03 過去
「逃げなさい!ルキ。私達もあとからいくから。」
何もわからない。突然、アイツらが現れた。オレ達家族は森の中を逃げていた。
「嫌だ。父さん母さんと一緒にいる!」
「別々に逃げた方が逃げられるかもしれない。お願い。」
そして、父さんがきた方向に走りだした。
「父さん?!」
母さんは何も言わず、父さんと反対方向に走りだした。
反応が遅れたオレは母さんの向かった方に走ったが、森の闇で見失った。考えている時間がない。きっと、父さんも母さんも大丈夫。そう、信じてオレも森の中を走りだした。
無我夢中で走っているオレは小さな崖に気がつかず、落ちてしまった。
下に落ちる前に木の枝に何度か引っ掛かり、衝撃は緩和された。
「つぅ・・・」
痛みで顔をしかめて回りをみると、オレと一緒に落ちてきた枝が少女の腹部に刺さっていた。
「なっ・・・」
なんでこんなところに少女がいるんだ。アイツらの仲間だろうか。近くにはキャンプをしていたようなあとがあった。
訳がわからないがこのまま放っておけば、この少女は死んでしまうだろう。
ポタリポタリと自分の血が滴り落ちていたのが目にはいった。
父さんが母さんにしていた光景が目に浮かぶ。
オレは少女の前にたち、ぐっと枝を引き抜き自分の血を少女にかけた。そして、少女の口に数滴血を落とした。
効くかどうかわからない。待っている時間もない。
父さん母さんがまってるかもしれない。進まないと。逃げないと。オレは、悲鳴をあげている体を引きずってその場を離れた。




