04-舞えば乱れて、春来る-
青春というわけですよ。
オンマイルーム。
「うぉわ!」
俺の体はその部屋に投げ出された。
「どういうつもり」
……『?』すらない、彼女の冷淡な言葉。ていうか、
「どういうつもりってどういう意味だよ」
俺は虎郷の質問に質問で返す。
「……敵対するべき副会長にわざわざ話しかけてどうするのよ。わかってるの?こちらの情報をわざわざ与えるわけにもいかないでしょう」
もっともな理由、だ。
でも、その理由にはぶつけることのできる事実がある。
「俺から話しかけたわけじゃないし」
むしろ攻撃されかけて驚いたくらいだ。
と、そこまでは言わなかったが。
「あの人には、聞きたいこともあるし」
「……だからといって、話しをしていい理由にはならないわ」
そう言って虎郷はにらんでくる。
はぁ。
「言っとくけどな、虎郷。俺は巷で噂の『鈍感な主人公』じゃないんだよ。そんな使い古されたネタは俺には通用しない」
「そうね。むしろそれが多すぎて、最近のライトノベルは面白さに欠けている事が多々あるわ」
「逆にこいつは俺に気があるんじゃないか?と、深読みしすぎる主人公もいたりする。何が正解なのかわからないな――というのは置いといて、だ。俺は鈍感ではないから――」
そう言って虎郷を見た。
「お前が怒っているのはもっと私的なことだろ?」
「……」
「妬いてんのか」
俺はそう言って虎郷を見る。
虎郷は突然、鋭い目に変わり先ほどより強く俺をにらんだ。
「貴方は、どうして、そういう!」
表情や行動は変わらないが、言動は変わってしまっている。
「落ち着け、バカ」
「貴方にバカって言われる筋合いはないわ!」
「うん、気持ちはわかるけど――」
「大体、あならは」
「呂律が回ってない!」
俺は叫んで、虎郷を強制退場させる。そしてリビングの方に向かった。
「女子めんどくせー!」
俺はそう言って隼人が寝ているのとは別のソファーに座りこむ。
「待ちなさい!話はまだ終わってないわ」
「俺の中では解決だっつーの!誰か、助けて!」
「大変そうだね、ソウメイ君」
「女関係ならいつでも相談承ってんぜ」
俺の発言に隼人と海馬は笑って答える。
「大体、火水は妬きすぎだよ」
「学校で女子と話しているだけで不機嫌になりますからね」
女子二人が教えてくれた新情報!
「そうなのか、虎郷」
「彼女たちは適当に言っているだけよ。私がそんな存在なわけないでしょう?」
「嫉妬の炎ってわけか」
「だから、違うって言ってるでしょう!」
キレる虎郷。怖い。
夜は俺たちは普通に騒いでいた。
虎郷を見て、ああ、もういろいろ吹っ切れたんだな、と思えて少しうれしかったのだが。
次の日、俺は人生初の修羅場を経験する。