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13 かごめかごめ
夕方。帰宅途中。
神社のそばを通り過ぎようとした時、懐かしい歌が聞こえた。
「か~ごめ、かごめ。
か~ごのな~かの、と~りぃ~は」
私も小さい頃、あの歌を歌い、近所の友達と遊んだものだ。
山根くん、元気にしてるかな。借りパクしてしまった彼のファミコンのソフトは、今も家の押入れの中に眠っている。
結局返していないけれど、気づいているのかな。
昔のことを懐かしんでいると、後ろから声が聞こえた。
「か~ごめ、かごめ。
か~ごのな~かの、と~りぃ~は。
い~つい~つか~え~す。
お~れのゲ~ムのソ~フト」
夕方の住宅街に響く、聞き覚えのある声。
驚いて振り返る。
そこにいたのは―。
ちなみに、主人公は山根君の他に、二人の友達からゲームのソフトを借りたまま返していません。




