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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第六章 誘い乱れるこの世界
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29-未知の明日に、差し伸べる-

 足跡の大群(という表現は聊か比喩にしても言い過ぎだとは思うが、それら)は、1つの教室の前でなくなっていた。

「やあ」

「おう」

 というか、そこに3人の人間がいた。

「隼人。生きてたのか」

「昔とは違って、普通の安心してくれたね。以前は無傷で残念、みたいな態度をとっていたのに」

「何の話をしているんだ」

「夏休みの話をしているんだよ」

 と、隼人は言って下の男を見た。

「楊瀬。貴様の推理はいつもに増して上出来だ」

「ありがたき幸せ」

「ついでだ。王城隼人の意見を聞いて、思うところを述べろ」

「了承いたしました」

 と、楊瀬さんは隼人の方を見る。

「まず、ソレは?」

「ああ。今回の犯人だよ」

 そこに居たのは、見知らぬ男。間違いなく、長柄川ではない

 軽く振り向くと海馬が少し安心したような微笑みを見せていた。

「離せよ!さっさと離せ!」

 男は暴れている。

「で、お前の推測というのは?」

「ああ。こいつの能力だ。本人に聞いても能力の名前も内容も教えてくれなかったけど、僕たちに追われているときに異常なスピードや、異常な腕力から想定できるのは、『マシン・メーカー』だ。日本語名で『機械仕掛け』だ」

「内容は?」

 今度は楊瀬さんが尋ねた。

「それですね。『機械仕掛け』っていうのは、ウェポンではなくスーパーナチュラルだ」

「……兵器類ではなく、超能力、ということでいいですね?」

「ああ、そうですね。そういうことです」

「続けてください」

「ええ。この能力は、兵器を『作る』という、能力です」

「兵器を作る。なるほど、それで爆弾を作ったわけですね」

「そういうことです。そして僕たちから逃げる時には足に何らかの装備を、僕たちの追っ手を振り払うためには腕に何らかの装備を、というわけです」

「……そこまでばれたら、仕方がない」

 何だ、この負け犬台詞。

 と思いつつも口を開いた男を見下ろす。

「俺の能力はそれだ。そして俺はある実験をしたいと思ったのさ。怨念も込めてな」

「怨念……?」

「お前らはどうせ覚えてもいないだろうが、俺は一条字……てめえになぁ!」

「覚えているぞ、枡居孝敏ますいたかとし

「え……」

「だが、貴様に恨まれるようなことをした覚えはないのだが?」

 そう言って、枡居と呼ばれたその男に顔を近づける。

「貴様がこの学校の工学部を作り、いろいろなものを作ったはいいが、とうとう爆弾まで作り始めたから、貴様に反省文を書かせ工学部を退部させた。貴様の責任ではないのか?」

「……く!」

 どうやら事実らしい。

「だが、貴様の実験とやらはすでに始まっているようだな」

「ああ。今、この学校の校庭に向かって俺の作った最高兵器が5台向かっているところだ」

「そうか。まったく、余計なことをしてくれるものだ」

 と、一条字先輩は呟いて、携帯電話を取り出した。

「……ああ、高見澤放送部長。一度、体育館に全員集合するように頼んでおいてくれ。すまないな」

『校内放送。全校生徒は、一度体育館に集合してください』

 そう言って電話したかと思うと、

「楊瀬、全員を呼べ。演技の時間だ」

 と、楊瀬さんに命令した。楊瀬さんは声を聴く前にすでにいなくなっていたが。

「戦うんですか?僕らも手伝いますよ」

「ダメだ。お前らじゃ足手まといだろう。俺たちは『第三形態』だからな」

「第三?」

 俺はその言葉に引っかかる。

 確か。

 確か夏休みに誰かが同じようなセリフを……そう、『最終形態』とかなんとか……。


 一条字先輩は窓の外を見る。全員が体育館に移動したのを確認したらしい。

 そして

「行くぞ」

 そう言ったかと思うと、一条字先輩は窓から飛び出した。


 すると五つの影が、校庭に降り立った。

 のだが。


「え……」

 そこに人はいなかった。いや、確かに二本足で立っているし服も来ているが、それでもだ。

 俺の目がおかしくなければ。


 そこにいたのは

 狼、猿、蛇、鷹、そして、ライオンだった。



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