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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第2章 エターナルソング
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016 侵攻


「私は・・・はっ!エミール殿は?」


 周りを見回すルシファー。しかし、そこには笑みを浮かべながら自分を取り囲む女子と教師だった。

 もちろん、誰ひとりとして目は笑っていない。


「で?鍵のかかった女子寮に侵入した侵入者さん?どうやって入ったのかなぁ?」

「そんな!侵入などと!」

「え?」

「すみませんでした!でも、事故だったんです!」


 が、自分が神であり、エミールもまた神であるという事を隠したまま、女子寮に入ったことを正当化することは出来ないのだ。

 それどころか、全てを明かしても状況が好転する可能性は低い。


 故に、ルシファーが取れる選択肢は一つしかない。

「申し訳ない。が、エミール殿とは旧知の中だ。許して欲しい。」

 ルシファーはこう言い残し、消えた。


 まあ、実際には透明化してこっそりと抜け出すという何とも様にならないことをしていたが。


 

 30分ほどで騒ぎは終わり、サラとエミールは移動した先の部屋で寛いでいた。

「エミール殿!いくら何でもさっきのは酷すぎるだろう!」

 いつの間にか部屋に再度侵入していたルシファーがエミールに訴える。

 が、エミールにも恥ずかしさという概念はあったようだ。


「おっ、お前!私の!私の!裸を見ただろう!

 どうしてくれる!!」

「い、いや、その、すまなかった。」

「ふん。まあ、追求は後だ。

 ここまでして私に会いに来る理由があったのだろう?」


 ルシファーは忘れていたとばかりに手を叩いた。

 が、今回も、ルシファーが要件を伝える事は叶わなかった。

 

 サラの部屋の戸を誰かが叩いたのだ。


「はい。」

 サラが扉を開けるとマラソンでもしたかのように肩で息をしているが、しっかりと片膝をついて頭を下げている女性騎士がいた。

 サラは鎧の紋章から自らの騎士団の兵だと気づく。

 

「あなたは?」

「第5近衛騎士団特務大隊副隊長、アルカナ・リーズフォールです。」

「で、どうしたんですか?」

「申し上げます!バーシアス帝国が国境を越えて進軍、また、国境に領を持つガリア子爵、ニブル男爵が裏切り、敵勢力はバーシアスの8万に1万が加わり、9万になっています!」

「そんな!」

「既にキルク王子が第2近衛騎士団と共に戦線へ向けて進軍中です。現在は各地で警備隊や領主軍が戦闘に入っていますが、状況は芳しくありません。国王陛下より、第5近衛騎士団に出撃要請が来ています。」

「第5近衛騎士団の状況は?」

「既に2万がサラ様の命令を待っています。」


 サラはふと考えを巡らせる。

 これから、いや、今戦争が起こっている。そして、自分の部隊はかなりの数がいる。

 そして、バーシアス帝国の軍勢が通る場所にいる人々の命を守ることができるかもしれない。

 が、兵士達を犠牲にすることになるかもしれない。

 バーシアス帝国の兵士に関してもまた然り。


 が、今は戦時下となった訳である。

 攻め込んだ来た敵兵と自国民や自国の兵士達。どちらを優先させるかなど考えるまでもない。

 ましてや、サラの立場は王女。力を持つもの。

 

 座右の銘にしている言葉がある。『ノブレス・オブリージュ』地位ある者には義務が伴う。

 別に、サラが紗楽だった時に特別地位があったという訳では無いが、自分が長けている部分に関して、それを駆使して他人に貢献しようと心がけていたのだ。


 つまり、選択肢は初めから一つしかなかった。

「わかりました。国王陛下の要請に答えます。」

「は!指揮はバイス様ですか?」

「いえ、私が出ます。」

「それは!」 

「私には、皆さんに戦線に行くように命令した私自身が後方にいるなんて選択肢はありません。」

「お言葉ですが、私達近衛騎士団の最優先事項はサラ様の警護です。サラ様が前線に出られては本末転倒になってしまいます。」


 サラはふと何かを考えるようにして、大きく頷く。

 そして、おもむろに部屋の引き出しを開けるとそこから銀色のブレスレットを取り出した。


 実際は、取り出すようにして一瞬で創ったのだが。

 その能力は装着時、サラが受ける一切の攻撃の無効化と全ての状態異常無効化という何ともチートな産物だった。

 が、創り出した瞬間にサラはものすごい疲労を感じ、倒れそうになったのをなんとかこらえた後、笑って誤魔化した。


「サラ様、それは?」

「これは・・・お守りです。

 それに、私には防御魔法があるので私の事は気にしなくて良いと全軍に通達してください。」

「わ、わかりました。では、行きましょう。」

「はい。」


 アルカナのあとに続き部屋を出ようとするサラにエミールがニヤニヤしながら声をかける。

「のう、その格好で行くのか?」

 

 サラはハッとして自分の服装に目を向けた。

 そして、パジャマであることに気がつき、顔を赤くして着替えたのだった。




 サラがアルカナ達に先導されて着いた王都郊外にはアルカナ達が言ったとおりの堂々たる軍勢が整列していた。


 サラが前に出るとざわつき始めるが、さすがの練度だ。

 すぐに静かになった。

「皆さん、知っての通りバーシアス帝国が我が国に進行し、国境のガリア子爵、ニブル男爵の裏切りにより家屋が壊され、人々は蹂躙されています。

 そして、今立ち上がらなければ苦しむ人々が増えるばかりです。

 よって、私達第5近衛騎士団は国王陛下の要請に応じ、防衛の為の戦線に参加します!

 バーシアス帝国軍を我が国から追放するのです!

 私も現場で指揮を取りますが、身の安全は守れます。皆さん、私の事は気にかけず、御存分に。」

「「「おぉぉぉ!!!!」」」










「第5近衛騎士団、出陣!」

 サラのこの宣言を持って2万3千の第5近衛騎士団は王都防衛に7千を残して戦線へと向かって進軍を開始した。


 

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