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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第1章 学園編(プロローグ)
10/49

010 鋼鉄の龍の謎


 ※この話は、後後の技術力当への影響を考えて書いています。

  こんな事があったんだ程度に読み飛ばして頂いても構いません。少し、わかりにくいかも知れません。


「よーし。全員いるか?」

 入ってきたアイラ先生が何ともやる気のない声で出席を確認する。


 見学は班ごとにやるらしい。

 もちろん、私はニーナちゃんと一緒だ。

 

 いや、他に友達がいなかったとか、そういう訳じゃない・・・んだよ?


 

 出席確認が終わると、いよいよ出発だ。

「じゃ、行くぞ。

 あぁ、そうだ。忘れ物はするなよ?」

「「はーい」」


 小さなアイラ先生にぞろぞろとカルガモ式についていく。

「ニーナちゃん、カルガモの親子みたいだね。」

「え?うん。」

「あ、でも、親子反転してるか。アイラ先生ちっちゃいし。あれ?」


 急に列が止まる。すると、アイラ先生だけ戻ってきた。

 忘れ物かな?


 あれ?なんで私のところで立ち止まったの?


「おい、サラ、いいことを教えてやろう。私は強いぞ?」

「「ひっ!」」


 何気ない会話だった。それなのに、それなのに・・・


 周りの人達は笑ってみていたが、私とニーナちゃんだけは違った。

 冗談抜きで動くことも話すことも出来なかった。

 この瞬間、私はアイラ先生には逆らってはいけないと悟った。


 この後、何事もなかったかのように列は進み、私とニーナちゃんがフル回復したのは、王立魔法館に着くほんの少し前だった。



「じゃあ、鋼鉄の龍の話と実物を見てから自由行動にするから、まずはこっちだ。」

 再び親子反転カルガモ列は進み出し、関係者以外立ち入り禁止の扉まで来た。


「ちなみに鋼鉄の龍だが、名前の通り体は金属で出来ている。かなり前に死んでいるから、錆びたりしないように今は一般公開はほとんどしてない。

 入っていいぞ。今日は関係者だからな。」


 そう言って連れていかれた扉の先には、普段ほとんど見ないものや国宝級のものまであった。

 が、そんな事はどうでもいい。


 いや、本当はじっくり見たいが、それどころではない物が目に入った。

「アイラ先生、あれは?」

「あれか?あれが鋼鉄の龍だ。」

「え?」

「あぁ、それとな。誰も読めないんだが、操っていた人間の書いた書物も残ってるぞ。」


 それを見て私は卒倒しないのが精一杯だった。


 

 まず、鋼鉄の龍。それは確かにそう思うかもしれない。この世界の人は。

 でも、私には違うものに見えた。


「ゼロ戦?」

 そう。いや、実際は別の機種かもしれないが、そういうのに詳しくない人でもかなりの人が知っている。

 私は普通の人よりは詳しかったかもしれない。

 少し興味があって一時期知識を詰め込んだ時期があった。が、主に海軍の中でも艦艇方面だったから航空機をパッと見で判断できるほどじゃない。

 幹部候補生学校も卒業してる。だから、少しは詳しい。


 で、目の前にあるのは零式艦上戦闘機。

 確かではないが、そんな気がする。

 旧日本軍が誇る開戦当時最強と言われた戦闘機だ。

 そして、目の前のかなり汚い手帳。所々読めないが、だいたい分かる。


 大日 帝国海 第一航 戦隊所属  中栄 大尉


 恐らく、大日本帝国海軍第一航空戦隊所属だろう。

 開いてみると、中身の保存状態はよかった。




 私は、第一航空戦隊の零戦16機の零戦隊の隊長として、艦爆12、艦攻8の護衛をしながら米機動部隊に向かった。

 あ号作戦の一旦として開かれたこの海戦は、勝たなければ本土が危ない。


 しかし、既に我が海軍は劣勢を強いられ、今回の海戦も満を持して挑んではいるが、ミッドウェー以来、米国との戦力差は開くばかりである。

 元々、練度で勝っていた我軍も今では発着艦すら出来ない状態である。

 

 このような事は言いたくないが、恐らく、大日本帝国の存続は危ういだろう。上層部では講和を目指すという話もあったらしいが、ミッドウェーでの敗戦以来そうもいかなくなっている。


 もし、この世界に再び私たちが命懸けで守ろうとした子孫達の誰かが来た時、途方に暮れる事がないようにこれを記す。

 

