メグ参戦
「お楽しみだったようじゃのう」
リリンが嫌らしい顔をして私と靖子さんに言う。
「リリン、怒るよ」
「そう憤るでない、恋人同士なら当然の事じゃ」
「何が当然の事なの?」「僕達は靖子お姉ちゃんと雅人お兄ちゃんに気を使わせてやれと言われてリリンお姉ちゃんに頼まれたんだけど」
凜とミレイは私達がした事を分かっていない。
「二人とも話をややこしくするでない」
リリンは私達に気を使わせてくれたのはありがたいが素直に喜べない。
「二人とも何をそんなに気まずい心境に浸っているのじゃ、久しぶりにしたのじゃから、もっと気持ちをリラックスさせてはどうじゃ?」
「リリン、お前も話をややこしくするな」
そこでわらしが「ママとパパだけずるい。私もパパとママと同じ事をする」
そこで靖子さんが「わらしちゃんにはまだ早いかなって私も話をややこしくしている」
「ねえ、パパとママは何をしていたの?あたしには早いってどう言う事」
「じゃあ、わらしちゃんに特別私がパパとママがしていたことを教えて上げるよ。だからママとお外に出ようか」
そういって靖子さんとわらしは外に出て行ってしまった。
靖子さんはまだ精神年齢が幼いわらしに妙な刺激を与えないように説明しているんだと思う。
「我が気を利かせてやったのにもっと礼を持って接するべきなんじゃないか?」
「何か素直に喜べないんだよ。もうこの話はおしまい、靖子さんが戻ってきたらみんなもう寝る」
大人げなくも私は三人に何を言って良いのか分からずに強引に話をやめさせた。
靖子さんとわらしは戻ってきて、私は「じゃあ、もう寝る」
「もう寝るの?」「僕達お昼から何も食べてないよ」
そうだった私と靖子さんがすごく恥ずかしいことをしている事で、私達は夕ご飯を食べるのを忘れていた。
「今日のフェリーは夕飯はバーベキューみたいよ」
「何?バーベキュー?」「食べたい食べたい」
凜とミレイはウキウキしている。
私もバーベキューと聞いていてもたっても入られなくなり、みんなで部屋を出て、バーベキューをしている船内へと向かった。
本当にバーベキューだ。
肉やホタテピーマンや人参を串刺しにして船内の人々は嗜んでいる。
「靖子さん、もしかしてこれって、別料金でとられるの?」
「良いや船内で宿泊している人全員食べることが出来るみたいよ」
「やった」「お肉お肉」
凜とミレイは早速お皿に肉を持って食べている。
「本当に凜とミレイは食いしん坊だな」
「そういう雅人さんこそ嬉しそうにしていたじゃない」
「まあ、凜とミレイほどじゃないけれどもな」
そこでリリンが「二人とも次するために性欲を充分に養っておくのじゃ」
私はリリンの頭に軽くげんこつを加えた。
「何をするのじゃ」
怒るリリン。
「もうその話はもう終わり。いい加減にしないと今度は尻たたくよ」
「すまぬ我が悪かった、じゃからそう怒るでない」
リリンにしては素直な返事に私と靖子さんは安堵の吐息を漏らして、バーベキューを私達家族で堪能する事になった。
エビや肉、ピーマン、ホタテに様々な肉や魚介類が並べられていて私達はそれらを串刺しにして、焼いて食べた。
今日はあまり人はいなくて、騒がしくもなく、ゆっくりとバーベキューを堪能することが出来た。
バーベキューも済んで私達は部屋に戻り、ベットに横になった。
「あ~もう食べられない」「もう今日は寝よう」
凜とミレイは一緒の布団に入り眠りに入った。
「あたしはママと一緒が良い」
とわらしは靖子さんを引き連れて、靖子さんはやれやれと入った感じで一緒に眠ることになった。
残った布団はあと一つ、私とリリンのベットで眠る事になった。
私はリリンの寝顔を見つめて、かわいい寝顔だななんて思って眠りにつこうとしたが、なぜか眠れず、外に出ることにした。
外に出ると風が少し冷たく、肌寒かったが、空を見上げると満点の星空で、私の心はうっとりとしてしまった。
この満点の星空をメモリーブラッドの第四巻に組み込みたい気分だ。
どのシーンでこのような場面にするか構想を考えていた。
「ふむ、本当に綺麗じゃのう」
私が夜空を見ている、ベンチにリリンはやってきた。
「リリン」
「今日はお楽しみじゃったのう」
