第24話 YouTubeチャンネル「ミステリー・ファイル」動画の書き起こし
未発表の脚本
【閲覧注意】福岡の怪事件を予言した脚本?
アパート「黄泉館」の闇
2024年6月12日
(動画冒頭、画面には、大きな白いマスクと白髪のウィッグをつけた女性が映っている。顔の大部分は隠れており、表情は読み取れない。背景は薄暗く、安っぽい心霊スポット紹介動画のような雰囲気)
女性
「……こんばんは。『ミステリー・ファイル』へようこそ。
……えーと、今日は、皆さんにご報告があります。あの、私、『オカルト調査部』さんの大ファンで、いつも動画を拝見してるんですけど、実は先日、ちょっと……すごいものを、見つけちゃいまして」
(女性は、手元にある古びた原稿用紙の束を見せる。表紙には「神鳴りの村」(仮題)と手書きの文字)
女性
「……これ、映画の脚本みたいなんですけど。えっと、場所は、福岡市内の、えーと、⚪⚪区にある。もう倒産しちゃった映画制作会社の、倉庫、です……。あの、私、ちょっとした事情で、その倉庫に入ることができまして……。そしたら、この脚本が、他のガラクタと一緒に、埃をかぶってて。あ、その、不法侵入とか、そういうつもりじゃなくて……。
その、ええと……」
(女性は、言葉に詰まりながら、必死に弁解しようとする)
女性
「……それで、この脚本なんですけど、『神鳴りの村』って書いてあって。『オカルト調査部』の田中さんが、前に動画で言ってた、██村の話に、なんか似てるなって……あの、幽霊が出るとか、変な儀式があるとか、それで、もしかしたらと思って……その、連絡しようと思ったんですけど」
(女性は、原稿用紙をめくりながら、カメラに見せる)
女性
「これ、見てください。手書きで、すごく古い感じなんですけど。なんか、書き込みとか、修正も多くて……。所々、破れてたり、汚れてたりしてて、読みにくいんですけど」
女性
「……えっと、じゃあ、ちょっとだけ、画面に映しますね」
(女性は、咳払いをして、原稿用紙を映し出す)
〇██村の山中・禁足地(夜)
暗闇の中、焚火が赤々と燃えている。
白い布で顔を覆った村人たちが、奇妙な衣装を着て、円陣を組んでいる。
中央には、大きな石。その上に若い女性が生贄として縛り付けられている。
村人たちは、奇妙な歌を歌いながら、踊っている。
村人たち「カミサマ、カミサマ、オカエリナサイ……」
その様子を、息を潜めて見つめる二人の男、佐藤と田中。
佐藤「(小声で)田中、カメラ回ってるか?」
田中「(小声で)あ、ああ。でも、これ、ヤバすぎるって……」
村人たちの歌声が、徐々に大きくなっていく。
祭壇の前には、村の長老らしき男、カミシロが立っている。
カミシロ「いでよ! 神鳴り様! 我らに力を!」
その瞬間、空に稲妻が走り、雷鳴が轟く。
佐藤「(息を呑む)まさか……」
田中「(震え声で)佐藤さん、逃げよう!」
生贄の女性が、恐怖に顔を歪ませ、叫び声を上げる。
佐藤「(小声で)くそっ、見過ごせない……!」
佐藤は、田中を振り切り、村人たちの中へ飛び込んでいく。
佐藤「お前ら何やってんだ! こんなこと、許されるはずがない!」
村人たちが、一斉に佐藤の方を向く。
白い布の奥で、無数の目が、異様な光を放っている。
カミシロ「邪魔をするな。これは、神聖なる儀式だ」
佐藤「儀式だと? これが!? 人を殺すことが、神聖なのか!?」
村人たちが、佐藤を取り囲む。
カミシロ「お前も、神鳴り様の一部になるのだ」
佐藤「放せ! 放せっ!」
〇村の公民館(翌日)
古びた公民館の一室。
佐藤が、椅子に座って項垂れている。
その目の前には、村の駐在所の警察官が、面倒くさそうに座っている。
佐藤「だから、昨日の夜、僕はこの村で、とんでもないものを見たんです! 生贄を使った儀式ですよ!? すぐに捜査を!」
警察官「……」
佐藤「くっ! 田中は……田中は、どうなったんだ……?」
警察官「……」
佐藤「お願いです、信じてください! 村人たちは、何かを隠してる!」
警察官「……」(ため息)
佐藤「……っ!」
佐藤は、警察官の冷たい視線に気づく。
その目は、まるで人間のものではない。
佐藤「(恐怖に震えながら)……お前も、グルなのか……?」
警察官「……」
薄く微笑む。
警察官、交番の奥へ立ち去る。
〇謎の施設・地下(数日後)
薄暗い地下室。
佐藤は、ベッドに拘束されている。
部屋には、巨大なコンピューターと、多数のモニターが設置されている。
モニターには「コトリバコ」というロゴが表示されている。
モニター、点滅する。不気味な文字列や画像。
カミシロ「……選ばれし者よ。恐れることはない」
カミシロが、白衣を着た研究者たちを引き連れて、部屋に入ってくる。
佐藤「お前は……! 何をする気だ!」
カミシロ「お前は、これから新しい世界の礎となるのだ」
研究者の一人が、佐藤に注射器を向ける。
佐藤「やめろ! 離せ!」
佐藤は必死にもがくが、身体は自由にならない。
カミシロ「……全ては、神鳴り様のために」
〇██村の山中・禁足地(数日後)
月明かりの下、村人たちが再び儀式を行っている。
カミシロが、祭壇の前で祈りを捧げている。
祭壇には、多数の人骨が積み上げられている。
空には、巨大な「目」のようなものが、不気味に浮かんでいる。
村人たち「カミサマ、カミサマ、オカエリナサイ……」
狂ったように歌い、踊る村人たち。
その中に、見覚えのある顔がある。
佐藤……?
しかし、彼の顔は焼けただれ、人間とは思えないほど変わり果てている。
カミシロ「オカエリナサイ……我が息子よ」
(以下、原稿用紙数枚が破り取られ、欠落している)
女性
「……って、ここで終わってるんです。これ、どう思います? あの、これって『オカルト調査部』の田中さんと、都市伝説検証サイトの、佐藤さんの話……ですよね? でも、この脚本、すごく古いみたいなんです。2017年って書いてあるし……。もしかして、これ書いた人、予言者だったりして?」
(女性は、不安そうにカメラを見つめる)
女性
「……なんか、怖いこと言っちゃって、ごめんなさい。でも、この脚本、どうしても気になって。……もし、何か知ってる人がいたら、教えてください。あ、それと、このチャンネル、今の脚本をみせるために開設したんで、よかったら拡散お願いします!!」
(動画終了)
(コメント欄)
・「怖すぎ……」
・「本物なの? これ」
・「オカルト調査部に通報した方がいいんじゃない? 冗談だとしたら悪質すぎるし」
・「これ、洒落にならんやつや……」
・「神鳴り様って、マジでいるのか……?」
・「カミシロって誰?」
・「コトリバコって、最近話題のAI?」
・「福岡、ヤバすぎ……」
・「もう終わりだ……」
(多数のコメントが寄せられている)
動画投稿日時:2024年6月12日
YouTubeチャンネル「ミステリー・ファイル」動画書き起こし




