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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
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227/324

60-何のために行動しているんだろう-

 

 僕の思いを込めています。

 次の日の朝。


「なんと!!」

 目覚めると俺はそのまま隼人の家に居た。

 恐る恐る携帯電話を開いた。

 ・・・・・・!!

 着信履歴が悲惨な事になっていた。

 主に妹。次点で母。そして兄が1回のみだが、最初だった。

「・・・・・・」

 心配させすぎだな・・・・・・。

 やっぱり死ぬわけにはいかないんだけどな・・・・・・。

 俺は部屋を出ると、隼人はまだ寝ているようだった。

 俺はそのまま家を出て、1度家に帰った。


「お前・・・・・・なにやってんだ」

 兄・・・・・・響也が居た。

 息を上がらせて、座り込んでいる。

「隼人の家に泊まってたんだ」

「そういうことがあるならちゃんと言え」

「・・・・・・どうかした?」

「何もしてない。が・・・・・・疲れた」

 そう言って響也は家の中に入っていった。

 玄関の扉が閉まってから、俺も続くように入っていく。


「あ・・・・・・」

 目の前には母が居た。

「・・・・・・ただいま」

「おかえり。隼人君の家にいたのね?」

「ああ・・・・・・迷惑掛けた・・・・・・」

「それは響也と奏に言いなさい。響也は夜中ずっとあなたを捜していたし、奏は早朝からご飯を作って待っているわ」

 母は淡白だ。いつも淡々としている。別に父や姉の所為ではなく、昔からだ。

 この話を隼人としたとき、


「奇遇だね。僕の母もそんな感じだよ。無駄な事は話したくない主義だからね」


 と言っていた。

 俺の母は別に無駄な事を話したくないわけじゃない。単純にしゃべりに感情がこもらないだけだ。

 よく分からないが、昔からそうらしい。


 母がリビングに入った。俺も続いてはいると、奏はソファで寝ていた。

「・・・・・・今日は」

 今日は土曜日だった。学校は無い。

「・・・・・・」

 俺は奏をお姫様抱っこの姿勢で持ち上げた。

 それから2階に上がって、奏の部屋の扉を開けた。

 小学生とは言え、あらゆるものに気を遣っているのだろう、いい匂いがした。

 そのまま奏のベッド・・・・・・下に机があって上にベッドがある、二段ベッド方式のようなベッドに寝かせてから俺は部屋を出る。

 それから隣の部屋をノックする。

 ・・・・・・返事が無い。

 ただの屍のよ「居る?」無駄な事を考えながら入り込んだ。

「・・・・・・響也ー?」

「・・・・・・」

 俺と響也と奏と響。全員同じ部屋のサイズだが、デザインはそれぞれ好きなようにしている。

 それを含めた上で言っておく。


 響也の部屋は和室仕様になっている。

 そして響也は。


「・・・・・・」


 ドラえもんのように、押入れの中で寝ていた。

「・・・・・・サンキュー、兄さん」

「・・・・・・」

 響也にそう言ってから、俺は部屋を出た。


「響也を兄さんって呼んだの・・・・・・いつ振りだろうな」


 そう呟いてから、俺は私服にに着替えた。昨日の夕方から制服だったらしい。

 着替えを終えて、俺は家を出た。

「お兄ちゃん!」

「あ」

 妹さんが降りてらっしゃった。

「最近、どこ行ってるの!また昔みたいに危ない事に首突っ込んでるんじゃ」

「そんな突っ込んでないよ。心配するな」

「おかしいよ・・・・・・お兄ちゃんは事故の日から、今までとは違って危険な事に首を突っ込むようになったって、響也も・・・・・・」

「・・・・・・心配するな。だけど、俺はこれからもっとやばいものに首を突っ込むぞ」

「そんな――」

 奏はそう言って悲しそうな顔をする。


「大丈夫。昔から言ってるだろ?俺は死なないから」

 俺は奏を軽く抱いてから、

「行ってくるよ」

 と言って外に出た。


 静かに歩いて目的地……つまり隼人の家に向かった。




「・・・・・・」

 隼人の家に行くと、一台の黒塗りの車が有った。

 恐らく、隼人の何かなのだろうけれど・・・・・・。

 もしかして王城グループの誰かだろうか?

 思いつつも、玄関の扉のドアノブに手を掛けた。


 開けると正面に隼人が居た。

 ジーパン、半そで、赤いチェックのシャツを来て、首からヘッドフォンを提げていた。

「ああ、嘉島君。おはよう」

「おはよう。目覚めたら次の日だったから驚いたぜ」

「あの世界は『夢』だから、あの世界から去ると『寝た』ということになるらしいね」

「なるほどな・・・・・・」

 で。

 本題に入ろう。

「何処かへ行くのか?」

「ああ。病院だよ。君も行くかい?姉にも会いたいだろう?」

「・・・・・・うーん・・・・・・じゃあそうするかな」

 俺は隼人より先に玄関の扉を開けた。


「・・・・・・」

 目の前の車から男性が1人降りてきていた。

 その男はタバコを口にしていた。火はついていない。そしてつける気もなさそうだ。

 超美形でオールバックの気のいいお兄さん。しかし目のきつさからか、近寄り難い雰囲気をかもし出している。

 強いて言うなら・・・・・・元ホストの高校生か?

「・・・・・・あぁ、嘉島か。お前も行くのか?」

 その男は俺の顔を見てそう言った。

「え」

 ・・・・・・この人俺と会ったことあるのか?

「隼人は・・・・・・まだなのか?」

「・・・・・・は、はい・・・・・・」

「何だ?急に堅苦しい挨拶しやがって・・・・・・今までためだったじゃないか」

「・・・・・・え・・・・・・?」

 いや、待て。

 この人の雰囲気・・・・・・。

「嘉島君、どうかしたのか」

 隼人が出てきて、固まっている俺を見て隼人は言った。

「おう・・・・・・来たか」

「あ、来てたんだ。東先輩」

「・・・・・・ん?」

 東先輩・・・・・・?

 視線を男の人に向ける。

 リーゼントではないが・・・・・・目や喋り方などからわかることもある。

 ああ。

 本当だ。この人は間違いなくあの人だ。




「今回のことで俺は自分の力の無力さを感じた。で、義賊をやめて本格的に正義活動をしたいと思った・・・・・・というよりは、お前らに協力すればいいんじゃないかと思ってな」

 言いながら東先輩は車を運転し続ける。

「・・・・・・あの確認していいか?」

「何だ」

「東先輩、高校生ですよね?」

「・・・・・・」

「車の運転していいん「正義に犠牲は付き物だ」

 東先輩は逃げた。


「で色々あって『暮射』を引退して、隼人の付き人の役割を確保した」

「というわけなのさ」

 そう言って隼人は笑った。


 ふーん・・・・・・。

 まぁ彼らにはそういう生き方がぴったりなんだろうな。

 3人全員、自由を求めている。

 東先輩も今日元さんも隼人も自由のために行動している。


 だったら、俺は。


 俺は何のために行動しているんだろうか。


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