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白い宵闇の路地  作者: まこた


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光る空 寂しげだ

虚空の嘘つき 真実を咲く

挿絵(By みてみん)


消えた光を追っていた

イズヤは 首にチョーカーを着けている。昔ながらのネックレスのチョーカーではなく

今風というのだろうか首に 首輪ではないが薄い生地を巻き付けるタイプのチョーカーである


イズヤは犬を飼っている

犬の名前は きっと忘れた

いずれ 思い出す…。


そういえば 張り紙がラーメン屋にあったな…

【犬を探しています 25kgのラブラドールでひとなつっこいです…

赤い服を着せられている大型犬の写真


それは 至ってかわいらしい そう なんの変哲もない 写真だ…


イズヤはイヤホンをはずしたりつけたり

所在なさげにもてあそびながら 思案した…。

「犬なんて ほっとけば もどってくる …」

彼ら動物 とりわけ 犬は 帰巣本能がある…

ゆえに 「道」をトレースして 戻ってくる 巣へと帰巣する機能が

期待できた…


イズヤは高校一年生で 適当に入れる学校に入った

詳細を述べる必要性は一切ないが

とりあえず 進学校と呼ばれている学校群 では ない…。


「怖いとすれば その犬がしつけができてなくて 道行く一般人にとびかかること

…ではあるけど…」 そう思いながらコンビニのイートインスペースで

うまい棒を開封するイズヤ。

なにもかも 信号でできている大都市的な日本と

その衛星として認識される 農業工業を ディレクトリ的に負担する郊外において

犬に襲われて ダメになる 労働ができないコンディションになる社会人は

そういない気もした…

なぜなら 社会人はなにかしらのスキルのプロ ゆえに賃金をもらっている。

犬と遭遇しない人生を選択する場合もある。

なぜか 事故にあわない。それは占いでもスピリチュアルでもない。

いやそれを経由しても結局は ライフスタイルのデザイン

取捨選択と優先順位の おおげさにいえば 賜物か…。


コンビニのイートインスペースの隣の席には

中学校一年生の男子の いわば 後輩のような存在の

ホソミがいる。丸い 椅子に 座っている。

「イズヤさん なに考えごとしてるんですか?」

朴訥としながらも優しい笑みを浮かべるホソミ。

「いや なんでもない」

少し照れるイズヤ…。

「ホソミは 犬が好きだったっけ?」

ホソミは きょとんとして イズヤを見つめる。

「…え? あ 好きですよ… 」

なぜか 間がある 妙な間がある会話…

「あ 嫌いな人もいるよね…」とイズヤはフォローする。

「いや そうじゃなくて」

うつむいているホソミ

(興味を持ってくれてるんだな…)

ホソミが口にできない言葉

ホソミは 天井を見上げる。そこにあるのはコンビニの なんの 変哲もない

そんな 天井。 天上のアリアは ついぞ聞こえない。


イズヤはホソミの目の少し 下を見る。

人の目を直視はしたくない。

心まで見透かしたくない…

そして 土足で踏み込みたくない…

「あのさ ホソミ」

「わっと…なんですか!」

ホソミの手を取るイズヤ

「今度USJ 行こうか…」

「   は?  いや いいですよ おごりですか そんなわけないか」

イズヤは ほくそ笑む

「なんで? 全部出すよ バイトしてるから…」



イズヤは一人ぼっちの自宅に帰る。

鍵っこなのだ。それは 昔から……。

親と仲が悪いのではない。兄弟は いるがやはりいろいろあって疎遠で

結局

人間関係が不自然と言われる類だった

軋轢を恐れて

適当に斜に構える癖はそこからついたに違いなかった。


「犬が いない」

君がいない と同じテンションでつぶやくイズヤ。

一戸建てなので 犬は飼える…

檻の中にいる小さなメスの柴犬を見つめる

「ただいま…」

イズヤはぼそっという。

力は抜けている

優しい顔をしているかもしれないが

救われているのは自分のほうだとイズヤは認識していた


ホソミは 路地裏を一人歩いていた

「びっくりしたな…もう」

眼を閉じて笑っているホソミ

幸せだと怖くなる


自分がナイフを持って生きていることなど イズヤは知らない

それは 変哲もないミリタリーのアイテムで

不良が持っているのとはニュアンスが違うが

そんな趣味の話は大人は理解しない


ミリタリーイコール戦争肯定 イコール悪なのだ。

あるいは ナイフを所有するのは精神異常であり

攻撃的である と思っている大人もいるのではないかと

ホソミは不安だった

刀身がきれいなナイフ という感性は まるで存在しない価値観なのだ

水彩画で あでやかなナイフを優しい蝶々と描く子供が

存在しないように…


挿絵(By みてみん)


花柄のワンピース もう無い

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