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【揺花草子。】[#5281] 実験。

Bさん「阿部さんに向かって自動追尾ミサイルを撃ち込みたい。」

Aさん「撃ち込まないで? そんな強硬姿勢を見せないで?

    武力に訴える前に交渉で解決する努力を諦めないで?」

Cさん「そう言う事じゃないわ。思考実験よ。」

Aさん「し・思考実験・・・ですか?

    ぼくをミサイルで破壊する事が?」

Bさん「それ自体はゲームの終了条件だから正直何でも良いの。

    魑魅魍魎をけしかけるとか呪言とかで襲い掛かるとか

    カジュアルに呪詛るとかでも良いの。」

Aさん「どっちにしてもぼくを滅ぼしに掛かるのは何なの?」

Cさん「重要なのは、阿部さんを追いかけるある物体があって、

    阿部さんはそれから逃げ続けなければいけないと言う事よ。」

Aさん「逃げ続ける・・・。

    言ってもミサイルから逃げるなんてできなくないです?」

Bさん「そう、だからそこに条件を付ける。

    阿部さんを自動追尾するこのミサイルは秒速5センチメートルで

    大きさ的にはまあ500mmペットボトルくらいだと思って。」

Aさん「何その昔のアニメみたいな条件。

    秒速5cmって事は・・・」

Cさん「時速に直すと0.18km/hね。」

Aさん「時速180メートル!!?

    人が歩くスピードより遥かに遅いですよね!?

    そんなの当たるわけなくないですか!!?」

Bさん「そう思うでしょ?

    そんなの日常生活で意識しなくて良いレベルだとさえ思うでしょ?」

Aさん「まあ、思うねえ。

    だって正面から迫って来たとしてもひらりとかわせるスピードだもんさ。」

Cさん「迫って来ている事が分かればね。」

Aさん「えっ・・・何です、どう言う事です?

    もしかして光学迷彩的なアレで視認できないとかそんな奴です?」

Bさん「それは思考実験としては別条件が加わる事になるから

    また別の機会に考えたいけど、今回のミサイルはちゃんと見えます。

    だから阿部さんが言う通り避ける事は容易。」

Aさん「ふむ。」

Cさん「けど、よく考えてみて。

    この現場から阿部さんのおうちまで、

    話を簡単にするために直線距離で3.6kmとしてみるわ。

    となるとこの現場から発射して時速180mでまっすぐ飛ぶ飛翔体は

    20時間で阿部さんの家に到達するって事になるわよね。」

Aさん「なりますけど・・・いやそもそも自宅まで3.6kmって仮定がどうでしょう?

    さすがにもう少し遠いと思いますよ?」

Bさん「あのね、それは意外な思い違いだよ。

    ぼくらの住む街のターミナル駅から例えば半径5kmの円を描いたら

    市交通局の地下鉄駅のほとんどが円内に収まるよ?」

Aさん「えっ? そんなもんなの?」

Cさん「そんなもんなのよ。

    公共交通機関や道路で移動する場合は時間も掛かるから

    意外と長い距離を移動している印象だけど

    実際直線距離で言えばそうでもないと言う事よ。

    東京だって皇居から新宿や渋谷まで直線で5kmくらいだもの。」

Aさん「そ・それは意外です・・・。」

Bさん「20時間と言うのはけっこう絶妙だと思うんだ。

    仮定としてモデルケースを提示するけど、

    ぼくら【揺花草子。】の収録が例えば14時から16時まであったとして、

    移動に多めに見積もって1時間掛かるとすれば

    阿部さんは13時におうちを出て17時に帰宅する事になるよね。」

Aさん「寄り道しなきゃそうなるが・・・。」

Cさん「逆に言えば17時から翌日13時まで、

    つまり20時間在宅していると言えるわけ。」

Aさん「んっ・・・まあ、確かに、そうなりますね。」

Bさん「と言うわけだから、ある日収録が終わって解散した後に

    阿部さんが帰宅した頃を見計らって

    時速180mの自動追尾ミサイルをこの現場から発射したとすれば、

    次の日阿部さんが収録のたびにおうちを出ようとしたまさにその瞬間、

    玄関を開けた瞬間に阿部さんに着弾すると言う計算になるわけだよ。」

Aさん「んん・・・!

    まあもちろん話を色々単純化していると言う前提はあるけど、

    時速180mって言うものすごい遅いミサイルでも

    条件次第では普通に当たるって事か・・・!」


Bさん「つまり

    『阿部さん爆発しろ』

    って事だよ。」

Aさん「ここまで来て何その結末!!???」


 最近めっきり聞かなくなりましたね。

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