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死神様  作者: 柴田盟
第2章南へ。
54/56

靖子さんとh

 食べ放題の店でたらふく食べて、私達は鹿児島の健康ランドに行くことにした。


 鹿児島にも健康ランドがあるのか心配だったけれどちゃんとあった。


 鹿児島駅に送迎バスがあるのでそれに乗って行く事にした。


 鹿児島の健康ランドに行き、私達はお金を払って中に入った。


 相変わらずリリンが私と一緒に脱衣所兼温泉に入った。


「やはり健康ランドの温泉は最高じゃのう」


「うん、そうだね。温泉に入ると、私達の魂向上にも燃えるからね」


「ふむ、そうやって魂向上につなげて行けば良いのじゃ」


「あの死神キラーの臼井はまた何か仕掛けて来ないかな」


「そうじゃ、だから行ったではないか、あのまま殺して置けば良かったものの。

 じゃがそれによって創造主の本とペンの向上はしたがのう」


「創造主の本とペンを向上させれば、私と靖子さんで描いたメグを参戦することが出来るようになったじゃん」


「そうじゃのう、メグを召還して戦えるようになったのは事実じゃ。メグならミカエルを一掃出来るかもしれぬ」


「メグは巻数を重ねることに強くなっている。

 もっともっと物語を描いてもっと強くして行ければミカエルなんて敵じゃない」


「それは良い考えじゃ。雅人が描いたメモリーブラッドは読み手を魅了する力を持っている。

 それも相まって我らの力はますます向上している」


「ミカエルは何を考えているのか分からない」


「そうじゃ、最近ミカエルは我らの所に現れぬ。何か得体の知れないパワーを会得しているかもしれない」


「油断は禁物だねリリン」


「その通りじゃ」


 私達はお風呂から出て、フードコートに向かった。

 そこにはもうすでに靖子さん達は滞在していた。


「凜とミレイよ。靖子にまた迷惑は犯しておらぬじゃろうな」


 そこで靖子さんは「大丈夫よ。今日は二人とも素直に言うことを聞いてくれたわ」


「よろしい」


「僕達はもう靖子さんに迷惑をかけたりはしないよ」「僕達だって学習能力ぐらいはあるよ」


「お主等良い心がけじゃ」


「それよりも雅人お兄ちゃん。どうして臼井を殺さなかったの?」「また奴が現れたら僕達死神の力は奴には通用しないのに」


「分からないけれど、私は無駄な殺生はしたくない。ただそれだけだよ」


「ミカエルと手を組まれたらやっかいだよ」「そうだよ」


「確かにミカエルと手を組まれるのはやっかいじゃが、それでも大丈夫じゃ。我らが油断しなければ、我らがまた勝つに決まっている」


「そんなのどこに証明できるの?」「そうだよ」


「我らは雅人を信じるのじゃ」


「信じるって言ったってまた死神キラーが現れたらどうするの?」「そうだよ」


 二人は慌てふためいている。


「落ち着け二人とも。我らには雅人と靖子が創造したメグがついておる」


「そうかメグが僕達の味方になってくれれば怖いものなしだね」「本当だよ、臼井を助けたのもそのためだったんだね」


 そこで僕が「いや、まさかメグが参戦出来るようになったのは以外だった」


「メグが参戦できなくなっていたらどうしていたの?」「雅人お兄ちゃんは何も考えていないんだね」


「考えているよ。私は無駄な殺生はしたくない」





 ******   ******





 死神キラーの臼井はミカエルの元へと舞い戻っていた。


「ミカエルよ私だけの力ではもう奴らを倒すことは出来ない。ここは手を組んで戦うしかない。私を味方に付ければ奴ら死神の力など皆無だ」


「何だ臼井そのざまは?」


「奴らは死神以外の力を手にしてわたくしに手を下した。奴らを倒してこの世界の者どもを抹殺すれば、愚かな者はいなくなる。さすれば私とミカエル、お前とわたくしが組めば、奴らを一掃する事が出来る」


