表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁忌index コトリバコの記録  作者: 藍沢 理


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/51

第24話 YouTubeチャンネル「ミステリー・ファイル」動画の書き起こし

未発表の脚本


【閲覧注意】福岡の怪事件を予言した脚本?

アパート「黄泉館」の闇


2024年6月12日


(動画冒頭、画面には、大きな白いマスクと白髪のウィッグをつけた女性が映っている。顔の大部分は隠れており、表情は読み取れない。背景は薄暗く、安っぽい心霊スポット紹介動画のような雰囲気)


女性

「……こんばんは。『ミステリー・ファイル』へようこそ。

……えーと、今日は、皆さんにご報告があります。あの、私、『オカルト調査部』さんの大ファンで、いつも動画を拝見してるんですけど、実は先日、ちょっと……すごいものを、見つけちゃいまして」


(女性は、手元にある古びた原稿用紙の束を見せる。表紙には「神鳴りの村」(仮題)と手書きの文字)


女性

「……これ、映画の脚本みたいなんですけど。えっと、場所は、福岡市内の、えーと、⚪⚪区にある。もう倒産しちゃった映画制作会社の、倉庫、です……。あの、私、ちょっとした事情で、その倉庫に入ることができまして……。そしたら、この脚本が、他のガラクタと一緒に、埃をかぶってて。あ、その、不法侵入とか、そういうつもりじゃなくて……。

その、ええと……」


(女性は、言葉に詰まりながら、必死に弁解しようとする)


女性

「……それで、この脚本なんですけど、『神鳴りの村』って書いてあって。『オカルト調査部』の田中さんが、前に動画で言ってた、██村の話に、なんか似てるなって……あの、幽霊が出るとか、変な儀式があるとか、それで、もしかしたらと思って……その、連絡しようと思ったんですけど」


(女性は、原稿用紙をめくりながら、カメラに見せる)


女性

「これ、見てください。手書きで、すごく古い感じなんですけど。なんか、書き込みとか、修正も多くて……。所々、破れてたり、汚れてたりしてて、読みにくいんですけど」


女性

「……えっと、じゃあ、ちょっとだけ、画面に映しますね」


(女性は、咳払いをして、原稿用紙を映し出す)




〇██村の山中・禁足地(夜)


   暗闇の中、焚火が赤々と燃えている。

   白い布で顔を覆った村人たちが、奇妙な衣装を着て、円陣を組んでいる。

   中央には、大きな石。その上に若い女性が生贄として縛り付けられている。

   村人たちは、奇妙な歌を歌いながら、踊っている。


村人たち「カミサマ、カミサマ、オカエリナサイ……」


   その様子を、息を潜めて見つめる二人の男、佐藤と田中。


佐藤「(小声で)田中、カメラ回ってるか?」

田中「(小声で)あ、ああ。でも、これ、ヤバすぎるって……」


   村人たちの歌声が、徐々に大きくなっていく。

   祭壇の前には、村の長老らしき男、カミシロが立っている。


カミシロ「いでよ! 神鳴り様! 我らに力を!」


   その瞬間、空に稲妻が走り、雷鳴が轟く。


佐藤「(息を呑む)まさか……」

田中「(震え声で)佐藤さん、逃げよう!」


   生贄の女性が、恐怖に顔を歪ませ、叫び声を上げる。


佐藤「(小声で)くそっ、見過ごせない……!」


   佐藤は、田中を振り切り、村人たちの中へ飛び込んでいく。


佐藤「お前ら何やってんだ! こんなこと、許されるはずがない!」


   村人たちが、一斉に佐藤の方を向く。

   白い布の奥で、無数の目が、異様な光を放っている。


カミシロ「邪魔をするな。これは、神聖なる儀式だ」

佐藤「儀式だと? これが!? 人を殺すことが、神聖なのか!?」


   村人たちが、佐藤を取り囲む。


カミシロ「お前も、神鳴り様の一部になるのだ」

佐藤「放せ! 放せっ!」




〇村の公民館(翌日)


   古びた公民館の一室。

   佐藤が、椅子に座って項垂れている。

   その目の前には、村の駐在所の警察官が、面倒くさそうに座っている。


佐藤「だから、昨日の夜、僕はこの村で、とんでもないものを見たんです! 生贄を使った儀式ですよ!? すぐに捜査を!」

警察官「……」

佐藤「くっ! 田中は……田中は、どうなったんだ……?」

警察官「……」

佐藤「お願いです、信じてください! 村人たちは、何かを隠してる!」

警察官「……」(ため息)

佐藤「……っ!」


   佐藤は、警察官の冷たい視線に気づく。

   その目は、まるで人間のものではない。


佐藤「(恐怖に震えながら)……お前も、グルなのか……?」

警察官「……」

   薄く微笑む。

   警察官、交番の奥へ立ち去る。




〇謎の施設・地下(数日後)


   薄暗い地下室。

   佐藤は、ベッドに拘束されている。

   部屋には、巨大なコンピューターと、多数のモニターが設置されている。

   モニターには「コトリバコ」というロゴが表示されている。

   モニター、点滅する。不気味な文字列や画像。


カミシロ「……選ばれし者よ。恐れることはない」


   カミシロが、白衣を着た研究者たちを引き連れて、部屋に入ってくる。


佐藤「お前は……! 何をする気だ!」

カミシロ「お前は、これから新しい世界の礎となるのだ」


   研究者の一人が、佐藤に注射器を向ける。


佐藤「やめろ! 離せ!」


   佐藤は必死にもがくが、身体は自由にならない。


カミシロ「……全ては、神鳴り様のために」




〇██村の山中・禁足地(数日後)


   月明かりの下、村人たちが再び儀式を行っている。

   カミシロが、祭壇の前で祈りを捧げている。

   祭壇には、多数の人骨が積み上げられている。

   空には、巨大な「目」のようなものが、不気味に浮かんでいる。


村人たち「カミサマ、カミサマ、オカエリナサイ……」


   狂ったように歌い、踊る村人たち。

   その中に、見覚えのある顔がある。


   佐藤……?


   しかし、彼の顔は焼けただれ、人間とは思えないほど変わり果てている。


カミシロ「オカエリナサイ……我が息子よ」


(以下、原稿用紙数枚が破り取られ、欠落している)



女性

「……って、ここで終わってるんです。これ、どう思います? あの、これって『オカルト調査部』の田中さんと、都市伝説検証サイトの、佐藤さんの話……ですよね? でも、この脚本、すごく古いみたいなんです。2017年って書いてあるし……。もしかして、これ書いた人、予言者だったりして?」


(女性は、不安そうにカメラを見つめる)


女性

「……なんか、怖いこと言っちゃって、ごめんなさい。でも、この脚本、どうしても気になって。……もし、何か知ってる人がいたら、教えてください。あ、それと、このチャンネル、今の脚本をみせるために開設したんで、よかったら拡散お願いします!!」


(動画終了)




(コメント欄)


・「怖すぎ……」

・「本物なの? これ」

・「オカルト調査部に通報した方がいいんじゃない? 冗談だとしたら悪質すぎるし」

・「これ、洒落にならんやつや……」

・「神鳴り様って、マジでいるのか……?」

・「カミシロって誰?」

・「コトリバコって、最近話題のAI?」

・「福岡、ヤバすぎ……」

・「もう終わりだ……」


(多数のコメントが寄せられている)


動画投稿日時:2024年6月12日

YouTubeチャンネル「ミステリー・ファイル」動画書き起こし


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