↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら本能寺で織田信忠だった・・・・あれ、詰んでない?  作者: ハルラララ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/18

⑥織田信忠、倒れる

武将の名前ですが、この時代何度も改名があってややこしいので一番有名な名前に統一しています。

その辺はふわっとお読みください

日野城を守っていた蒲生氏郷にとって、今日ほど激動な一日はなかったであろう。

これでも元服前から織田家相手の籠城戦に参加するなど、激動の乱世を少年時代からくぐり抜けて

きた身である。

想像のつかないような事も起きた事も何度もある、

この戦乱の世ではどんな事が起きてもおかしくないとは思っていた。


「ーーーーこれは一体、何の冗談じゃ?」


流石に、それでもこれはない。

織田信長、本能寺にて明智光秀に未明に攻め込まれ討ち死に。

織田信忠、同日京より脱出するも所在不明、生死不明。


安土城の留守居役を務めている彼の父である蒲生 賢秀からの連絡でなければ、

意味不明な流言を持ってくるなと使者を叱責した事であろう。


安土の人員を全員避難させるので、受け入れ準備と不測の事態に備えるようにとの

指示を受け、今城内は上から下への大騒ぎ。てんてこ舞いになっている。


どれほどの人員が来るのかはわからないが、それでもこの城の想定できる人員の限度を

超えている事は確実だろう。

近所の寺院や豪商の邸宅への間借りの依頼、食料の調達、確実に起こるであろう治安の悪化への

対処に今後の戦の準備……頭痛がしてくる。


「若君っ、至急お伝えしたい事がっ!!」

そう言って家臣の一人がこちらに向かってくる。

顔面を蒼白にした表情からするに、あまり良い情報ではないだろう。


これ以上余計な悩みは増やさないでほしいと思いつつも、現状余計な悩みなどありはしないと

憂鬱になりながらも思い返す。

「今度は、一体何事じゃ?もう何が起きても驚かぬぞ」


そう軽く言いながら、その伝達を聞く。



「ーーーなに、中将様が!?」



ーーーーーーー


気が付けば、俺はいつのまにやら日野城の一室に運ばれていた。

あの銃撃の後、気を失った俺を利治が守りながら襲ってきた敵を撃退。

そのまま意識を失っている俺を背負って日野城の近くまでたどり着き、俺達を迎えにきた

蒲生家に合流、そして今に至るらしい。

……斎藤さんまじチート

もうあの人一人でいいんじゃないですかね?


ちなみに俺は、焼酎を傷口にぶっかけられた痛みと衝撃で飛び起きたらしい。

その時は朦朧として覚えていないが、相当暴れていたらしい。

いや、しょうがないんだけどね?この当時の医療水準ってやっぱり恐ろしい。

あと馬糞持ってきた奴は即刻追い出しました。これを傷口に塗るのが治療って、殺す気か。

これで織田家当主が城で受けれる最高水準の医療というのがまたなんとも。

生き延びる事ができたらぜったい改善しちゃる。


不幸中の幸いか弾は急所を外れて太ももの肉を貫通していたらしく、致命傷は避けれたらしい。

ただこの時代に輸血なんてあるわけもなく、血液不足や敗血症で死にかねない。


足めっちゃ痛い。痛いっていうか、もうガンガン痛みと刺激がなり響いてわけわからん。


熱い。とうか寒い。

身体がインフルにかかったみたいに高熱で、頭に霞がかかったように朦朧とする。


だめだ。

まだ、倒れれない。

勝長のためにも、今ここにいる皆の為にも。


「殿、窮地に一生を得たのです。しばし、何も考えずに養生を」

隣には斎藤利治が心配そうにこちらの様子を見ている。

ここまで俺の何倍も働いているだろうに、それでもこの献身具合、俺はどうすればいいのか。


……そうだ、まだやらないといけない事がある。


「……治療しながら、儂の指示を残せ。儂の頭が回っている間に、今後の指示を残しておく」


信長亡き後、今この場所での自分の発言は恐らく自分の想像以上に重い。

今の内に、最低限皆の方針を決めておかないと、どうなるものか分からない。

今受け容れてくれているこの日野城の皆の為、

ここまで従ってきてくれたみんなの為、

……そして、京都に残した勝長や貞勝達のために。


「……いいから、きけ。次はいつ目覚めれるかわからぬゆえ」


しょーじきもう頭がぼんやりしてきて視界も軽く霞んできた。若干痛みもわからなくなってきた。

あとどれだけ持つか、言葉が発せる内に発しておかないと。


「…目が霞む。周囲には、誰がいる」


これは半分本当で半分嘘。

目が霞み始めているのは本当だが、周囲の顔はまだなんとか見れている。

ただ誰が誰だか全く分からん。


「…信忠様の状態を知られるわけにはいきませんので、最低限周囲にはおりまする。

私利治、それに城主の左兵衛大夫賢秀様、ご子息の忠三郎氏郷様、それに又左衞門利家様のご子息の

孫四郎利長様」


あれ、ここに前田利長いるんだ?

人員的には現状筆頭家臣の利治、日野城の城主の蒲生賢秀に、信長(父上)の娘婿で織田信忠の

義兄弟の蒲生氏郷に前田利長を残したんだろうか。


「賢秀、おるか」

「はっ」

そう言ってごつくて真面目そうな叔父さんがこちらに近づいて平伏する。

「留守居役の役目を放棄し、独断で一族の皆様を移した罪、如何様にも」

ひと言目がこれって、どんだけ堅真面目なのだろう。

今色々考える余裕はないけど、そんな事をぼーっと思う。


「いや、これ以上ない采配じゃ。そなたに安土を任せて良かった。今は亡き父上に成り代わり、御礼申し上げる」


「ーーーーありがたき、幸せ」

一度も頭を上げずに、そのまま平伏し続ける。

うん。もういいや、このまま全部言ってしまおう。


「今後も織田家への忠義、信じてもよいか」

「問われるのも心外にございまする。我ら蒲生家、変わらない忠節を中将様に」

「忝い」


「では、今からの言葉を残せ。可能な限り実行せよ。出来ぬものはできぬで良い。十全を果たせ」


「……安土はそのまま捨ておけ。明智は必ず父上を倒した象徴として安土を攻め落としにくる。

父上は政務の中心として考えてあの城と街を作っておる。無理じゃ、今の兵では守り切れぬ」


「……蒲生の日野城を拠点にせよ。私の花押を書いた紙を作らせよ、この度の噂は相当広がっているであろうが、

私が日向に討ち取られず日野で健在である事を周囲に誇示せよ。少なくとも、数週間は近江は明智の本領の坂本以外は靡くまい」


「…斎藤を美濃に送れ。先だって追放した安藤が心配じゃ、恐らくこれを聞けばあの爺は自分の旧領を狙いに挙兵する。

利治が美濃にいれば、一徹を始めとする美濃衆が分裂する事はない、利治、美濃を頼む」


「……徳川殿をお助け参らせよ。恐らく伊賀から伊勢の辺りを通り、海路から三河に帰ろうと

されるはずじゃ。徳川殿は伊賀者を相当数雇っており、父上も黙認されていた。

伊賀路が徳川殿にとっては最も安全と思われておるはずじゃ。せめて伊勢の安全はこちらで

確保させよ」


「……皆に改めて申し伝える。戦おうとするな、守り抜け。明智の目をこちらに向けさせよ。

さすれば…………恐らく羽柴が明智の背後より攻め込める。防御こそが、明智への最大の攻撃と心せよ」


…………あ、もう限界。


「みな、死ぬな……生きて、生きぬいて……」

そこまでが限界で、また俺の意識は闇へと落ちていったーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。