を水中へと滑り込ませた。擦れ違い様に振るった〈肆耀成す焔〉が触手や翼腕を纏めて薙ぎ払うが、千切れ飛ぶ端から瘴気を纏い、瞬く間に再生する。

 末端は無尽蔵に再生しそうだな。俺は【呼吸】の魔法を唱え、後を追う。その姿から予想はしていたが、サファイアドラゴンは水中での活動がメインであるらしい。相手の土俵に飛び込むのはリスクが高いが、湖中でじっとされていたら、いつまで経っても解決することはできない。

 エメロードのこともあるし、ここは不利を承知で飛び込む時だ。俺は意を決して水中へと身を躍らせた。

 飛び込んだ瞬間、無数の触手が俺を襲う。〈魔巾着〉のそれとは速度も威力も違う触手を、剣へと変じた左手と〈肆耀成す焔〉を振るい、弾き散らす。

 背後からの攻撃は、マグダレナの盾が防ぎ、スマラは補助魔法(バフ)を重ねていく。

『この湖、見た目よりはるかに広い。厄介ね…』

 スマラの言葉通り、地底湖は湖面からは想像もできないほど、遥かに広大だった。

 湖面は言うなれば、大きな酒樽の栓だ。その下には《暗視》を持つ俺の目でも底が見えない程、無限にも思える水が続いている。

 サファイアドラゴンは、水を得た魚の様に周囲を動き回り、執拗な攻撃を仕掛けてきた。

 俺は攻撃を捌きつつ反撃するが、慣れぬ水中での戦闘と、サファイアドラゴンの巨体が生み出す水流に翻弄され、有効打を与えることができていない。

 対するサファイアドラゴンの攻撃は、牙や鉤爪、尾の一撃や突進に加え、今度は長い尾を振り回して生み出された渦巻で、俺を引きずり込もうとする。

 自由に動けるとはいえ、外部の力を受ければ、それに抗うための力は必要になる。俺は敢えて流れに身を任せると、渦巻に囚われた俺へと触手を伸ばしたサファイアドラゴンに向かい、流れを利用して一気に距離を詰めた。

 渦巻ごと俺を捉えようとした触手は、渦巻の流れに乗って飛び込んで来た俺を捉えられずに水を掻く。タイミングを呼んで渦巻から飛び出した俺は、魚雷の様に真っ直ぐサファイアドラゴンへと近づくと、手にした剣を振るおうとした。

 だが、その剣は何かにぶつかったかのように動きを止める。いや、違う。俺とドラゴンの間に、猛烈な水の流れがあり、それが剣の軌道を妨げているのだ。

 こいつは中々厄介だな…! 俺は予想以上に難しい、水中での戦闘に舌を巻く。単純な力押しでは、周囲を包む水の力を利用するサファイアドラゴンには勝てない。

 動きを止めた俺に、サファイアドラゴンは口を開き、何かを吐き出した。それは目に見えぬ衝撃となって、俺を襲った。

 巨象の突進を受けたかのような衝撃に、思わず息が詰まる。俺の身体はそのまま弾き飛ばされ、湖面を飛び出し、盛大な水飛沫を上げながら、地底湖の天井へと叩きつけられる。


 かに見えた。


 俺は空中でくるりと向きを変えると、天井を蹴り、倍する速度で湖面へと飛び込んだ。そこには追い打ちを掛けようと、咢を開き、触手を広げたサファイアドラゴンの姿があった。

 落ちてくる俺を噛み砕こうと広げられた咢に、俺は弾丸のように飛び込んだ。両手を伸ばし、一条の矢となって。

 柄を握る俺の掌越しに、切り裂く手応えが伝わって来る。俺はそのまま止まることなく、竜の身体を内側から斬り裂くと、再び水の中へと飛び出した。

 勢いを利用して、その場で向きを変え、サファイアドラゴンに対峙する。サファイアドラゴンから流れ出る血が周囲を蒼く染めていく。その瞳から光が失われ、動きを止めるかに見えたところで、不意に触手が動き、俺へと向かって来た。

 その動きに竜の意志は感じられない。だが、機械の様に正確な一撃は、速度も威力も充分に俺へと迫る。

 マグダレナが俺の前へと回り、その一撃を弾く。その間にサファイアドラゴンは向きを変えると、まるで引き伸ばされたゴムが縮むかのように、俺へと襲い掛かって来た。

 先程までの動きとは異なり、単純だが正確無比な攻撃を、触手が、翼腕が繰り出してくる。だが、その動きは正確故に読みやすい。

 幾重にも繰り出される攻撃の悉くを紙一重で避けると、俺はそのまま距離を詰め、懐へと飛び込んだ。目指すは命の源、竜の心臓。

 突き抜けた穴から再度潜り込むと、黒鱗に覆われ、歪な律動を刻む心臓に、〈捻双角錐の掌〉を突き込んだ。その先に感じた硬質の存在に、触手へと変化させた左手を絡めると、そのまま〈竜玉〉を掴み、引き抜いた。

