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戦国魔法奇譚  作者: 結城謙三
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浅井長政とお市の方

勝手ですが 再開します

よろしくお願いします m(_ _;)m

下野国に入った ルイと妖狐

《小僧!! 火竜が御嶽山を出たよ!!》

「なんだって!? どこに向かっている??」

《西に真っ直ぐに向かって行ったよ 尋常でない速度でね。。。あれと戦う策は、あるのかい?》

「必ず倒さなければならないんだ。。。そうでないと、この国のすべての人が居なくなるまで奴は止まらない 卵を本当に産んでいるのか見に行きたいが、離れすぎたな。。。」

《今 出来ることをするよ 殺生石までもう少しだよ この私を、400年も封じていた石だ きっと役に立つさ》

「ああ そうだな急ごう しかし気味の悪い所だな さっきから動物はおろか、植物も生えていないぞ!?」

「だから殺生石と呼ばれるようになったのさ 私の妖力が染み付いちまったのかね?

近づく者の命を奪っちまうのさ」

「そんな物を持って帰れというのか!? ここに居ると体の力が抜けていく気がするぞ。。。?」

「ほらあれだよ、一際大きな石が真っ二つに割れているだろう さっさとあんたの空間収納に入れちまいな」

「でかいな。。。気が進まないが しょうがないな」割れた2つの石に手を翳す



鳴海城 天女御殿

「エヴァ! ベヒーモスが動いた 西の方角おそらく京の都に向かっている」ブルートの最大にまで広げていた気配探知に高速で飛ぶ大型の生物が引っ掛かる ベヒーモス以外に該当する生物は、この世界に存在しない

「ああっ 迂闊でした 私達の誰かを標的にして動くものと予測して居ました」

エヴァが悲痛な声を上げる

「俺たちだけで、すべてを監視することなど出来ない エヴァの責任ではない」

「ブルート 私は京に向かいます 何か出来る事があるはず アランは、もう心配ありません 目を覚ますのを待つだけです ブルート一緒に行ってもらえますか?」

「ああ わかった すぐに出発しよう」

お雪にアランを任せ 鳴海城を飛び出す2人

「ブルート飛ばしますので、ついて来れなければ本能寺で待ち合わせです」

「エヴァ 面白い冗談を言うようになったな 遅れるなよ!!」



本能寺 山門付近

京都 浅井邸に所用の為に戻っていた 浅井長政が本能寺周辺が轟音と共に炎に包まれるのを見て血相を変えて 駆けつける

野次馬を掻き分け、火の手の回っていない山門から境内を覗き込む すべての建築物が

炎に包まれ轟々と燃え盛っている

「お市!! お市!!! お市!!!! お市〜〜!!!!!」長政の絶叫も付近の騒音に掻き消される

「お市!! お市!!! お市!!!! お市〜〜!!!!! お市〜〜〜!!!!!!」

喉が張り裂けんばかりの絶叫にも応えるものは居ない

「あの お侍様 余計なことかもしれませんが、怪我人は通りの向こうの八坂神社に運ばれています」町人が哀れんだ様に、声を掛けてくる

血走った眼で、その町人をギロリッと睨み 後退る町人に

「そうか すまない」そう言うと、八坂神社に向け駆け出す


八坂神社の山門を潜り 怪我人で溢れた本堂に足を掛けたところで 聞き慣れた声に立ち止まる

「殿!! 長政殿!! 兄上が。。。兄上が。。。」長政の胸にすがりつく お市

「お市 顔を見せてくれ 良かった無事で 本当に良かった どこにも怪我などしていないか?」安心したあまり全身の力が抜けていくのを感じる 

「兄上が。。。兄上が。。。。」長政の胸に顔を埋め 子供のように咽び泣く お市の肩を優しく掴み 顔を覗き込む

「落ち着くのだ お市、義兄殿は本能寺に居たのか?」務めて 落ち着いた声音で聞く

「兄上は、本殿に居りました 私は山門の方に。。。ほんの数分前まで私も兄上と一緒に本殿に居たのに。。。」 寺院内の凄まじい光景を思い出す

「もしかしたら、どこかで助かっているやもしれん」

「そう思って ここで探しているのですが 見つかりませぬ」ひどく疲れた様子で 肩を落とす お市

「わしも手伝うぞ 一緒に探そう」


本能寺を起点に北に向け半円状に覆い尽くす業火は、衰えることを知らずに、その火の手を広げていく 立ち昇る黒煙が、雲1つなかった晴天の市中を暗い影の中へと落とし込む

粘性を持ったベヒーモスの火球は、その性質上 対象物が炭になるまで燃やし尽くしていく それが建築物であれ、人であれ









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