031 天界へ
遅くなって申し訳ありません。
今日、もう1本上げられると思います。
「話はつきました?」
「はい。玉藻さん。私もお手伝いします。」
「それは有難いですが・・・
しかし、敵は神々と神兵です。」
サラの手助けする。という申し出に、玉藻は少し困ったような顔をする。
そこに、エミールが助け舟を出した。
「なぁ、タマちゃん。でかい神力の波動を感じないか?」
「私をタマちゃんと呼ぶ・・・ほんとですね。
それも、神格が私たちよりも高い?」
「そう・・・なのか?」
「ええ。これでも、私、元々かなり神格が高いんですよ?それぐらいわかりますよ。」
「まあ、なにはともあれ、あれはサラのだ。」
「それまた・・・・・ビックリですね・・・」
玉藻は、戦艦リステインの発する神力から、操っているのは自分を超える神格の持ち主。つまり、天界のトップスリーの内の誰かということになる。
そのため、サラが関わっているなど微塵も考えていなかった。
「サラ殿下、貴方は・・・・・」
しかし、サラの正体への疑問をあらわにしたのはリリアだった。
「リリア殿下。それはまた、後日ということに致しましょう。それまで、アリスと共にバーシアス帝国とリステイン王国をよろしくお願いします。」
「え、え?あ、はい。」
「それと、アリスに一人にしてごめんと誤っておいてください。」
「わかりました。お任せ下さい。」
リリアの了承を聞くと、サラは玉藻とエミールに向き直り、皇城の上空に戦艦リステインを呼び戻した。
「アイラ先生、リリア殿下とアリスをお願いします。他の皆さんも、戦艦リステインから降りてください。」
「サラ、お前、何をする気だ?」
「地獄・・・いえ、戦火の中の天界への片道切符です。皆さんを巻き込むわけには行きません。」
「天界?サラ、帰ってきたらお前についてしっかりと聞かせてもらうからな。」
「まあ、仕方ありませんね。」
「だから・・・・・絶対に帰ってこい。
これはお前の担任からの課題だ。課題はしっかりとこなせよ?」
「はい。」
アイラはそう言うと未だ混乱の中にある街へと戻ってしまったが、これはこれでアイラに出来るサラへのエールだったのだろう。
それに気づき、サラは大きくありがとうございます。と答えた。
アイラは一瞬立ち止まったが、更に足を早めて行ってしまった。
サラ、エミール、玉藻の3名を乗せた戦艦リステインは、包囲されたデウスの城とそこに囚われた親友と自身たちのいや、この世界の長であるデウス達を自分達をはるかに上回る戦力から奪還するという無謀にも思える作戦に向かうのだった。
「なぁ、タマちゃん、で、そのルシファーは・・・」
「た・ま・も!まあいいです。私がここに呼びましょう。
我らが主、デウスへと忠誠を捧げ、心の平和を望み天界より墜ちし光の御子よ!
時は来た。今こそ反撃の時である。我が名はヨルムンガンド!天神四柱が一人の権限を持って、汝に神格を変換す!来れ!大天使、ルシファー!」
玉藻の長々しい詠唱の後、神力を帯びた魔法陣が展開され、ルシファーが現れた。
しかし、本来ならばそのことに驚くべきだが、サラはそれどころでは無かった。
自分で玉藻だと言い張っているのにヨルムンガンドと名乗っている玉藻に笑いをこらえていたところに『厨二病』というフレーズが浮かんでしまったからだ。
笑わないのに必死である。
それから、神様3人は色々と昔話や、笑い話、雑談、申し訳程度の作戦会議をしていたが、サラは隣で1人、この船、戦艦リステインのモデルとなったとある国の誇りと精神と魂の象徴であるとある戦艦の最後を思い出していた。
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昔、ある国は世界中を巻き込む大戦の中心となって戦っていた。
が、その国は島国。対するは膨大な国土と生産力、技術力を有する大国の連合である。
その差は誰の目にも歴然だった。
そのさらに昔、その島国はすぐ近くの大国に広大な国土を誇る国を打ち倒し、その後の戦いで最強と呼ばれたある国の艦隊を見事完封して見せた。
それは、同じ立場にある小国に希望と勇気を与えた。が、大国はこの小さな島国の底知れぬ力に恐れをなした。
そして、大きな海を挟んだ先にある世界最強の国は特に恐れていた。
それ故に、日を重ねるごとに強く強大となっていく島国に対し、あらゆるものの輸出を止めるという手段に出た。
追い詰められれば、打破しようとするのは当たり前である。
しかし、周りの国は強大な国の力を恐れ、島国と敵対する方を選んだ。故に、自力で状況を打破するしかなかったのだ。
そして、始まったのが2度目の世界大戦である。
そう。第二次世界大戦。繰り返してはならない。人々の記憶の中から薄れていってるが確かに存在した大きな戦争である。