「もうその話をすると本当に怒るよ」
「冗談じゃ、じゃが本当に綺麗な星じゃのう。雅人の小説にもこのような綺麗な星空をどう表現するつもりじゃ」
「ん~」と少し考えて「ガラスを散りばめたような光輝く夜景と言っておこうか」
「ふむ、魂に響く良い表現じゃ」
「私の小説って本当に良くかけているかな?」
「何を今更、良く書けているぞ」
「まさか本当に私が小説家になってしまうなんて、思っても見なかったよ」
「本当に今更じゃな」
「そうだね、本当に今更ながらの表現しか浮かばない」
「靖子が加わり、わらしが加わり、そして凜とミレイが加わったこの旅の出会いは宝物のようなものじゃと我は思っている」
「宝物かあ、リリンも小説を書いてみると良いんじゃないか?」
「良いや我は雅人の小説を書いて魂向上に我はつとめたい・・・我は不安じゃ」
「何が不安なの?」
リリンが不安と口にした瞬間、心許なくなってくる。
「我はお主や靖子達よりも何十倍もの時間を生きている。この先雅人も靖子も人間同様に年をとっていく、我はこのままで姿は変わらず生き続ける事となる」
「・・・」
リリンの不安に何て言ったら良いのか分からず、返す言葉が見つからない。
「我のような下等な死神に神に匹敵するほどの力を得られたのは、雅人や靖子やわらしや凜とミレイのおかげじゃ」
リリンの不安に言葉はないが、私はリリンを優しく抱きしめた。
「どうしたのだ。雅人よ。我がそんなに恋しいか?」
「恋しいよ。私もいつまでもリリンと旅を続けたい。妙な連中に襲われても私はリリンをみんなを守って見せる」
「嬉しいぞ雅人よ。我はお主と会えて本当に良かった」
「それはこっちの台詞だよ。いつまでも私が死んでもリリンは私の自慢の娘だ」
「そうか・・・おっ流れ星発見じゃ」
「えっどこどこ」
「もう消えてなくなったよ。人の世は流れ星のように儚い」
「人の世は儚いか、リリンも小説を書いてみれば良いのに」
「我は雅人が書く小説の手伝いが出来ればそれで充分じゃ」
するとリリンは私の肩に寄り添った。
「リリン」
「我は雅人がおじいさんになってもおるぞ、それに雅人の生まれ変わりを探して、また雅人に小説を書く魂向上に努めてもらう」
「私達はソウルメイト何でしょ」
「そうじゃソウルメイトじゃ、じゃから雅人が死んでも、同じ事を言うようじゃが、お主の生まれ変わりを見つけてまた旅が出来たら良いな」
「それは遠い先の話だよ、それに私が生まれ変わっても、小説を書いているとは限らないじゃないか。それにどうやって私の事を見つけるの?」
「話してなかったが、我はお主の先祖の事を知っている」
「ええっ!知っているの?」
リリンの話を聞いて驚愕する私だった。
「ああ、お主は我の五代目となる。それに靖子とも出会っている。我は死神でなければ、お主達の子供になっておったじゃろう」
「・・・」
あまりの衝撃的な事を聞いて返す言葉が見つからない。
「嘘のように思えるかもしれないが本当じゃぞ」
リリンは嘘を言う子ではない。
その真実を聞いて半分幸せな気持ちと半分複雑な気持ちも存在してる。
「どうした、あまりにも衝撃的な話に驚いたじゃろう」
「リリン、一つだけ聞いていい?」
「何じゃ」
「今までの私と靖子さんの先祖って幸せだった」
するとリリンは複雑そうな顔をして黙っている。
「リリン、どうなんだ」
リリンの体を軽く揺さぶる。
「今度こそお主達を幸せにしてみせる」
「つまり先祖の私達は幸せじゃなかったのか?」
「幸せとはほど遠かった。お主達の先祖も小説を描き靖子はイラストを描いていた。我の魂を向上させてくれた。じゃが戦争でお主等は死んで行ってしまった。
年を言うなら今のお主達ぐらいの年頃にな」
「もしかしたら、私達はミカエル達に殺されてしまうの?」
「そうはさせん。その為にも雅人よ。我は命を懸けてもお主を守り通すぞ」
まさか私と靖子さんがリリンの本当の子供だったなんて。
「どうしてそんな話をしてくれたの?」
「今度こそ我らが幸せになるために決まっておろう」
「じゃあ、凜とミレイは、それとわらしは?」
「あ奴らも同じソウルメイトじゃ。我らが旅に出ているときに偶然ではなく必然的に出会ったのじゃろう。