 蒼く染まった〈竜玉〉を引き抜いた瞬間、漸く竜は動きを止め、弛緩した肉に押しつぶされそうになる。水圧により、押し付けられる肉を掻き分けながら、何とか水中へと脱出する。

 湖底へと沈みつつある竜の身体から、黒鱗が剥がれ落ちていく。竜の身体を覆っていたのは斑紋ではなく、鱗のようだ。だが、その鱗は剥がれる傍から崩れ、形を失っていく。

 俺は左手の触手を伸ばし、竜の身体へと巻き付けると、そのまま泳いで湖面を目指した。

 水上へ出ると、そのままワルワラの待つ岸を目指す。ワルワラは【障壁】の中で横たわっていた。俺は一瞬、まさかと思ったが、僅かに上下している胸を見て安堵する。大丈夫だ、生きている。

 俺は息を吐くと、岸へと降り立ち、竜の躯体を岸へと引き上げた。ワルワラの元へと近づき、【障壁】を解く。

「ワルワラ、待たせたね」

 声を掛けるが、今は意識を失っているのか、反応は無い。そっと胸元を開けると、そこには黒鱗の斑紋が未だに刻まれている。

 元凶らしき存在を倒したのに、呪いが解けた様子はない。何か他に方法があるのだろうか?

「どうして呪いが解けないんだ? こいつが原因じゃなかったのか?」

「ちょっと、呪い、解けてないじゃない!」

 スマラとマグダレナが合一を解き、俺の傍らに姿を現す。俺は苛立たし気に竜の骸を見上げた。その身から流れ続ける血を見つめ、あることに気付く。

 黒鱗が消えていくのは見ていたが、未だに残っている部分もある。消え去っていく部分を見ると、竜の血を浴びた部分であることが分かった。


 もしかして…。


 流れ出る竜の血を掌で掬い取り、ワルワラの胸の黒鱗に注ぐ。すると、みるみるうちに黒鱗が消え去っていくではないか。ホッとしたのも束の間、ワルワラの苦しそうな表情に変化はない。

「まだ苦しそう…」

「何だ、何が足りないんだ?」

 目に見える黒鱗は消すことができた。であれば、見えない場所に黒鱗がある?

「もしかして、体内に転移しているのか?」

 目に見える場所だけに黒鱗があるとは限らない。それなら、どうすれば良い?

 駄目で元々。俺は血を口に含むと、ワルワラの唇を塞ぎ、舌を差し入れて流し込んだ。

 ワルワラは驚いたのか俺の舌を噛むが、呪いで弱った力では、噛み切るようなことはできずに、軽い痛みを与えてきただけだ。

 ワルワラの喉がコクリと動き、竜の血を嚥下する。すると、燃えるように熱を発していた身体が、急速に温度を下げていくのを感じた。


 よし、竜の血を飲むことで体内の呪いが解かれるのか!


 俺は唇を離すと、ワルワラの呼吸が落ち着くのを確認し、今度は俺が竜の血を飲む。両掌で受けた、不思議と生臭さを感じない蒼い血を、ゴクゴクと飲み干した。

 不意に身体が熱くなったかと感じ、直ぐに治まったが、取り立てて変化したようには感じない。

 未だ闘いの余韻があるのか、高まった鼓動も、幾分落ち着いたようには感じるがまだまだ早い。

「念のため、二人も血を飲んでおいた方が良い。免疫になるかもしれないし」

「大丈夫だと思うけどね」

 スマラは嫌そうに顔を顰めるが、素直に流れ出る血を直接口にしている。嫌がっている割には度胸があるな。マグダレナも掌に受けた血を飲んでいる。

 俺は〈全贈匣〉から次々に空の容器を取り出し、竜の血を回収していった。城の宝物庫には、液体の素材を回収する時を考え、容器を大量に準備してあるのだ。どれだけ街に罹患者がいるのか分からないが、あればあるだけそれに越したことはないだろう。

 マグダレナも俺を手伝って回収していく。スマラはワルワラの様子を確認していた。

 すると、パシャリ、と背後の水面が音を立てた。俺は振り向きざまに剣を抜き、不意打ちに備える。が、それは杞憂だった。

 姿を現したのは、マーフォルクの美女だ。彼女はサファイアドラゴンに視線を向け、それが倒されていることを確認すると、哀しみと喜びの入り混じった、複雑な微笑みを浮かべる。

『こっちに来たんだ。折角だし、呪いを解こうか』

 俺の言葉に、美女は頷いて岸辺に寄って来る。俺は回収していた竜の血を持ち、美女に近寄る。そして、髪をかき上げ、晒された胸に浮かぶ黒鱗へと血を注ぐ。ワルワラの時と同様に、黒鱗はすぐさま消え去ったが、体内の呪いを解くためには、血を飲まないといけない。

『これを飲んで』

 そう言って差し出した容器を、美女は受け取ろうとせずに首を振る。血を飲むということに抵抗があるのだろうけど、薬だと思って飲んでもらわないと。

 俺が再度差し出すと、彼女は首を振り、目を閉じると僅かに顎を突き出してきた。


 えーと、これは、口移しでってことか?