 私達は米機動部隊を目前にして敵の直掩機と交戦になることが予想されたため、散開しようとした。

 が、次の瞬間、私達は陸の上を飛んでいた。

 信じられなかった。 


 先程まで海上にいたはずだ。マリアナ沖ではあるが、米機動部隊を前にして間違えるようなことは無い。

 敵のレーダーから逃れるための低空飛行が功を奏し、地上の観察は容易だった。


 そこには、何百年か前の様な町並みに大きな西洋風の城、そして、その街の至る所で火の手が上がり、人々が逃げ惑っている。

 空襲にでもやられたのかと思ったが、大日本帝国領にこんな場所はない。


 そして、その先に見えたのは、城に火を吹いている龍。いや、ドラゴンと言うべきものだった。

 そんなはずが無い。

 が、眼下では人々が逃げ惑い、無慈悲に放射される炎に焼かれていっている。


 ここで、私は数日前に聞いた本土空襲の話を聞いた。六月に入ってから何度か空襲があり、家屋や工場が焼かれたらしい。

 眼下の光景が、頭の中で想像された空襲の映像と重なった。


 私達は攻撃目標である米機動部隊を見失った上、自分達の現在位置も把握出来ていない。が、恐らく、帰るべき味方の機動部隊は遥か彼方にある。そんな気がしたのだ。

 このまま、無計画に見方の基地や空母を探して見つからなければ、洋上着水の上鱶の餌になるか、不時着して見知らぬ土地に投げ出されるか、墜落するかだ。


 いずれにせよ、そう長くは持たないだろう。

 我が海軍は名誉ある戦士を栄誉だと考えるし、私もそれで国や家族が守れるなら悔いはない。

 しかし、これはただの『死』である。

 幸い、戦争に行く予定だったのだから家族への遺書は書いてあるし、別れの言葉も言ってある。


 それならば、眼下で理不尽な蹂躙を受けている者達を守るために全力を尽くし、生き残れればその後で考えればいい。

 もし、死んでも、眼下にいる人達を守れたのなら悔いはない。


 もしかすると、対戦艦、対装甲空母用の急降下爆撃ならあの怪物にもダメージが入るかもしれない。

 

 私は現状でこの部隊の指揮権がある。

 私は、ジェスチャーで攻撃目標を指示した。


 すると、みんなも同じ思いだったのだろう。親指を立ててくれたり、バンクを振ってくれたりした。

 

 あの、でかい怪物に艦爆隊が攻撃するためには、周りの小さめな飛竜をかたずける必要がある。

 つまり、怪物は空母で、飛竜は敵の航空隊だ。

 いつも通りやれば問題ない。


 そして、見た感じでは我々の方が速度も上昇力も圧倒的に高い。が、油断はしない。


 洋上では無いため、艦攻の天山には魚雷を投棄させ、後部銃座での敵の掃討をさせた。


 米軍機を想定している我々からすれば、飛竜達は訓練の的だった。

 が、数が多く、2機が接触して墜落した。


 が、飛竜自体は同士討ちや貫通した弾がその後ろの飛竜にも当たるというような感じで、弾を撃ち尽くす前に何とか相当できた。


 この間に、上空に上がり待機していた艦爆隊に攻撃開始の信号弾を撃った。



 その後、艦爆隊は4機ずつ急降下爆撃を開始した。

 

 が、第1波が爆弾を投下する直前、怪物が空に向かって火を吹き、4機の艦爆が一瞬にして爆散した。

 攻撃を中止し無かった第2波も第1波と同じ運命を辿った。


 第3波は攻撃を中止し、一旦上空退避した。


 が、すぐに一機が反転し急降下に入った。

 結果は見えている。

 しかし、近くを飛んでいた天山が一機、バンクを振って急降下した。


 止めようとしたが、その手段がない。

 見る見るうちに低空に急降下していく天山に怪物は狙いを定め、火を吹いた。

 初めは気でもふれたかと思った。

 しかし、その行動の答えはすぐにわかった。


 天山を攻撃するのに気が取られた怪物は、反転して急降下してきたもう1機の彗星艦爆の迎撃に間に合わなかった。

 彗星艦爆は爆弾投下して離脱しようとした瞬間に焼かれたが、その爆弾は怪物の背中を抉った。


 しかし、それは浅かった。

 頭にでも当たれば倒せるだろうが、動く頭に当てるのは不可能だ。

 しかし、上空からは有効だと判断したのか、残りの3機がそれぞれ別の方向から急降下を始めた。


 私は、先ほどの囮作戦が頭に浮かび、仲間に別れのバンクを振った。

 が、急降下しようとした私の機の進路は零戦隊によって塞がれた。そのまま零戦5機と天山5機すべてが降下した。


 艦爆は2機が先行して、そのかなり後方を最後の1機が追った。

 囮部隊の10機は、最後の1機まで艦爆がぎりぎりの所で爆弾を投下できるように時間を稼いだ。

 

 そして、満を持して投下された爆弾は頭を狙ったものはそれて地面に穴を開け、もう1機は背中を抉った。が、決定打にはならない。

 そして、残った爆弾は一つ。



 気がつくと、周りには私の機体を含めて5機しかいなかった。

 4機が囮に向かっていた。

 が、今までの囮とは違い、かく乱するのではなく、正面から頭に向かって飛んだ。


 案の定、怪物は悠々と口を向け、炎を放射する体制に入った。

 そして、炎が4機をなぎ払った瞬間、爆弾を抱えたままの艦爆が怪物の頭に突撃した。



 爆発による煙が晴れると、そこには首がない怪物のしたいと、突撃した艦爆の残骸があった。


 私は、指揮官として失格だろうか。

 私を含め、生き残った4機は比較的広い場所に着陸を試みて3機は成功し、1機は森に突入して炎上した。


 

 そして、英雄として迎えられた私は、今、ここでこの書を書いている。

 が、言葉が通じないため、意思疎通ができない。私は、後何年生きられるのだろうか。

 恐らく、もう戻ることは出来ない。だから、この世界の役に立つ技術を教えようと思う。

 もちろん、軍事的利用がされないように最大限の注意を払いながら。



 最後に、私の仲間が散った場所は、ナイラス平原という所らしい。

 この書を読んでいるのなら、彼らに手を合わせていってやってくれ。


 そして、なにか困ったら、日本語で『仲間達に安らかな眠りを』と王に言えばもてなしてくれるだろう。

 そして、もし、言葉が通じるのであれば、仲間達の慰霊碑を作ってやってくれ。




『仲間達に安らかな眠りを』

 か。名前は読めなかったけど、いい人だったんだろうな。大尉さん。


 故人の名誉を守るため、零戦隊の隊長は架空の人物ですが、あ号作戦(マリアナ沖海戦)は実在の戦闘です。

 ご存知ない方はへぇ〜程度に流してもらって構いません。


 艦爆は爆弾を積んだ戦闘機、艦攻は航空魚雷を積んだ戦闘機です。


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