信長に殺された我らの親であった僧侶はお主達、靖子と雅人じゃ」
衝撃的な真実にどう向き合えば良いのか私にはわからなかった。
とにかくミカエルは何かしでかしてくる。
私達の命を狙って、この世の者達を殺そうとしにくることが分かった。
今回も前世と同じではなく今度こそは私と靖子さんリリンも凜もミレイもわらしもみんな幸せにして生き残って見せる。
「ありがとうリリン、私に真実を告白してくれて」
「今度こそ、我らは生き残るためにミカエルとの最終決戦が待ち受けている。
でも我らには創造主のペンと本がある。
それで奴らを倒しに行くぞ」
何か胸騒ぎがする。
これはリリンに真実を告げられたからだ。
日本最南端の沖縄に何があるのか分からないが私達に命に関わる事が待ち受けているのだろう。
ミカエルの聖なる力は正しさから生まれる。
それはすなわち悪魔の力だ。
私達は聖なる力に頼らずに行かなければミカエルの思うつぼだ。
私達は明るい魂を胸に立ち向かわなくてはならない。
「そろそろ寝ようリリン」
「そうじゃな」
私は真実を受け止める為には時間が必要かもしれない。
なぜこのタイミングでリリンは私達の真実を話してくれたかは疑問だったが、私が察するにもしかしたら次の沖縄で私達はミカエルに殺されてしまうのだろうか?
こんな眠る時間の夜にこんな事を考えても仕方がないがとにかくリリンと同じベットの上で私はなるべく考えないように、リリンを抱きしめ眠りに入った。
****** ******
必然的に朝はやってくる。
夢は見られなかったが、これが快眠と言う奴だろう。
リリンと同じベットに眠っていたのにリリンの姿が見受けられなかった。
「リリン、リリン」
それに凜とミレイも靖子さんとわらしもいなかった。
「みんなどこに行ったんだよ」
外を出ると、空からミカエルが現れて、リリンが、「ミカエルよ愚かな事はやめて、天に帰ったらどうだ?」
「フッフッフッ、私は大天使ミカエル、愚かな人間どもを抹殺するのが私の使命」
「そんな天命受け入れられるか、それが神である大天使のする事か?」
「人間は愚かな生き物、お前も見たであろう、創造主の本とペンで助けた時の人間の愚かさを」
「確かに人間は救いようもない生き物かもしれない。でも中にはこうして夢に向かい世のため人のために尽くす人間だって入ることを忘れないで欲しい」
「世のため人のためだと、くだらない、実にくだらない」
「リリン」
剣になってくれとアイコンタクトをする。
「分かっておる」
リリンは剣になってくれて、後からきた靖子さん達も凜がリリンの剣に融合して大釜になった。
靖子さんもわらしの弓になり、ミレイがそれに融合して金の弓矢へと変化した。
「ここには人が入るから場所を変えて貰わせて貰うぞ」
私は創造主の本を掲げて、沖縄行きの船からキーレンド山の麓に場所を変えた。
「愚かな人間よ、そんなに私に殺されたいか?」
「それはこっちの台詞だ」
ミカエルが槍を構えて私に猪突猛進につっこんでくる。
それをリリンと凜が融合した大釜で受け止める。
キィィィィンと耳につんざく音が聞こえた。
「フンッ、その程度か?私は無限の聖なる力を宿したもの、それに邪悪な心も聖なる力に変える事が出きる」
「だからどうしたって言うんだよ。それで私達に勝ったつもりでいるのか?
私達だって明るい魂で私達自身魂向上に努めて来た。
もうお前なんかには負けない」
するとミカエルが鼓膜が破れるほどの叫びを発した。
「くっ。姑息な真似を」
そこで靖子さんが「パワーアップした私達の力を見せて上げる」と靖子さんの強気な発言に頼もしい仲間が入ることに喜びを隠せず口角を上げてしまう。
靖子さんはミカエルに矢を何十発も放った。
だがミカエルは、余裕でその矢を槍で防ぎきった。
「貴様等の力はその程度か?」
そこでリリンが「やばいぞ。このままでは我らに勝ち目はないぞ」
やはりリリンの昨日言った通り、私達は死んでしまうのか?
そんな時である。
創造主の本から私と靖子さんが描いたメモリーブラッドのメグが現れた。
「これからは私に任せて」
強気な発言で私達に宣言する。




