40-宮殿 開始-
最近更新がまちまちで申し訳ないです。
軽くネガティブ状態なので、小説の方向性も分かんなくなっています。
もうしわけないです。
3日後の5月8日。
日曜日だったが、学校は今日のために解放されたようだ。
「今回は俺もルールを知らん。知っていては先に策を弄されては困るからだ、だそうだ」
と一条字先輩は言った。
「シオさんは?」
「昨日ようやく目を覚ましたばかりだ。まだ何もできる状態ではない」
一条字先輩は特に悔しがる様子も悲しむ様子もなかった。ただ冷静に状況を説明しているようにしか見えなかった。
「さっさとやるとするか」
一条字先輩はそう言って、校舎を見る。
すると放送ではなく、乱一が姿を現した。
「今回の勝負のルールをご説明いたします」
乱さんはそう言って話を始めた。
「ゲーム名:宮殿」
そう言って両手を広げる。校舎を示すように。
「王座を決める戦いとして今回の勝負は、全員での戦争ということになります。誰が誰と戦っても構いませんが、最初はそれぞれの専門の場所に一人ずつ指定して置かせていただきます。最後に敵チームを全員を倒したチームを勝利とします」
「つまり、選挙統括戦って感じか」
「流石海馬さん、理解が早いですね」
あまり感情のこもらない声で言った。
「宮殿ねぇ……ちょっとセンス不足じゃないか?」
海馬がそう言う。
「どういうことでしょうか?」
「別に宮殿って言う名前である必要はなかったんじゃないかってことさ。言ってしまえばサバイバルだろ?」
「なるほど、確かに。今のところはそうですね」
と乱さんは海馬を見た。
話は最後まで聞け……ということか。
「生徒会長とはこの学校の王座に立つもの。つまり、この王宮の支配者です。ですので、今回は宮殿という名前にしました。そして、王に付き物なもの……それは当然、女王です」
乱さんがそう言うと。
屋上から大きな十字架が飛び出してきた。
「え……!?」
その十字架の交差部分。
そこに磔にされている人影。
シオさんだった。
「な……!?」
「一条字先輩側の女王はシオさんです。倒れていらっしゃいましたが強制的に十字架にはりつけにさせていただきました」
「そんな……非人道的すぎるぞ!?」
俺はそう言って乱さんをにらむ。
しかし虎郷はその俺の肩を掴んでいった。
「注目点はそこではないわ」
「え……!?」
「今、一条字先輩側と言った……つまり、私たち側からも一人差し出さなければならない」
俺たち側の……女王。
「その通りです。つまり、この場合は王城さんの相手、音河さんを差し出してもらうことになります」
「!?」
隼人が一歩下がる。
「王城さん、どうでしょうか?」
「女王は……どんな風な意味を持つんだ……? それが分からない限りは」
「女王はチームが負けたとき、ほぼ『死』に相当する刑を執行します。具体的に言うなら、雷と同じだけの電流が十字架に流れます」
「!?」
隼人がさらに戸惑う。
「ちなみに差し出さない場合は、負けということになります」
「構わない。好きにしろ」
一条字先輩は即答した。
「王城さん、どうでしょうか?」
と
「……」
「いいよ、隼人。私行くよ」
音河は言った。
「響花」
隼人は静かに言った。
音河は隼人の耳元に口を持って行った。そして何か小声で伝える。隼人はまた顔を曇らせる。
その後音河はこちらに振り向くと、
「皆勝ってくれるから心配ないし」
と笑った。
「任せろ」
「任せなさい」
即答したのは海馬と虎郷だった。
「おう」
「頑張ります!」
俺と雅も少し遅れて返事した。
「行ってきます」
そう言って音河は校舎内に入っていった。
まるで何もなかったかのようにしている一条字先輩を見る。いや、彼にとっては何もなかったのかもしれない。
シオさんがどうなっても彼には関係ないのかもしれなかった。
「では、それぞれの所定位置に行ってください」
と乱さんが言った。
最終戦が始まった。