第29話 地下室で発見された手記
以下は、福岡県警が押収した手記の断片を、判読可能な範囲で書き起こしたものである。手記はアパート「黄泉館」の地下室、祭壇と思しき場所の近くで発見された。筆記者は不明。複数の筆跡が混在している可能性も指摘されているが、現時点では特定に至っていない。なお、原文はノートの切れ端や破れた紙片に書かれており、血痕や泥のようなもので汚損している部分も多い。
カミシロ様……言霊……救済……
今日……儀式……
少し……怖い……でも……選ばれた……
高く……昇る……
(判読不能)
皆……白い服……顔を……布で……
地下室……集まる……
祭壇……石……人骨……?
あの……シール……
(判読不能)
カミシロ様……何か……唱えてる……
分からない……言葉……でも……
力……感じる……
(判読不能)
歌……始まる……
踊り……?
みんな……おかしい……
怖い……
でも……
気持ちいい……?
(判読不能)
カミサマの声……聞こえる……
体が……熱い……
何かが……降りてくる……?
(判読不能)
カミシロ様……生贄……
やめて……
嫌だ……怖い……
でも……逆らえない……
(判読不能)
揺れてる……?
光……?
目……?
巨大な……目……
私を……見てる……
カミ……ナリ……サマ……?
(判読不能)
一つに……なる……
全てが……
溶け合う……
私……?
カミサマ……?
もう……分からない……
(判読不能)
終わった……?
何が……?
私は……
何を……した……?
思い出せない……
(判読不能)
カミシロ様……笑ってる……
世界……救われる……?
嘘だ……
何か……
恐ろしいことが……
起こった……
(判読不能)
私は、もう戻れない……
カミサマ……オカエリナサイ……
オカエリ……ナサイ……
4444……アカイ……クツ……
コトリ……バコ……
カミ……シロ……
シンダ……コロセ……
(以降、判読不能)
手記の断片はここで終わっている。紙片には、無数のシミや汚れ、焦げ跡のようなものが見られる。
補足
筆跡鑑定の結果、山下陽子の日記と、筆跡が酷似している箇所が複数確認された。しかし、断定には至らない。
一部、筆跡の異なる箇所があり、複数人によって書かれた可能性も示唆されている。
DNA鑑定の結果、複数の人物のDNAが検出された。一部は山下陽子のものと一致。
手記の内容から「カミカクシ」と呼ばれる儀式について言及していると推測される。
現在「言霊の会」との関連性を重視し、捜査を進めている。
発見場所:アパート「黄泉館」地下室
発見日:2024年6月16日
発見者:福岡県警 捜査一課 特殊捜査班 ██ ██
注:
この資料は、警察の捜査資料の一部であり、一般には公開されていません。取り扱いには十分注意してください。
日付:2024年6月16日
媒体:福岡県警捜査資料




