アイ ドント ライク ノブタカサン(2/5)
「まだかのぅ……」
城の門の前で待たされて、既に四半刻(30分)が過ぎていた。
まあ、予告なしアポなし突撃で来たのはこちら側の方なので、
多少待たされるのは織り込み済ではあるのだが。
でも待ってる間、どこか待合室的な場所で
お茶とお茶菓子くらいは出してくれてもいいんじゃないかなとは思っている。
まあ、門番さんにはちょっと悪い事をしたなと思わなくもないけど。
いつもの一日が過ぎるな~っと、お昼の日差しで軽くうつらうつらしている時に
急に織田家当主の自分が急に参上したのだ。
「……え?中……将……様?」
ってな感じで何度か瞬きをした後に宙に飛びあがりそうな表情をして驚いていた。
アメコミ的な飛び上がって目が飛び出る表現って、現実にも本当にあるんだなと思いました。
心臓に悪そうな事をしたとは思っている。反省は特にしていない。
武士は常在戦場の心持ちでであるべきでしょ?(暗黒微笑)
というわけで慌てて門番の人が城内に自分の来訪を伝えに行き、
そのまま現在に至るわけである。
今現在でも城の中がバタバタ慌てている様子が外からも分かる状態で、
不意の突如の訪問に現在時点で城内総出で混乱している様子。
まあ、アポなし突撃で来るような立場の人間ではないことは重々承知だ。
重臣の皆からも「……正気ですか?」と呆れるなり止められるなりしていたわけだし。
最後には「やはり上様のお子様か……」的な納得はされてたけど。
どちらかと言えば、こういう不意打ち訪問は秀吉の方がやりそうな手ではあるけどねぇ?
人の話をきかない所が父信長譲りとおもわれたんだろーか?
「……大変お待たせいたし、誠に申し訳ございません。
準備が整いましたので、案内させて頂きまする」
「先触れを出さなかったのはこちらの不手際ゆえ、気にせずともよいぞ」
汗をかきながら顔色が悪そうな人が来て、準備が整ったと案内に来る。
原因はこちらにあるので、そこは特に気にしない。
……とはいえ、そこまで顔色悪くならんでもとは思うが。
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案内され歩く城内は、なにか懐かしさを感じさせる。
部屋の景色、木の香り、安心感を感じさせるのはここに長く住んでいた自分の身体故であろうか。
「…………?」
だからだろうか、案内される道に若干の違和感と不信感を感じたのは。
身の危険を感じさせるようなものではないが、自分がいくような先ではない場所に連れて
行かれているような違和感がある。
そうして案内された先は、普通の広間であった。
通常、多数の家臣を集めて評定を行う場であり、来訪した一国の当主を迎え入れる場所としては、
違和感がある。
そうして広間に通されると、下段の上段から遠く離れた、廊下に近い場所を指定される。
「………こちらで、お待ち頂きますよう」
……どう考えても、城主の兄で織田家当主が案内されるよう所ではない。
信孝の家臣達もこちらを直視しようとしない。
少なからず、この処置に対し戸惑っている様子が見られる。
「それでは、侍従様をお呼びいたしますので、もうしばしお待ち下さりませ」
そう言って案内していた信孝の小姓が去っていく。
「…………」
とりあえず、言われた場所に座り待ってみる。
ー5分、
ーー10分、
ーーー15分、
一向に人の来る気配もなにもない。
お茶位だしてもいいんじゃない?我織田家の当主ぞ?
…………なるほど、そうくるのね。
これはあれね、待たせて焦らせて相手の感情の乱れを図るっていう、
日ノ本に現代まで伝承されしイヤガラセ=ジツですね。
そっちがそうくるのなら、こちらにだって考えがある。
そう、それはーーーーー




