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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第七章 戦う未来とこの世界
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34-大掃除-


 言ったが早いか刀が何本も目の前に飛んできた。

 反応はできる。

 が、油断はしない。

 俺はその刀を半身で避けて、柄を握った。少し引っ張られるが、それでもキャッチする。

 そしてその刀を乱雑に振ることで他の数本の刀を叩き落とす。

「上手い判断だ。では次はこうしようか」

 そう言ってシオさんは間合いを詰めてくる。

 今に始まったことではないが、この瞬間的に間合いを詰められるのはなぜだろうか。

 俺は構える。

「【乱刀】嵐山」

 そう言ってシオさんは両手を腰辺りに構えた。

 次の瞬間、その両手から刀が出てくるのが見えた。

 俺は瞬時に一歩分の間合いを取った。

 両手の刀を躊躇なく振り捨てる。ギリギリの距離で避ける。

 一度振って、その刀はそのままの勢いで投げ捨て――。

「って!」

 俺が空けた一歩の間合いを瞬時に埋めてくる。

 そして今度は腕を前で交差させて、両手を腰に据えている。

「く!」

 俺は片足の跳躍で、後ろに下がる。

 シオさんは刀を振り捨てる。

 そして、さらに間合いを詰める。

「っと!っぃ!ったあああ!」

 その繰り返しを4回くらい繰り返して、俺は廊下の端に追いやられた。

 そして5回目。

 俺は足を下げれるスペースを埋められた。

しまいだ」

「あっちゃー……」

 俺は呟いて、準備をする。

 シオさんは刀を振った。

 俺はその刀に左拳をぶつける。


 ドゴォ!と。

 刀が上に吹っ飛んだ。

「!?」

 驚いているシオさんの懐にそのままの勢いで右拳を当てた。

 流石に反応できずに、クリーンヒットしてシオさんは廊下に倒れた。


「それがもしあの鞘付きの刀だったら勝てなかったな……」

 俺は冷や汗を拭う。

 冷や汗であるところが、注目点だ。

 まったく疲れていない。

 これが冷静な判断での体力消費の抑え方か……。

「どうやったんだ?」

 シオさんは体だけ起こして言った。

「説明しないに決まってるだろ」

「……それもそうだな」

 と、シオさんは苦笑する。


 実は正直、自分でも咄嗟のことだったのだ。

 虎郷の近未来予知で先のことを理解し、瞬間的にスパイラルに切り替える。そして俺の左手に空気をため込んで、それをスパイラルで放つ。

 簡易的な超強力空砲というわけだ。


「では、次の技と行こう」

「まだまだ余裕そうですねぇ……」

「大丈夫だ。すぐに勝敗は決してやる」

 そう言って、シオさんはあの鞘付きの日本刀を出した。


「【居合】大挙おおこぶし


 次の瞬間。

 俺の視界が黒くなった。


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