始まりの街 ラルゴ 〈LARGO〉
クイズのようだった実技試験が終わり、ようやくゲームフィールドに降り立つ事ができた。
定石通り、どこかの街からスタートのようだ。スタンダートな中世風の雰囲気。
ほかのゲームよりも、やや落ち着いた空気か。
「武器を持ったプレイヤーが居ないんだなぁ。まあ、武器といっても普段は普通の楽器だしね。」
ガイドAIによると、このゲームは選択した楽器が武器に変形し、それで戦うらしい。
「あと、なんだか他のプレイヤー、みんな上品な人たちに見える」
例えて言うならそう、どこかのサロンに出入りしてそうな人たち。
やはり、オーケストラというだけあって、普段からクラシックに造詣が深い人が多いのだろうか。
「さてと、まだバトルシステムとかよく分かっていないけど、まずはモンスターと戦ってみようかな!体で覚えるタイプだしね。実戦あるのみ!」
とはいえ、初心者向きの戦闘ができる場所がどこか分からないので、周辺のプレイヤーに聞いてみることにした。
「あぁ、こんにちは^^ 新人さんだね?街の北門から出ると草原があるので、まずはそこで戦ってみるよいいよ。」
とりあえず、目についたベテランそうな赤髪の女性に、適当な場所を聞いてみた。
彼女は気さくに教えてくれた。
「指揮者なんだ!優秀な指揮者は少ないから、レベル高い指揮者は超貴重だよ!レベル上がったら、私の楽団に遊びにきてみて。客演で指揮をお願いしたいわ~。これ、私のネームカードね!」
人懐っこい笑顔から見える八重歯が眩しい。
そういって彼女は、金色に光るカードを渡してくれた。
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名前 フレデリカ
楽器 ヴァイオリン
楽団 アダージョ・フィルハーモニー幻想楽団
タイトル コンミス
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