 俺は暫しの間様子を伺うが、美女は態度を崩さない。

 仕方がない。俺は諦めると竜の血を口に含み、美女の唇を塞ぐ。血を送り込もうと舌を差し入れると、美女が舌を絡めてくる。思いのほか濃厚な口づけに戸惑いつつも、美女は血を飲み干してくれた。

「ちょ、ちょっと! ヴァイナス様から離れなさい!」

 意識を取り戻したワルワラが、俺の姿を見るなり、飛び起きるとそう言って俺達を引き剥がそうとしがみついてきた。呪いの影響が消えていることに安堵しつつ、俺は美女が満足するまで付き合うことにする。

力を込めるワルワラを気にもせず、美女は俺の唇を塞ぎ続けた。

「ああ…」

 充分な時が過ぎ、唇を離した美女から吐息と共に零れたのは、美しい声だった。

「感謝します。この方の魂を救ってくれたこと。そして私に掛けられた呪いを解いてくれたことを」

 竜語を話す美女はそう言って微笑んだ。その瞳にはまだ哀しみの光が見えていたが、感謝の気持ちは充分に伝わって来る。

「兎に角、呪いが解けて良かった。俺はヴァイナス。それにスマラとマグダレナ、向こうで横になっているのはワルワラだ」

「私は、インファンタです」

 マーフォルクの美女、インファンタはそう言って首を傾げた。行動の一つ一つが妙に艶めかしい。意識してやっていないとすれば、マーフォルクの女性は、皆転生の男垂らしなのかもしれない。

「インファンタ、君はこの竜と知り合いのようだったけど、何が起きたのか知っているのかい?」

 俺はインファンタの口ぶりに、サファイアドラゴンとの関係を問う。彼女は静かに頷くと、話し始めた。

「私の知っていることは、地下水路が『迷宮』と化し、時を同じくしてこの方がその身を黒き呪いに蝕まれたこと、それに合わせて狂気に身を浸した、ということだけです」

 インファンタはそう言うと、そっとサファイアドラゴンの亡骸を撫でた。

「偉大なる蒼竜ザフィリ様は、この地を護る守護竜の役目を、長い間務めていました。私は傍仕えの者として、他の者と共に幼少の頃から仕えていたのです」

 インファンタの話は続く。

「人々がこの地に住み始め、街を興してからも、ザフィリ様はこの地底湖から、水の流れを見守りつつ、大きな災厄が起きないよう、見守っておられたのです」

 どうやら、この辺りを支配する『主』だったようだ。それ程の存在であっても、呪いには勝てなかったわけだ。

「最初の頃は、まだ自我を保ち、必死に抵抗していたようでしたが、いつしか抑制を忘れ、周囲に現れるものを見境なしに襲うようになりました。それには私達傍仕えの者も例外ではなかったのです」

 且つては、穏やかで慈悲深い方だったのに…。俺が最初にサファイアドラゴンに出会った時、瞳に宿った理性は見間違いではなかったのだ。戦闘が始まると、その理性はすぐに姿を消してしまったが。