 するとミカエルは指を一本突き刺して白い炎を発した。


「この白い炎は邪悪な者を抹殺する力、貴様がこれを浴びても平気ならお前と組むことにしよう」


 聖なる白い炎が臼井の額にこぼれ落ちる。


「うおおおおおおおおおおお」


 臼井は断末魔を上げて、白い炎に包まれ灰と化していった。


「貴様のリベンジに我と共に戦うなど滑稽だ。私が人間を抹殺するのは貴様のようなよどんだ心など求めていない。

 私は純粋にこの世界を聖なる者の為に使うもの。

 決して貴様のような汚れた人間以下の者の為に使うものではない」






 ******   ******





 リリンは私の胸元で眠っている。

 心地よさそうに眠っている。

 平和だ。この平和な一時がいつまでも続くようにしたい物だ。

 私もそろそろ眠らねば。


 私はリリンを抱いて眠りについた。


 その日私は良い夢を見た。


 今の季節にふさわしいコスモス畑の所を私達六人で戯れている夢であった。

 本当に最高の夢であった。


 起きた時爽快な目覚めであった。


 リリンは私を抱きしめながら眠っている。


 リリンは子猫のようにかわいい顔をして眠っている。


「リリン」


 と温泉に行こうと私は起こす。


「どうしたのじゃ雅人よ」


「そろそろ時間だから温泉に入ってこの健康ランドを出よう」


「そうじゃな」


 大きなあくびをしている仕草もかわいい。


 私達は男性用の寝室から出て、脱衣所兼温泉に向かった。


 温泉に入り、まず最初にリリンの銀色の髪を丁寧に洗って上げて、リリンの小さな背中を流して上げた。


 同じようにリリンにも私の癖っ毛の強い髪を洗ってくれて、リリンからは私の背中が大きく見えて、まるでお父さんのような人だなんて言ってくれてなぜか嬉しかった。


 そして温泉に浸かり、それが未知のエネルギーとなることを私とリリンは知っている。


「リリン、沖縄に行きたい?」


「行きたいが、南はもう鹿児島で良いのではないか?」


「行きたいんだね」


「まあ、それはなあ、海は綺麗だし、料理もうまいし、我はあそこを気に入っておる」


「じゃあ、靖子さんと交渉して話し合ってみるよ」




 ******   ******




「えっ、沖縄に行くの?」


「うん。鹿児島に空港があったでしょ。それで行けないかなあって」


「まあ、私達の旅の目的は南に行くことだからね。でも飛行機なんて贅沢な物は使わないで船で行くよ」


 靖子さんがスマホで検索して、沖縄行きの船を検索している。


「あれ、船で行くのも飛行機で行くのも同じ値段ね」


「じゃあ、飛行機で行こうよ」


 そこでリリンが「飛行機で行くのは危険じゃ、奴らに飛行機に乗っている時に襲撃されたら元も子もなくなる」


「じゃあ、船で行くか」


 私が言うと靖子さんはお金が心配なのか複雑そうな顔をしていたが船で行くことにした。


 鹿児島駅からバスで三十分、沖縄行きの船が来航していた。


 沖縄まで二十五時間、私達は沖縄行きのフェリーに乗ることとなった。


「我は船に乗るのは久しぶりじゃ」


「僕達も乗ったことがある」「僕も」


 実を言うと私は船に乗ったことがない。


 そこで靖子さんが「雅人さんにみんな、とりあえずみんな船酔いをしないように酔い止めの薬も用意してあるからみんな飲んで」


「ふむ、靖子は気が利くのう」


 私達は船酔いにならないように靖子さんから船酔いの薬を一人ずつ飲んだ。


 ボーと汽笛をならすフェリー、私達はとりあえず乗ることにした。


「この中でも創作活動は出来るよね」


「そうね、酔い止めも飲んだことだし」


 船の中に入り、私達は室内に入った。


 305室の部屋は大部屋で、どこぞの大臣が入るような部屋であった。


 ベットが三つ用意されていて、勉強するためか机まで完備されている。


「よし、ここで創作活動をしよう」


 机はちょうど二つある、私と靖子さんで充分に創作活動が出来る。


 私達は創作活動をして魂向上の為にリリンと凜とミレイが私と靖子さんに寄り添い、わらしは御幸を放っている。


 よし書くぞ。

 気合いも充分に私達は書く気満々だった。


 いつものように創作活動をしている時間は短く感じて、そろそろお昼の時間になった。


 私達はルームサービスでお昼を注文した。


「何この価格、船のルームサービスってこんなにするの?」


 ラーメンとか定食がすべて千円以上の物だった。


「靖子さん、ここは安いところで千円以下のサンドイッチにしよう」


 と私が提案した。


 サンドイッチを注文して、ルームサービスで六人分のサンドイッチが運ばれてきた。


「何このサンドイッチ、量が少ないじゃない」


 靖子さんが文句を言う。


