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白い宵闇の路地  作者: まこた


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30/72

昏い白

藍した虚(うそ)

「わたしはSじゃないよ…」

イリヤが小さい口からほとばしらせる言の葉。

「ぼくはSです…」

応えたイズヤ。


☩

「てんで、ダメだ…」

「どうした、ホソミ」

「ホームセンタで買ったラックが作れない…」

「…きゃわ!」

じとっとイズヤのほうをねめつけるホソミ。

「…馬鹿にしてます?」

「え…してないって」

汗がでないけど、すこし焦ったイズヤ。

「もう…すぐ 馬鹿にするんだから…」

ほほをふくらませるホソミ。

白いコートに 彼は 黒いリボンをつけていた…

「いや… あ リボンがすこし ずれてるよ」


「なに、言ってるのよ    ずっと ずれてる…」

ホソミの微笑はイズヤにしか見えない虹色の嘘。

それはまるで 若干黒色に見えた…。


外は白い雪が降っていた

「ちょっと まだ十月じゃない」

十月にぬれぎぬを着せていたイズヤ。

「そうだね はやい…」

雪の下で手でその小さな光を受け止めるホソミのてのひら


「ずっと…その そばにいてほしいなあ」

「……うそつかないでね 先輩」

笑顔でイズヤを見つめるホソミ。白く長いスカートはしかしやはり少し紫。

前かがみになっていて 目を細めているホソミの口角からは小さい泡が

虹のように上空に流れ落ちていくようだった…


「ああ…ちょっとだけ」

黒い前髪を受け入れたイズヤは

にやけている。とても虚しいと。



Δ

「ばーたれ。ちゃんと拭け」

「はい…」

大人しく従うイズヤ。

「ったく 後輩を指導するのもな 楽しくもなんともない」

ぶつぶつ 小さな音量で騒ぐ陽気なイリヤさん


「続けることが大事だよ」

「…そんなもんすか」

「そうだよ                  すべて…」

いつも静かに滑ってるイリヤは

ほんの ときどきだけど  すべてくらいは  統べているようだった


挿絵(By みてみん)


拾った宵闇

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