 狂気に囚われた末、命を落としたサファイアドラゴンの冥福を祈り、俺はインファンタの話に耳を傾ける。

「迷宮と化した水路は、もはや以前とは別の存在です。私も把握している場所から離れることができませんでした。あまりに危険だからです」

 幸い、この方を恐れて、他の魔物が近寄らなくなっていたので、命を失うことはありませんでしたが。そう言ってインファンタは俺へと向き直る。

「この方を蝕んだ呪い、その元凶は迷宮の最奥、魔物達すら近寄らぬ場所にあると思います」

 私には近づくこともできぬ場所ですが。インファンタはそう言って肩を落とした。

「近づけないのは危険だから?」

「それもありますが、そこには水路が通っていないんです」

 成程、インファンタの下半身では、移動が困難過ぎるということか。あれ、それじゃあ…、

「それなのに、良くその場所だと分かったね?」

「私は直接見ていませんが、水路の管理人とは知り合いなので、その方から聞きました」

 水路の管理人、それってトルベンの友人なのかな? 俺は懐からトルベンから貰った指輪を取り出し、インファンタに見せる。

「これを知ってるかい?」

「? いえ、特に記憶にはありませんけど」

 インファンタの答えに、どうやら本人に見せないと意味がないようだと分かり、俺は頷いて指輪を仕舞う。

 それにしても、昂った鼓動が止まらないな…。俺はふと嫌な予感を覚え、その場で鎧を外し、上衣を脱ぐ。

 いきなり脱ぎ始めた俺を見て、インファンタは目を丸くし、ワルワラは何故か目を背けるが、背後にいたスマラとマグダレナが息を飲むのが分かった。

「ちょっと、ヴァイナス、貴方の背中…」

「黒鱗が広がってる…? ううん、違う、何かしら」

 生憎と俺には見ることができないが、やはり俺の〈黒鱗病〉は治っていなかったんだ。ワルワラがポーチを探り、小さな手鏡を渡してくれた。俺は自分の手鏡を出すと、合わせ鏡にして背中を映す。

 俺の背中にあった( と思われる、というのも、実際に見ていなかったからだ )黒鱗は、背を覆う程に広がり、奇妙な紋章か文字のように姿を変えていたのだ。

 俺はインファンタに見えるよう、彼女に背を見せるが、特に言葉はない。

「インファンタ、何か知ってるかい?」

「紋章か文字のように見えますが、何かは分かりません」

 残念、何か分かると良かったんだけど…。俺は小さく息をつき、服を着て鎧を着けた。

「大丈夫なの?」

「ああ。今のところ少し動悸が早い程度で、痛いとか動けないとかはないな」

 俺の言葉にスマラは安堵の息を吐く。まぁ、多少無理してでも元凶を何とかしないと、な。今は何とかなってるけど、これ以上呪いの影響が強くなると、どうなるか分からない。早めに探索を進めないと。

「インファンタ、管理人が何処にいるか分かる?」

「ええ。迷宮化した後も管理を続けているから、何もなければ定期的に巡回している筈です」

「良かったら、案内してもらえるかい?」

「良いですよ。でも、私の案内だと、幾つか水路を潜らないといけませんけど」

 そりゃそうか。インファンタは通路ではなく、水路を移動しているんだから。まぁ泳ぐことは吝かではないのだが、俺は兎も角、ワルワラをどうするか…。

 スマラとマグダレナは、話を聞いた時点で合一し、既に俺に装備されている。まったくイイ性格しているよ。そりゃ俺だってできれば泳ぎたくはないよ…。

「ヴァイナス様、あたいも泳ぎます」

「うんうん、ワルワラはいい娘だね」

「ふぇ!?」

 俺が褒めながら頭を撫でると、ワルワラは恥ずかしそうに身を捩る。

「それじゃ、案内をお願いしようかな」

「分かりました。ついてきて下さい」

 と、その前に。俺はザフィリの亡骸を見上げた。このままでは良くないだろう。弔うなりなんなりしないと。

「インファンタ、その、言い難いんだが、ザフィリの亡骸はどうすれば良い?」

「…ヴァイナスの役に立ててくれれば良いと思います」

「良いのか?」

 俺は驚きに目を開き、問い返す。インファンタは頷き、

「竜として闘い、死ぬことは自然の摂理。敗者が勝者の糧となるのは、必然です。ザフィリ様も常々仰っていました」

 ヴァイナスの力になれるのであれば、本望でしょう。狂気の果てにある死ではなく、竜として死ぬことができたのですから。インファンタはそう言って微笑んだ。

 俺は目を閉じると、ゆっくりと頷いた。彼女の前で解体作業をするのは憚られたので、俺は〈全贈匣〉に、ザフィリの亡骸を丸ごと収納する。

〈宝物庫〉と繋がった〈全贈匣〉は、かなりの大きさまで一気に収納できる。流石にザフィリの大きさだとできないかと思ったが、ちゃんと収納できたので安心した。

 収納できなければ、インファンタの目の前で解体ショーをする羽目になっていたからな。インファンタも覚悟していたのだろう、ザフィリの亡骸が瞬時に姿を消したことに、目を丸くしている。

「ザフィリのことは任せてくれ。決して無駄にはしないし、事が解決したら、墓碑を作るから」

「いえ、お気になさらず。竜とは自然に生まれ、自然に死す。竜には墓など無用です」

 私が覚えていますから。そう言って微笑むインファンタに、俺も頷きを返し、忘れまいと心に誓う。

「ヴァイナス様、行きましょう」

 ワルワラに促され、俺は【呼吸】の魔法を俺とワルワラに掛けると、インファンタの後に続き、湖へと身を躍らせた。

 皆はどうしているだろうか? 俺はゼファー達の探索が順調に進んでいるのを祈りつつ、この先で合流できれば良い、と願った。


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