ラルゴ北部平原
「タクトです☆何かご用かな??」
フレデリカに教えてもらった場所は、北門から出るとすぐに分かった。
広大な草原が一面に広がっていた。立札によると、ラルゴ北部平原というらしい。
わかりやすいね。
戦闘システムがよく分からなかったので、ガイドAIを呼び出してみた。
「コマンドメニューにチュートリアルがあるんだけど、まぁいいや☆特別だよ!!」
恩着せがましく白い髪のAIは言っているが、気にしない。
「まずは指揮棒を装備してね。そう、そんな感じ。
装備したら、”アームド”って言うと、武器に変形するよ。
武装化って意味ね☆」
なるほど、装備した楽器を武装化して、武器にするわけね。
「アームド!」
タカは指揮棒を構え、得意げに叫んでみた。
しかし、何も起きない。。
「はい、OKだよ☆ステータスみると、ちゃんと武装化状態になっているでしょ?」
なんと、武装化は完了しているらしい。
「なんか、もっとカッコイイ演出とか、エフェクトはないわけ??」
期待していた武装化アクションが違っていたので、思わずガイドAIに突っ込んでしまった。
「初期武器にそんな演出あるわけないでしょ??がんばってもっといい指揮棒を見つけようね☆」
指揮棒によっては、派手な演出の効果があるかもしれない。自分の予想外のこだわりポイントを発見し、それに少し驚きつつ、とりあえず戦闘を試してみることにした。
「そう!その調子☆アームド状態の棒で殴るんだ!!」
タカは最弱であろう小動物系のモンスターに、指揮棒の形状そのままの棒で殴りかかっていた。
どんなに強く殴っても、棒が折れないのはゲームだからだろう。
実際、指揮棒はあまり攻撃力が強くない。
タクトの説明によると、指揮者の初期スキルは、指揮棒によるバフ・デバフ、
状態異常付与がメインだから、数人でパーティーを組むのが通常らしい。
ソロは向かないようだ。
ソロの場合、バフ・デバフのスキルで戦闘に有利な環境を作り、
「催眠の指揮」というスキルで敵を眠らせ、棒による打撃でとどめを刺す、
というパターンで戦うようだ。
「地味すぎる。。決め技とかあるのだろか。。」
タカは数時間、タクトの指示通りに戦い続け、レベルも少し上がった。
しかし、戦闘の地味さに耐えられなくなった。。
「ゲームなのに爽快感がない。。やはり、ここはパーティーを組みに戻ろうかな。
タクト、パーティーはどうやって組むの?」
もはや自分専用のAIのように、タクトに声を掛けた。
「そうだね☆いったん街に戻って、酒場に行ってみようか!
誰か、レベル上げに付き合ってくれるかもよ?」
タクトは白い髪を揺らし、意味不明にターンした後、不自然にあざといポーズをとりながら
目をキラキラさせながら教えてくれた。
「ありがとう。じゃあ、街に戻ろう」
「おっと!あいかわらず僕の可愛さについてはスルーだね☆」
タカとタクトは草原から街の北門を通ってラルゴの街に戻っ行った。




