第219話 戦利品
アイスゴーレム・ジャイアントを倒したことにより、レベル差のある2人はレアなアイテムを手に入れていた。
春日井君のダンジョンデバイスには、獲得したアイテムの情報が表示されている。
湊ちゃんもスマホを操作して、獲得したアイテムを確認していた。
「俺さ、天使の指輪を入手したんだけど。効果は弓の精度向上と威力向上だって」
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【レア:天使の指輪】
弓の精度向上 +1
弓の威力向上 +4
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「私は騎士の指輪を手に入れたよ。これは剣の能力アップだね」
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【レア:騎士の指輪】
剣の素早さ向上 +3
剣の威力向上 +3
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「お互い欲しいのは逆だよな。欠点を補う意味ではいいけど、俺はあえて弓を使うつもりはないし」
「私もだよ」
「じゃあ、交換しようか」
「そうだね」
そして、2人はデバイスを操作して指輪を実体化した。指輪はどちらも金色で、簡素な装飾が施されていた。リングの側面には小さな宝石がいくつか散りばめられている。
お互い手のひらに指輪を乗せ、まずは春日井君が湊ちゃんの手へと渡し、続いて湊ちゃんが春日井君の手の上に置いて交換した。
》ゆ、ゆ、ゆ……
》指輪の交換……だと……
》お、俺たちは……なにを見せられているんだ……
》ご、ごめん……ダ、ダメージが……ダメージがでかい……
》ハメちゃ駄目だぞ……指輪を……
》そうだ、はめるなよ……
》これは生配信なんだ。はめる行為はNGだ……
》生放送で……生で……指輪を……はめるなんて……許されないぞ……
》もげろ……もげちまえ……
》ごめん。これ以上、直視ができない……俺は離脱する……
》俺もだ……
》無理……視聴できん……
1万人以上はあった視聴者のカウンターが8000人を割り込んで減っていった。男性視聴者が一気に減って、代わりにコメントは女性視聴者が増えていった。
ここからのコメントは、そのほとんどが女性視聴者のものになっていった。
》わたし、こういう展開は好きだよぉー
》魔法の能力が発動、仲良くとどめを刺していたね♥
》いいカップルじゃん。私、応援するぅー
》私も応援しちゃおうかなぁ
》どうせなら、相手の指にはめようよ
》そうだよ、せっかく指輪の交換したんだから
》なんだか、結婚式みたいー (≧∇≦)b
》このままここで結婚式やりそうな勢いじゃない?
》いいね、ボス部屋での結婚式。私もやりたいかも。相手いないけど(TдT)
》そのまま見つめ合ってみてーΣ(゜∀゜ノ)ノキャー
》顔を上げてよ。イケメン君の顔が見たいー
》結婚式には呼んでねー
》いつ結婚するのかなー?
私はバンッと勢いよくボス部屋の扉を開けた。
「ちょっと、待ったー!!!!」
》おお、ハルナちゃんが乱入してきたぞぉー
》私服のハルナっちだー カワ(・∀・)イイ!!
》私、はじめて見たかも。私服のハルナっち
ボス部屋の外で観戦していた私は、装備を含めたほとんどを2人に貸し出していた。そのため、今は私服姿だった。
「みなさん! 結婚しません! しませんから! この2人は結婚しません! 私がさせません!」
この部屋はとんでもなく広かった。春日井君と湊ちゃんはずっと向こうの奥にいる。私はそこに向かってまっすぐに走り出した。
スカートを翻しながら、懸命に腕を振り、足元の氷を蹴った。
》ハルナっちがダッシュしています
》ダッシュと奪取をかけているんだね♡♡
》新郎を奪いに来た元彼女かなー
》ハルナっち、かわいいぞー
》彼を奪い取れー
》私はハルナっちを応援するぞー。取り返せー
》私はイケメン君を応援。私も乱入したいよー
》どうなるんだろう? わくわくドキドキが止まらないよぉー
「春日井君! 湊! ボスを倒したんだから、もうおしまい! 帰るよ!」
私は氷の部屋を駆け抜けながら叫んだ。バリバリと氷を踏み鳴らしながら走っていく。
》嫉妬しているー
》ラブラブの2人にやきもち焼いているのかなあ?
》こういうの、映画で見たことあるよねー
》急げー、ハルナっちー
》早く、早くするんだ、ハルナっち。2人が結婚しちゃうぞー
》そうだー。指輪の交換が終わった2人は誓いのキスが待っている(;゜∀゜)=3ムッハー
》キスを阻止するんだーハルナっちー
「だから! そういうんじゃないんですってぇー!!」
たまたま運悪く、足元の氷は平らだった。つるん、と滑り、勢いよく背中で滑り出す。
一気に2人のそばへと到達し、神王装備の湊ちゃん、ミスリル装備の春日井君を巻き込んで、3人いっしょにもみくちゃになって倒れ込んだ。
》ハルナっちがころんだあ(*_*)
》スカートがめくれてる
》パンツが見えちゃいそうー
》見えそうで見えない、ギリギリをいくのがハルナっちちゃん٩(♡ε♡ )۶
違う、違うんだ。そうじゃないんだ。
ボスとのレベル差がある2人が獲得した超レアアイテム。
EXRレベルアップシードとEXR覚醒の種がデバイス画面に表示されていたから、私は慌てて走ってきたのだ。