「仕方がないよ、とりあえず腹ごしらえをして、少し休憩してからまた創作活動に入ろう」


「そうね仕方がないわね」


 と靖子さんは割り切ってくれた。


「お昼ってこれだけ?」「もっとお腹いっぱいに食べたいよ」


 凜とミレイも文句を垂れている。


 そこでリリンが「仕方がなかろう、とりあえず我慢せい」


 二人はブーブーと文句を言いながらルームサービスのサンドイッチを食べている。


 食事が済んでまた、創作活動に入る。


 私はメモリーブラッドの四巻を書いているが、情けなくも行き詰まってしまった。


「はあ、」とため息をもらすと、靖子さんは「雅人さんため息をもらすと幸せが逃げてしまうよ」


「いや、ちょっと行き詰まってしまってね」


「だったらそう言う時は気分転換に外に出てみましょう」


 外に出ると、潮風の暖かい風が気持ちよく、もう夕方で綺麗な黄昏をみることが出来た。


 まるでラッセンの絵の中にいるような光景に圧倒されてしまう。


「凄い黄昏時じゃのう」


 リリンも感心している。


「凄い良い景色だねミレイ」「そうだね凜」


「あたしもそう思う」


 黄昏を見ていると何だかやる気が漲ってきた。


「さて創作活動をしようか」


「待って雅人さん」


「どうしたの靖子さん」


「私達夫婦だよね。ここでちょっと踊りませんか?」


 手のひらをさしだして、私に言う。


 私がその手のひらに触れると靖子さんは私の手をギュッと握りしめて、クルクルと踊りだした。


 私は急にこんな事になってしまって、靖子さんのかわいい顔を見て、心臓がバックンバックンなってドキドキした。

 まるで映画のワンシーンのような光景だった。


 私は本当に幸せなんだな、と改めて感じた。


 しばらくして夜になり、満点の星空を見渡すことが出来た。


「綺麗だね、雅人さん」


「そうだね」


 なぜかリリン達が私達に気を使わせて、私と靖子さんを二人きりにしてくれたようだ。


「雅人さん」


 私の手を握って、船の鉄柵までつれていき、海を見渡した。


 イルカがジャンプして泳いでいる。


「見て見てイルカよ雅人さん」


「本当だね」


 いつも靖子さんとは創作活動をしているが今日は特別私達夫婦だけの時間を堪能させて貰っている。


 靖子さんにはいつも助けられて来たからな、そのお礼として私は靖子さんと二人きりの時間を楽しませて貰っている。


「いつも創作活動で忙しい私と雅人さんもたまには生き抜きしないとね」


「思えば、靖子さんには助けて貰うばかりで私は申し訳ないよ」


「それはこっちの台詞だよ。いつも雅人さんには助けて貰ってばかりだから」


「思えば日本中北から南までつきあってくれた。私のキャラクターのデザインもしてくれたし」


「私は好きで、雅人さんに絵を提供しているんだもん。それぐらい当然よ」


「沖縄に着いたら、今度はどこへ向かおうか?」


「また北を目指して行くのはどうだろう?」


「そうかあ、再び北へ行くのか」


「雅人さんはどこに向かおうとしたの?」


「靖子さんと同じ所を目指していたよ」


「ねえ、雅人さん」


「な、何?」


「最近私達あれしていないじゃん」


「あれって?」


「もう女の人からそんな事を言わせるつもり?」


「もしかしてセックス?」


「もう恥ずかしいことをさらりと言わないでよ」


「でもリリン達がいる前では」


「そうね。リリンちゃん達がいる前じゃ出来ないかあ」


「そうだよ。出来ないよ」


「私はしても良いと思うけれど」


「子供達に悪い影響を与えてしまうよそんな事をリリン達の前でしたら」


「雅人さんは私としたくないの?」


 すると私の頭に血が急激に上り、私は多分凄く顔を真っ赤にしているんだと思う。


「し、したいよ」


「でも無理ね。あの子達がいたら子供達に悪い影響を与えてしまうからね」


「とりあえず、部屋に戻ろうか」


 私は少々がっかりしてしまった。

 最近靖子さんとはセックスしていないし、なぜか拍子抜けしてしまった。


 部屋に戻ると誰もいなかった。


「あれ、リリン、凜、ミレイ、わらし」


 私が呼ぶと部屋には誰もいない気配がした。


「もしかして四人とも私達に気を利かせてくれたのかもしれないよ」


 すると靖子さんはワンピースを脱いで私に迫ってきた。


「やばいよもし戻ってきたらどうするの?」


「その時はその時よ」


 私と靖子さんはベットの上でちゃんとスキンをつけて、セックスをした。


 あまりの気持ちよさに私の心臓が破裂しそうで、そのまま昇天してしまうんじゃないかと思った。


 そして丁度セックスを終えて着替えると丁度よく四人は戻ってきた。


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