26-三者三様、日照りの岸部-
嘉島、海馬、日下以外のメンバーです。
……あってるよな?
正直な話、これから先のことは俺が把握していることではないので、文体がおかしくなる。別に他の物語になってしまっている訳ではないことを報告したうえで、ご心配なさらぬようお願いいたします。
「一条字先輩。事件が起きます」
「楊瀬。生徒会役員に伝えてこい」
「かしこまりました」
と、瞬間的に会話を済ませた。
「世界などという物は所詮平和ではないのだな」
「そうですね。まあよく言われることです。戦争と戦争の間の騙し合い、ですよ」
「ともすれば学園の危機にさらされているというその情報を信じたとして、俺たちが今すべきことはいったい何なのか……答えて見せろ、王城隼人」
隼人は一条字と生徒会室に居た。
先に虎郷と音河は別の行動に向かわせた隼人は、単身で生徒会室に入ったのだが、そこには楊瀬と一条字しかいなかったのだ。
「それはつまり」
「貴様の頭の方が俺よりも優れている。さらば、貴様に指示してもらったほうが行動しやすいと思ってな」
「何も聞かずに僕のことを信じたんですか?」
「楊瀬でもあるまいし、意味もなく嘘をつくはずもないという俺の考えが間違いだというのか?」
「……まあ合ってますけれど」
なんか調子が狂うなぁ、と隼人は思いつつ、次の言葉を紡いだ。
「では僕の方から指示を仰がせていただきます」
「期待しているぞ」
「じゃあまず……」
隼人が話を始めようとしたとき
ドゴォォォ!
という激しい音とともに爆発とその煙が生徒会室を包んだ。
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「だからオイラも一条字先輩のために頑張んないとって思ったわけ!わかる!?」
「分かりますよ。私も正先輩のために頑張ろうとしてますから」
「話が合うなー、雅さんは」
華壱と雅は屋上で意気投合していた。
「書記戦は雅さんとやるんだよな?」
「そうです。よろしくお願いしますね」
「書記戦では敵だけど、普通の生活は友達だぜー」
シシシと華壱は笑った。
「はい!」
雅も笑う。
「ここにいましたか」
と、突然楊瀬が現れた。
「どうかしたのか、楊瀬」
「いえ、常盤様といるところを見ると華壱様はご存知のようですが、まあ一応報告しておきましょうか」
と、楊瀬が登場していったとき。
ドゴォォォ!
という激しい音。校舎が揺れる。
「な、なんだ?」
「下の方からでございます」
楊瀬は静かに任務を遂行するように、下をのぞいた。
「……急ぎましょう。私も今回はゆっくり行きます」
と、楊瀬は消えずに走り始めた。
雅と華壱もそれを追った。
……ちなみに楊瀬さんは異常に早かった。
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「やあ」
そう言って籠目は虎郷と音河の前に現れた。
「どういう理由かは知らないけど、楊瀬から聞いたところ事件が起きるらしいな」
「まあそうですよ」
「どうして分かったんだ?」
と、籠目は明らかに怪訝そうな面持ちで虎郷をにらむ。
「犯行予告が私の耳に入ったんです」
と、音河が言った。
ああ、そうか、と虎郷は思う。
音河は戦闘に参加しない。だから、こうして自分の能力をバラしても何ら問題がないということなのか。
「耳がいい能力なのか?」
「当たらずも遠からず、ですね」
「……そうか」
「その言い方から考えて、貴方も能力を持っているということですね?」
虎郷は籠目を見た。
「ああ。説明しておこうか。私の能力は――」
ドゴォォォ!
発言を怒号が邪魔し、校舎が揺れる。
「……話はあとだ。どこで起きたかわからんが探索するぞ」
と籠目さんは言った。