60-何のために行動しているんだろう-
僕の思いを込めています。
次の日の朝。
「なんと!!」
目覚めると俺はそのまま隼人の家に居た。
恐る恐る携帯電話を開いた。
・・・・・・!!
着信履歴が悲惨な事になっていた。
主に妹。次点で母。そして兄が1回のみだが、最初だった。
「・・・・・・」
心配させすぎだな・・・・・・。
やっぱり死ぬわけにはいかないんだけどな・・・・・・。
俺は部屋を出ると、隼人はまだ寝ているようだった。
俺はそのまま家を出て、1度家に帰った。
「お前・・・・・・なにやってんだ」
兄・・・・・・響也が居た。
息を上がらせて、座り込んでいる。
「隼人の家に泊まってたんだ」
「そういうことがあるならちゃんと言え」
「・・・・・・どうかした?」
「何もしてない。が・・・・・・疲れた」
そう言って響也は家の中に入っていった。
玄関の扉が閉まってから、俺も続くように入っていく。
「あ・・・・・・」
目の前には母が居た。
「・・・・・・ただいま」
「おかえり。隼人君の家にいたのね?」
「ああ・・・・・・迷惑掛けた・・・・・・」
「それは響也と奏に言いなさい。響也は夜中ずっとあなたを捜していたし、奏は早朝からご飯を作って待っているわ」
母は淡白だ。いつも淡々としている。別に父や姉の所為ではなく、昔からだ。
この話を隼人としたとき、
「奇遇だね。僕の母もそんな感じだよ。無駄な事は話したくない主義だからね」
と言っていた。
俺の母は別に無駄な事を話したくないわけじゃない。単純にしゃべりに感情がこもらないだけだ。
よく分からないが、昔からそうらしい。
母がリビングに入った。俺も続いてはいると、奏はソファで寝ていた。
「・・・・・・今日は」
今日は土曜日だった。学校は無い。
「・・・・・・」
俺は奏をお姫様抱っこの姿勢で持ち上げた。
それから2階に上がって、奏の部屋の扉を開けた。
小学生とは言え、あらゆるものに気を遣っているのだろう、いい匂いがした。
そのまま奏のベッド・・・・・・下に机があって上にベッドがある、二段ベッド方式のようなベッドに寝かせてから俺は部屋を出る。
それから隣の部屋をノックする。
・・・・・・返事が無い。
ただの屍のよ「居る?」無駄な事を考えながら入り込んだ。
「・・・・・・響也ー?」
「・・・・・・」
俺と響也と奏と響。全員同じ部屋のサイズだが、デザインはそれぞれ好きなようにしている。
それを含めた上で言っておく。
響也の部屋は和室仕様になっている。
そして響也は。
「・・・・・・」
ドラえもんのように、押入れの中で寝ていた。
「・・・・・・サンキュー、兄さん」
「・・・・・・」
響也にそう言ってから、俺は部屋を出た。
「響也を兄さんって呼んだの・・・・・・いつ振りだろうな」
そう呟いてから、俺は私服にに着替えた。昨日の夕方から制服だったらしい。
着替えを終えて、俺は家を出た。
「お兄ちゃん!」
「あ」
妹さんが降りてらっしゃった。
「最近、どこ行ってるの!また昔みたいに危ない事に首突っ込んでるんじゃ」
「そんな突っ込んでないよ。心配するな」
「おかしいよ・・・・・・お兄ちゃんは事故の日から、今までとは違って危険な事に首を突っ込むようになったって、響也も・・・・・・」
「・・・・・・心配するな。だけど、俺はこれからもっとやばいものに首を突っ込むぞ」
「そんな――」
奏はそう言って悲しそうな顔をする。
「大丈夫。昔から言ってるだろ?俺は死なないから」
俺は奏を軽く抱いてから、
「行ってくるよ」
と言って外に出た。
静かに歩いて目的地……つまり隼人の家に向かった。
「・・・・・・」
隼人の家に行くと、一台の黒塗りの車が有った。
恐らく、隼人の何かなのだろうけれど・・・・・・。
もしかして王城グループの誰かだろうか?
思いつつも、玄関の扉のドアノブに手を掛けた。
開けると正面に隼人が居た。
ジーパン、半そで、赤いチェックのシャツを来て、首からヘッドフォンを提げていた。
「ああ、嘉島君。おはよう」
「おはよう。目覚めたら次の日だったから驚いたぜ」
「あの世界は『夢』だから、あの世界から去ると『寝た』ということになるらしいね」
「なるほどな・・・・・・」
で。
本題に入ろう。
「何処かへ行くのか?」
「ああ。病院だよ。君も行くかい?姉にも会いたいだろう?」
「・・・・・・うーん・・・・・・じゃあそうするかな」
俺は隼人より先に玄関の扉を開けた。
「・・・・・・」
目の前の車から男性が1人降りてきていた。
その男はタバコを口にしていた。火はついていない。そしてつける気もなさそうだ。
超美形でオールバックの気のいいお兄さん。しかし目のきつさからか、近寄り難い雰囲気をかもし出している。
強いて言うなら・・・・・・元ホストの高校生か?
「・・・・・・あぁ、嘉島か。お前も行くのか?」
その男は俺の顔を見てそう言った。
「え」
・・・・・・この人俺と会ったことあるのか?
「隼人は・・・・・・まだなのか?」
「・・・・・・は、はい・・・・・・」
「何だ?急に堅苦しい挨拶しやがって・・・・・・今までためだったじゃないか」
「・・・・・・え・・・・・・?」
いや、待て。
この人の雰囲気・・・・・・。
「嘉島君、どうかしたのか」
隼人が出てきて、固まっている俺を見て隼人は言った。
「おう・・・・・・来たか」
「あ、来てたんだ。東先輩」
「・・・・・・ん?」
東先輩・・・・・・?
視線を男の人に向ける。
リーゼントではないが・・・・・・目や喋り方などからわかることもある。
ああ。
本当だ。この人は間違いなくあの人だ。
「今回のことで俺は自分の力の無力さを感じた。で、義賊をやめて本格的に正義活動をしたいと思った・・・・・・というよりは、お前らに協力すればいいんじゃないかと思ってな」
言いながら東先輩は車を運転し続ける。
「・・・・・・あの確認していいか?」
「何だ」
「東先輩、高校生ですよね?」
「・・・・・・」
「車の運転していいん「正義に犠牲は付き物だ」
東先輩は逃げた。
「で色々あって『暮射』を引退して、隼人の付き人の役割を確保した」
「というわけなのさ」
そう言って隼人は笑った。
ふーん・・・・・・。
まぁ彼らにはそういう生き方がぴったりなんだろうな。
3人全員、自由を求めている。
東先輩も今日元さんも隼人も自由のために行動している。
だったら、俺は。
俺は何のために行動しているんだろうか。